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S2-4-3
Surveyor Project Hamana-3 成果報告会
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<< 株式会社ヴィッツ >>
新人組込みシステム技術者の技術向上を目的にSurveyor Projectに参加した。
Hamana-1ではGPSを搭載し、打ち上げ回収計画の実験結果を報告。
Hamana-2では地磁気センサと加速度センサを搭載し、実験を行った。
今回(Hamana-3)は加速度角速度センサを搭載し、実験を行った。
・開発のながれ
ペイロードの作成、センサの制御ソフト開発
↓
打ち上げ
↓
ロケットの軌跡をグラフに出力
・ペイロードの設計
- 計4層+1枚から成るミルフィーユ型基板
- 重さ40グラムとして見積もって開発を行った
・ペイロードの最上部:ジャイロセンサ(水平面の回転を検知)
- 第1層:DIPスイッチ
- 第2層:マイコンH8/3069F
- 第3層:加速度センサ
- 第4層(最下層):EEPROM…取り外し可能に設置
電源スイッチ…外部から操作可能なように配置
・加速度センサはX、Y、Z軸の加速度をアナログで出力する。
ジャイロセンサはZ軸加速度
↓
(AD変換)
↓
マイコン
・計測されたデータを2次元座標変換し、表示する。
ここで「試射映像」が流れる。
・1回目データ取得OK
・2回目データ取得NG → 飛行中のデータが着地後のデータが上書きしてしまい、
着地にリセットがかかってしまった。回収が困難だった
ため、電源が切れなかった。
(それに対し、モードを1つ増やしたほうがいいのでは?
という指摘が入る。…来年の課題!?)
ここで「実際のデータから描画したグラフ」が表示される。
・逆噴射以降はデータが複雑で、この発表の時間までに解析できなかった。
・まとめ
- 加速度、角速度データの取得ができた
- パラシュートが開く前までの飛行経路の解析および2D表示を行った
・コメント、質問
- パラシュート後の下降している時のデータ(気温や気圧など)が重要では?
- スライドにあった、加速度センサ→(シリアル通信)→マイコンは違う
<< 研修(Hamana-3)の評価 >>
・研修の評価
- 標準的な基準に沿って、定量的に評価したい
- ETSS(組込みスキル標準)2005年度版のスキル基準を使用
・「ETSS ver1.0」をベースに、新人研修として教育したい項目に整理した。
・評価項目の作成
- 新人が読んでわかりやすい内容に
- 知っている知識、やったことがある経験、自分でできる能力を○×評価
ここで「実際の評価紙面(エクセル形式)」が表示される
・スキル評価の実施
- 新人4名に実施:各個人による評価(フィーリング)
- 項目数(技術要素:122項目、開発技術:173項目、管理技術:40項目)
・スキル評価の分析 〜注意事項〜
- 各個人のフィーリングによる評価なので、
前回と比べて1ポイントの増減は誤差の範囲
・業務に近い研修ができたのがよかった。
- 難しさを感じた
- 担当外の知識がついてない
- 当初の目的通りのスキルを、概ね身につけれることがわかった
・課題
- 担当外の知識をどのように身につけさせるか
- コスト面について考えていない(ほんとにロケットである必要があるか?)
<< 株式会社ビート・クラフト >>
・弊社製品の新しい応用を模索
・移動体/飛翔体など、より環境がシビアな問題に
・CPUの選択
- PIC、AVR、H8、SHを検討し、PICを選択
・加速度センサ
- ±50G
・試作1(デジタル処理部)
- ブレッドボードでデジタル処理部の試作
・試作2(センサー部)
- ユニバーサルボードで試作
・トラブル1(センサーの発振)
- 1MHz付近の発振
・トラブル2(センサーの発振)
- 50Hzのゆらぎ
・ユニバーサルボードで試作
- モデルロケットに搭載できるサイズで試作
- 測定に必要な回路は全て搭載
・モデルロケットでの試射
- ロケット重量:約105グラム
- データサンプリングに成功:データには50Hz付近のゆらぎはなかった
・小型化サンプル(ES版)作成
・データ収集ボードの作成
- テスト1、2
・計測スタートの工夫
- リードスイッチの採用
- 磁石を近づけてスタート
・モデルロケットでの試射
ここで「実際の計測データ」が表示された。
・課題1(センサー)
- センサーの使い方がおかしいのでは。
- 高周波数成分の処理
- センサ1つでは軌跡を描くことは不可能
- 多種のセンサーで実験
・課題2(ロケット本体)
- ロケット本体の作成技術の向上
- センサーの初期状態の把握
- 発射/計測データの精度向上
・課題3(その他)
- ペイロード搭載部を軽く、丈夫に
- 電源部が13グラムもある
- アナログ技術の習得(センサーからの出力をいかに正確に、採取するのか
・次回
- より正確な加速度データの収集
- ロケットの姿勢測定機能の追加
- ロケットの初期状態、気象条件など測定結果に追加
・おまけ
- 加速度センサーを使ったデジタル角度計
・質疑応答
- 加速度データにノイズがある、マイナスがあるのは地面に潜り込んでいるのですか?
→ マイナスの変化があると、それを拾ってしまう
→ 回路の勉強が必要だと思っている
・基板を小型化した後にロケット本体を改良したが、なぜ?
- 薄紙を使っていたため再利用ができなかったので、ペイロードを取るために
1回1回壊していた。従って頑丈にしなければならないと思い、頑丈にしたが、
重くなってしまった。それ故に、さらに改良を加えた。
<< YDK >>
・タイトル:はじめてのロケット
・目標
- 社内ソフトウェアグループメンバーでTOPPERS/JSPの勉強を!
- どこよりも高く!
- Gセンサーを2個搭載
・ロケットの構造
- 軽量化を図るため、素材にEPPとバルサを使用
- 発射トリガをCPUで検出するために羽根に接点端子を取り付けた
・ハードウェア
- CPU:M16C/26
- EEPROM:アトメル社
- Gセンサー:フリースケール
ここで「H/Wブロック図」が表示される。
・ソフトウェア
- ロギングモード(通常)とデータ吸出しモード
- OSはTOPPERS/JSPカーネル
・LOG蓄積容量
- 8192件
・ログデータはTeraTermにより出力されCSVファイルに落とし、EXCELで解析
・解析結果
- 正しくログを収集することができなかった
- 3回の打ち上げのうち、全部だめだった
・打ち上げ1回目
- パラシュートがきれいに開かず、着地時にペイロードが破損
・打ち上げ2回目
- パラシュートがきれいに開かず、ペイロードのエンジン側が
エンジンの熱により溶けてしまった
・打ち上げ3回目
- 垂直上昇せず、水平方向に飛んでしまった
- パラシュートが機体から外れてしまった
・今後の課題
- 正しくロギングできなかった原因の究明
- 再度打ち上げを行い、データ解析
・質疑応答
- 加速度センサのレンジを2つ用意したのはなぜ?(2.5Gと10G)
→ 発射時はかなりGがかかる:10G
エンジン停車後、パラシュートが開くまではほとんどGがかからない:2.5G
(より詳細なデータがとれる)
- 重さはどうですか?
→ 基板込みで47.5グラム、機体はEPP40弱グラム、バルサ82グラム
- ログが取得できなかった&打ち上げの考察がありましたが、なぜ、ログがとれなかった?
→ E2Pの回路がおかしかった。
→ E2P周りがおかしいと思うが、まだ原因究明はすんでいない。
- グループ一段でやっていましたが、結束できましたか?
→ かなり結束できました。グループ全体でやることは非常によかったと思います。