============================================================================ ロボットを用いた組込みシステム学習環境の開発とデバッグツールの開発 田中 裕樹, 川上 亮太郎, 早川 栄一 (拓殖大学) ============================================================================ ○概要 近年、様々な所で組込みシステムが使用され、需要が高まっているのに対し、技術者の供給が不 足している。主な原因として、複雑で分かりにくく、適切な規模の教材や学習時のサポートが不足し ている点などが上げられる。本研究では、サッカーロボットを使用し、内部情報のログとその動画を 対応させて、再現性の低いバグを何度でも再現するなど、適切な学習教材を提供することを目的と している。 ○展示状況 実際にサッカーロボットとデバックツールを用いて、実際にどのようにデバックするのか、分かりやす く紹介されていた。興味を持って足を止める人が多く見受けられた。実際に組込みシステムの学習 に活用されることを期待したい。 ============================================================================ 三次元表現空間によるモジュール横断最適化コンパイラの実現ための一手法 三好 健文, 杉野 暢彦 (東京工業大学) ============================================================================ ○概要 複雑化する組込みシステムの開発効率を高める手法の1つにモジュール分割があるが、実装は設 計者に大きな負担を与え、開発効率を低下させる要因ともなっている。本研究では動的な要素と静 的な要素を、resource, time, modeを空間の次元に持つプログラムの三次元表現空間を操作するこ とで、設計者をコンパイラの立場からサポートする。 ○展示状況 提案コンパイラとgcc-O3との性能比較が記されており、gcc-O3と同じか、それより高速にコンパイ ルが可能。三次元表現空間の表記サンプルが示されており、図の見方や、最適化手法に関する質 問が多く寄せられていた。 ============================================================================ VAX11/780命令互換プロセッサ開発によるコンピュータシステム設計教育 近藤 信行, 清水 尚彦 (東海大学) ============================================================================ ○概要 組込みシステムのシステム全体を設計する上で、技術者にはハードウェア・ソフトウェアの両面から システムを理解することが求められている。本研究では、VAX11/780命令互換プロセッサの開発を 通して、コンピュータシステムとそれらを利用するコンパイラなどの動作を包括的に理解することを目 的としている。 ○展示状況 ハードウェアの論理設計にはSFL言語という、抽象度の高い言語を用いており、論理は全てハードワ イヤードとして開発。DHRYSTONE BENCHMARK を利用して動作を確認し、オリジナルの5倍ほどの 性能を持つことが示された。開発の最終目標は、OSのブートである。開発環境などに関する質問が 多く寄せられた。 ============================================================================ Responsive Multithreaded Processorのスレッド制御機構 伊藤 務, 山崎 信行 (慶應義塾大学) ============================================================================ ○概要 多くの組込みシステムにおいて、リアルタイム性を必要とする処理が増えている。このようなシステ ムは、通常異なる時間制約を持った複数の処理を実行し、現在実行中の処理を中断し、他の処理 を開始するとき、コンテキストスイッチが発生し、これにかかるオーバーヘッドが問題となっている。 本研究では、リアルタイムシステムにおけるオーバーヘッドを削減するプロセッサの設計を行う。 ○展示状況 8 way 最粒度マルチスレッディングをさいようすることで、8つまでのスレッド実行を可能。これによ り、コンテキスト専用メモリは、アクティブスレッドとキャッシュスレッドの入れ替えを自動的に行い、 オーバーヘッド削減を実現。さらにどこまでの応用が利くのか、などの質問が寄せられた。 ============================================================================ UML Testing Profileによるモデル検証 位下 泰久, 関本 康久, 石田 雅人 (日本テレロジック) ============================================================================ ○概要 UMLの拡張に伴い、徐々に組込み系でも使いやすいものになってきている。しかし、UMLは分析や 設計などには使われても、テスト分野への利用はまだあまり広がっていない。ここで、OMGにて策定 中のUML Testing Profileに対応し、テストシナリオをシーケンス図で記述、自動実行するモデル検証 可能なツール、UML2.0準拠開発環境Telelogic TAUを検証する。 ○展示状況 UML2.0をテスト使用まで可能にするための拡張仕様。現行のUML Testing Profile そのものはブラッ クボックステストに向けた仕様となっているため、ホワイトボックステストなどに向けた拡張が期待さ れる。 ============================================================================ Shi-Linux 実時間カーネル 戴 毛兵, 石川 裕 (東京大学) ============================================================================ ○概要 近年、実時間Linux カーネルの開発が注目されており、実時間タスクをいかにデッドライン時間内に 終了させるかが重要視されている。本研究では、Shi-Linux 実時間カーネルを実装し、デバイスから の割り込みの禁止、カーネル内のランダムな実行時間の短縮を行い、正しく時間制約を満たすよう にスケジューリングすることを目的とする。 ○展示状況 Shi-Linux 実時間カーネルが、実時間タスクをデッドライン内でどうスケジューリングしているかに質 問が集中した。今後、カーネルランキュー操作のオーバーヘッドをどう抑えるか、また、マルチスレッド アーキテクチャや SMP環境・分散環境への対応が課題として残されている。 ============================================================================ システムレベル設計における通信インタフェースの検討 高木 佳章(1), 本田 晋也(1), 冨山 宏之(1), 高田広章(1), 南出 英明(2), 吉本 忠司(2) (1) 名古屋大学, (2) 三菱電機 ============================================================================ ○概要 システム音チップ(Soc)に搭載される回路は年々大規模化・複雑化する一方、システム設計から市場 投入までに費やせる時間が短くなり、設計生産性の向上が求められている。本研究では、設計抽象 度を設定、抽象度に応じた適切な通信インタフェースを開発し、柔軟なHW/SW分割が可能なシステム レベル設計手法を確立することを目的とする。 ○展示状況 設計抽象度によって定義されたモジュール間でどのように通信を行うのか、今後どこまで自動化が可 能なのか、などに関心が寄せられた。後者については、現在、アーキテクチャモデルから実装モデル への自動変換ツールを開発中である。 ============================================================================ Surveyor Project / Hamana-2 渡邉 友裕, 杉山 歩, 後藤 孝一, 沼田 亜美, 京井 真之 (ヴィッツ) ============================================================================ ○概要 本プロジェクトは、2004年に実施したHamana-1 に続くサーベイヤ計画の第2弾であり、組み込みソフ トの中級技術者の教育を目的とする。ぺイロード(搭載装置)に重点を置いた開発、および実証実験を 行う。 ○展示状況 昨年のHamana-1の第2段と言うこともあり、展示前から注目されていた。悪天候のため、打ち上げが できるか心配されたが、時間をずらして何とか打ち上げを行うことができた。来年も引き続き行ってほ しいプロジェクトである。