第2回 組込みシステム技術に関するサマーワークショップ
(SWEST2)報告書

2000年10月1日
SWEST実行委員会

 2000年7月31日から8月1日にかけて開催した第2回目の本ワークショップついて報告する。

本ワークショップは、社団法人トロン協会、組込みソフトウェア技術研究会(CEST)、 組込み機器業界交流会Emblemとの共催で、

  • 大学における組込みシステムおよびその要素技術の研究の活性化
  • 企業における大学の研究成果の導入の促進
  • 企業の要求事項を大学側へ伝える場を提供
  • 産学共同の研究活動のきっかけを提供
  • 大学・企業間の人的交流の促進とそれによる創発的活動の場の提供
を目的として、ラフォーレ修善寺で開催し、大学の先生方、学生の皆さん、 企業のエンジニアなど、昨年の80名を大幅に上回る120名の方々にご参加頂いた。 人数バランスとしては大学:企業が6:4程度であり、大学については昨年に 較べて教官よりも学生の参加が多いという状況であった。

 また、開催に当たっては、社団法人 情報処理学会、社団法人 電子情報通信学会、 社団法人 日本システムハウス協会(JASA)の後援・協賛を頂いた。さらに協賛会社として 株式会社アドバンスド・データ・コントロールズ、株式会社アルティマ、 エルグ株式会社、株式会社エルミックシステム、CATS株式会社、 サンリツオートメイション株式会社、三菱電機マイコン機器ソフトウエア株式会社、 株式会社ワイ・ディー・シーにご協力頂いた。 この場を借りて改めて感謝の念を表します。

 第2回を迎えた本ワークショップでは、これまでの基調講演、一般発表、分科会、 デモンストレーションに加えて、新たな試みとして、参加者のレベルの擦り合わせの 意味合いも兼ねて、3並列のチュートリアルも行った。第1回目に引き続き、 本ワークショップの特徴である「議論中心」の考え方は今回も維持されている。 一般発表は発表15分+質疑応答15分と議論の時間をかなり多く取っており、 また分科会という参加者全員で議論できる場を2時間ずつ2回設けている。

 しかし、実行委員会側の予想に反して(喜ぶべき事なのだが)、参加者が去年の1.5倍 に当たる120人となってしまい、去年の反省(一つの分科会の参加者が多すぎて、議論 が成立しなかった)を生かして3並列とした分科会が、やはり参加者が多すぎるという 事態に陥ってしまった事は、非常に残念であった。

 以下、それぞれの項目について報告する。報告内容について、文体の不統一などの 問題があり、また、記録者が必ずしもその分野について詳細な知識を持っていない 場合もある事をご容赦頂きたい。





SWEST2終了後アンケート集計結果 (2000/11/13)
7/31(月) (11:30〜) 受付
12:30〜12:45 オープニングセッション
12:45〜14:00 基調講演
14:15〜15:15 一般発表1
セッション1A: 開発手法・言語
「組み込みシステムのためのソフトウェア開発ライフサイクル論」
松本 吉弘(武蔵工大)

「組込み装置向きプログラミング言語 EBIFRY」
大山 博司(オークマ)

セッション1B: 開発事例
「WindowsCEにおけるCOMアプリケーション開発事例」
有賀 英樹(SRA)

「汎用OSを利用したAV情報家電の構築に関する報告」
副島 康太, 松田 正彦, 飯野 徹, 林豪 敏(日本鋼管), 中島 達夫(早稲田大)

15:30〜17:00 ポスターセッション・デモンストレーション・KJ法セッション
ポスターセッション

「組込み装置向きGUI開発環境 EBIFRY SET」
大山 博司(オークマ)

「組み込み向けOSにおけるデバイスドライバの自動生成システムの設計」
村上 智一, 片山 徹郎, 最所 圭三, 福田 晃(奈良先端大)

「マルチメディアコンテンツ流通システム」
王 才棟, 沢田 三智也, 福吉 誠, 川勝 正美(沖電気工業)

デモンストレーション

KJ法セッション

「組込みシステムを分類する(第二弾)」
18:00〜20:00夕食・懇親会
20:00〜22:00分科会1
セッション2A: 「大学と企業における組込みシステム技術者教育」
「組込みシステム 技術以外 言いたい放題」は、今回は教育に焦点をあてて議論します


セッション2B: 「私のRTOS活用法 〜 私のタスク分割方法論 〜」

セッション2C: 「開発プロセスの評価と改善
〜 組込みシステムの開発プロセスを明確にしよう 〜」


8/1(火) 9:00〜10:45 チュートリアル
セッション3A: 「Recent Architecture Issues for Real-Time Embedded Systems.」
Doug Locke (TimeSys)

※ このチュートリアルは英語で行いますが通訳がつく予定です。

セッション3B: 「組込みシステムにおけるオブジェクト指向設計技術」
岸 知二 (NEC)


セッション3C: 「組込みシステムを仕様から設計するSpecC言語」
石井 忠俊 (東芝)


11:00〜12:30 一般発表2
セッション4A: リアルタイムOS
「組み込み用マイクロカーネルOSの設計」
久住 憲嗣, 森若 和雄, 中西 恒夫, 片山 徹郎, 最所 圭三,
福田 晃(奈良先端大)

「リアルタイムOSにおける実時間同期メカニズムについての考察」
石川 克己, 曽根 卓朗(ヤマハ)

「ITRON C++ API仕様へのアプローチ」
若林 隆行, 高田 広章(豊橋技科大)
セッション4B: コデザイン・検証
「コードサイズ縮小のためのプロセッサと目的コードの協調生成
プロセッサ/目的コードコジェネレータPinkPanther」

中西 恒夫, 中野 猛, 夜久 健一, 福田 晃 (奈良先端)

「Concerns about High Functionality
IP Cores in a System with Functional Redundancy」

Victor M. Goulart Ferreira, Hiroto Yasuura (九州大学)

「テスト・ベクタを使ったデバッグ方法」
小林 憲次
12:30〜14:00昼食
14:00〜16:00分科会2
セッション5A: 「オブジェクト指向分析・設計」
セッション5B: 「LSI屋のいうコデザインは本当のコデザインではない 〜 これがホントのコデザイン 〜」
セッション5C: 「分散組込みシステムのための技術」
16:00-16:30クロージングセッション
各分科会セッションの概要報告など


最後に、SWEST全般において多岐に渡って有益なご助言をいただいたアドバイザリ委員の皆様に感謝いたします。

アドバイザリ委員会(五十音順)
 今井 正治(大阪大学)
 大原 茂之(東海大学)
 釜江 尚彦(イメージ情報科学研究所)
 坂村 健 (東京大学)
 瀧  和男(神戸大学)
 田丸 喜一郎(株式会社東芝)
 塚本 享治(東京工科大学)
 徳田 英幸(慶應大学)
 福田 晃 (奈良先端大学)
 松本 吉弘(大阪工業大学)
 門田 浩 (日本電気株式会社)
 安浦 寛人(九州大学)