チームビルディングの理論と実践
セッションの目的
LED-Campには様々な企業や学校から若手ソフトウェア技術者、またはソフトウェア技術者の卵が集まり、チームを組んでソフトウェアを開発します。
そこには以下のような懸念が存在します。
- 人見知りをする参加者は自分の意見を言えなかったり、思うような行動ができなかったりする可能性がある。
- チーム開発のための人間関係の構築において参加者が疲弊する可能性がある
このような懸念を除去、低減するアクティビティを実施することにより、 チーム開発おいて参加者が持ち前のパフォーマンスを発揮できるようにすることがこのセッションの目的です。
またLED-Campに限らず他の組織においても応用していくための実践的知識を学習します。
習得が期待される知識・技術
項目1:チームビルディングにおける基礎概念を理解できる
チームビルディングとは、「『個の集まり』を『機能するチーム』にすること」です。
参加者は基礎概念として、『ダニエル・キムの組織成功の循環モデル』を理解します。『ダニエル・キムの組織成功の循環モデル』によって、
- 関係の質
- 思考の質
- 行動の質
- 結果の質
の、四つの質に着目した場合、成功する組織はどのような循環が存在するのかを理解できます。また、成功する組織とそれ以外の組織の違いを理解できます。
なお、本項目は後述の「関係性アクティビティ」と対応します。
項目2:自らの選択と決断により、自らのチームを編成できる
理想的なチームの要件とは何かを考えられるようになります。
理想的なチームの要件を満たすようなチームメンバを選択できるようになります。
このとき、どのようにすれば選択できるか、どうやって選択するか、その選択プロセスを選択できるようになります。
なお、本項目は後述の「チーム編成アクティビティ」と対応します。
項目3:自らのチームにおいて、チームメンバ全員の合意によるチーム目標を制定できる
チーム開発において、チームのパフォーマンスを最大化するためのチーム目標を、チームメンバ全員の合意によって制定できるようになります。
なお、本項目は「チーム形成アクティビティ」と対応します。
教育目標との対応
② チーム開発を円滑にするコミュニケーション技術を習得する
a) メンバーの考えを引き出す話し方・聴き方
b) 目標に向けた合意形成
実施内容と進め方
事前実習
参加確定後にオンラインベースで以下の資料やフォーマットを配布します。
- 「チームビルディングの理論と実践」事前学習用テキスト
- 「四象限自己紹介シート」フォーマット、および、記入方法
- 「理解度チェックシート」フォーマット、および、記入方法
LED-Camp開始までに「チームビルディングの理論と実践」事前学習用テキストを読み、「理解度チェックシート」を使用し、理解度をチェックしてください。これによって、当日の演習を始めるために必要な知識を理解したことを確認します。理解の難しいところがあれば、参加者用メーリングリストにて質問し、実行委員から解説を受けてください。
また、「四象限自己紹介シート」記入方法に従い、「四象限自己紹介シート」を記入してください。
合宿当日の演習
このセッションでは、以下の3つのアクティビティを実施します。
関係性アクティビティ
人間関係の「関係性」に注目したアクティビティに参加します。アクティビティは複数回実施します。アクティビティを繰り返すことにより、実践的知識の定着を促します。
チーム編成アクティビティ
理想的なチームの要件とは何かを参加者自ら考え、この要件を満たすことができそうなチームメンバを参加者自ら選択し、チームを編成します。
このときチームメンバをどのようにすれば選択できるか、どうやって選択するか、その選択プロセスも参加者自ら選択します。
チーム形成アクティビティ
チーム開発において、自らのチームのパフォーマンスを最大化するために、 参加者は自らのチームの目標をチームメンバ全員の合意によって制定します。
チームメンバ全員でたった一つの目標を決めるというプロセスを実践することにより、自他の感情理解の必要性、および、チームの一体感形成に至るまでのプロセスを体験します。
他セッションとの関係
本セッション以降の全てのセッションは、本セッションにおいて形成したチームによって行います。(1チーム3~4名の予定です)