ポスター発表の議事録



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「OSEK COM 開発事例紹介」
大西秀一,森川聡久,片岡歩,服部博行(株式会社ヴィッツ)
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○概要
OSEK COMとは、車載ネットワークを構築するための通信モジュールのことである。提供
できる機能としては、メッセージキューイング、メッセージ送受信、フィルタリング機
能などがあげられる。OSEK COMを実装することで、プロトコルを意識しない通信モジュ
ールの開発に成功している。今後の展開としては、ツールだけで、構築することである。

○展示状況
OSEK COMを搭載したマイコンを用いた車が用意してあり、自由にコントローラで操作
できるようにしてあった。実際に動かしてみる人が多々見受けられた。また、発表者
がこの車の仕組みについて(3つのCPUを積んでいる、LINを使っている、など)詳し
く説明をしていた。

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「UMLの性能別の変形手法の確立に向けて」
佐々木心也,片山徹郎(宮崎大学)
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○概要
1つの機能に対して個別の重要視する性能を満たす処理方法を持ったUMLを、それぞれ
記述していたのでは、UMLの高い抽象度とオブジェクト指向による生産設計性の高さを
低下させる原因になる。そこで、UMLの変形に必要な情報とUMLからの抽出方法を考案
していた。各機能をどのようにUMLから取り出すか検討中である。

○展示状況
もともとは、並行性について、1年ぐらいやっていて、それに加えて何かということで
消費電力についてもやり始めたなどの今の研究に至る経緯などの話や苦労話などをし
ていた。一方、中には具体性がないからわかりにくいなどの苦情を言っている人も見受
けられた。

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「自律分散コンセプトに基づく高信頼組み込み制御アーキテクチャと
                       車両制御システムへの適用検討」
吉村健太郎,櫻井康平,守田雄一郎(株式会社日立製作所日立研究所)
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○概要
車両システムへの要求には、高信頼性,低コスト,分散化があげられる。ここでは、
自律分散システムを導入することによって、信頼性を高めている。モジュールが正常
に動作しているかどうかを自身で監視し、故障が発生したときには、自分からモジュ
ールを切り離している。今後の課題としては、ネットワークの高信頼性確保があげら
れる。

○展示状況
聞く人のレベルに合わせて、具体例を用いながら、わかりやすく丁寧に説明をしてい
た。パネルでの説明では、特に図が分かりやすかった。わりと車関連の企業の人たち
を中心に人が集まっていた。

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「Responsive Multithreaded Processor の命令供給機構および
                          IPC制御機構の設計と実装」
真垣郁男,伊藤務,山崎信行(慶應義塾大学)
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○概要
リアルタイム処理では、コンテキストスイッチが多数起こることによるオーバーヘッ
ドが非常に大きい。この問題を解決するために、プロセッサにマルチスレッドアーキ
テクチャを応用している。現在のRMTプロセッサでは、実行時間の予測が困難である
ので、この研究では、命令フェッチ/命令発行ポリシを改良している。さらに、スレッ
ドの性能を制御するIPC制御機構を設計、実装している。

○展示状況
提案する命令フェッチ発行方式と従来方式との比較について、図や表を用いて説明が
されていた。図や表はカラフルで見やすいものであった。また、1番何が問題なのかな
どの質問がされていた。数人の熱心な人たちと議論がされていた。

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「組込みシステム設計教育としてのペイントツールハードウェアの開発」
大下修平,並木滋,堀口雅晴,清水尚彦(東海大学)
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○概要
組み込みシステム開発において、動作するソフトウェアはハードウェア資源に強い制
約を受けることから、組み込みシステム開発に対する要求を実現するためには、ソフ
トウェアだけでなくハードウェアの知識や技術も重要になる。そこで、ソフトウェア
を使わずにペイントツールハードウェアの設計を行っている。

○展示状況
ペイントツールハードウェアを自由に使えるように展示してあった。多くの人が実際
にマウスを使って動作を確かめていた。また、ツールの使い方・仕組み,開発で生じ
た問題点,教育的効果などについての説明をされていて、多くの人が関心をもってい
た。

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「デバイス保護による高信頼実行環境の設計」
茂田井寛隆,菅谷みどり,中島達夫(早稲田大学)
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○概要
デバイスドライバが原因となるOSのクラッシュが非常に多く発生している。そこで、
この研究では、それを最小限にしようとしている。そのため、信頼性の向上とセキュ
リティ強化を目的として、カーネル内に保護ドメインを作成,ドライバにアクセスで
きるプロセスを限定という2つの手法を実装しようとしていた。

○展示状況
Windows XPや携帯電話による具体例をあげながら、聞き手がなるべく理解しやすいよ
うに説明をしていた。企業の人や学生を問わず、いろいろな人たちが聞きにきていて、
人だかりができていた。

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「組込みシステム技術に関するサマースクール(SSEST1)」
(第1回組込みシステム技術に関するサマースクール(SSEST1)実行委員会)
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○概要
学生や企業の新人が組込みシステム技術を総合的に学ぶ場を設ける事を目的として、
SWEST7と連携して、SSEST1が開催された。このSSEST1は学生が中心となって実行委員
を立ち上げている。”コミュニケーション+スキル”ということをモットーに掲げ、
組込みシステムの面白さを体験できるようになっている。

○展示状況
展示では、SSEST1の概要とともに、実際に合宿で各班が作成したライントレースカー
の仕様があった。また、優勝、審査員特別賞を受賞した作品が実際に展示してあった。
新人の教育方法などの観点から企業の人が多く興味を持ち、説明を聞きに来ていた。
また、学生も多くの人が関心を持ち、見に来ていた。