セッション S2-3-4 Hamana-2 打上げ成果発表会 2005/8/26 13:20 〜 14:50 ■状況説明 早朝の公式打ち上げは中止になったが,10時から非公式の打ち上げ を行った. この打上げには4チームが参加し,これに参加したチームが打上げ 成果発表会にて発表した. ------------------------------------------------------------ 最初の報告はヴィッツ・シニア(エルダー)チームの大西さん ■ヴィッツシニアチームのメンバについて メンバーは大西,森川,服部の3名でチームを構成している. ヴィッツの新人チームとは違うロケットを作ろうと目標設定した. そう,男のロマンを実現するロケット. 空から町を空撮し,リアルタイムで映像を送信する. ロケットの迫力ある音を聞ける. 「新人チームに負けるな」を目標とした. ■ロケットについて ESTES社のBull Pup 12D改 全長 440mm 46g エンジン除く ペイロード 40g ■カメラについて 高感度CMOS30万画素カメラ 送信距離500m 総重量 28g(電源を除く) ここで過去に撮影した映像が流れる. 白飛びするほど高感度のカメラであるため,ロケットにサングラスがついてお り,映像は緑っぽくなっている.町を見回す映像が撮れている. ■今後の目標 環境空撮ロケットとしては完成されている. シリコンレコーダを搭載することで電波の影響を受けることのない空撮ロケッ トを実現したい. ノイズがあったため音声録音を改善する必要がある. ------------------------------------------------------------ 次はヴィッツの森川さんの報告 新人教育の一環で新人によるロケットについて,教育する側からの報告 まず最初にヴィッツの新人研修について ■新人研修 入社前セミナーとしてC言語セミナーを行う. 4月はマナー教育,ネットワーク,VB,C言語,デジタル時計の開発. 5月は各部署の教育を行う. 今回のロケット開発を行った部署では,デジタル時計の続きとHamana-2に 参加した. ■スケジュール管理について 期日が予め決まっている(SWEST7までに完成). 開発メンバも決まっている(新人5人). 最初に大雑把な開発計画を示し,後は新人に任せる. シニアチームは主に開発サポートを行う. ■5人の役割分担 ロケット開発,プロジェクトまとめ役,OS移植,センサデバドラなど 徐々に遅れていき最後は厳しくなる. 最後の1週間は徹夜だった. 開発を厳しくした要因は,新人にも他の業務を受け持ってもらったため. 平行開発により厳しくなった. ■Hamana-2の選択に関して 実際のプロジェクトライクな開発ができた. 要求分析からコーディング,結合まで携われる. 役割分担を行なったため,コミュニケーション力を向上することができた. チーム開発における協力. 期日に間に合わせるため責任感のある開発. 恵まれた研修. 一方,新人にとっては敷居が高かったのではという心配もある. ■先輩によるサポート体制について 新人主体の新人の手による開発. 助言,だめだし,軌道修正などを行う. いろいろな課題も新人たち自ら考えて解決. ミルフィーユ基盤など先輩も驚きの開発もあった. 担当の仕事を与えることにより自分の仕事に関する責任感がでる. より専門性を伸ばすことができた. しかし,専門性に偏りすぎた. 例えば,ロケット担当は報告書の作成は行うが,開発はしない. ハード開発は一人しかできなかったが,もっと多くの人ができればよかった. ■感じたこと 新人の考えが浅はかであり,アイディアが少ない. 最初に思いついたアイディアを採用しようとしてしまう(経験不足のため). 検討が不十分である. 各々のメリット,デメリットを分析していない. フィーリングで決めているようか感じだった. 教えたことをどんどん吸収. 例えば,シーケンス図を教えたらすぐに活用したり,if0でのコメントアウト を教えたら次からはそれを実施した. 1つ1つ確認して進めていくことが組込みでは重要であるが,先輩の姿勢から学 びとって新人も確認して進めるようになった. ■問題点 無茶をしすぎた 教育目的なのに徹夜をさせたのはNG. ツライ面が多くなると仕事がいやになってしまうかも. 実際と同じような責任感を感じてもらえたので悪くはなかったのではと思う. ■まとめ いくつかの問題もあったが研修は成功(期待以上の頑張りと成長が見れた). 来年以降も続けるかな? ------------------------------------------------------------ ヴィッツ新人チームの報告 モデルロケットの飛行記録と回収実験計画 ■目的 モデルロケットを打上げ搭載センサにより起動をグラフィカルに表示する. ■ロケットについて ESTES社のBABY BEATHA 全長31.5mm ■注意点について パラシュートによる回収を行うときにリカバリーワディングによりエンジンの 逆噴射からロケットを守る. リカバリーワディングのつめ方が難しかった. 風の影響 風の計算が難しい. 重心の問題 ロケットの先端にデータロガーを載せているため,重心が狂った. スイングテストを行なった. 防水について 湖に着水させるのでデータロガーを水から守る必要がある. 防水テープで防水性を高める. ここからハード担当の杉山さんから報告があった. ■ペイロードについて 役割は加速度を計測し記録すること. 基盤には,記録用EEPROM,制御用のマイコン,地磁気センサー,加速度センサー が含まれる. 基盤を階層型にしないと入らない. ■ペイロード設計における制約 ロケットのノーズコーンの直径4.18cm. データロガーと緩衝材を入れたいため,3.5cm以内のハードを作れと言われた. 重量の制限は37gであるが,28gにすることができた. ■CAD設計 CADソフトEAGLEを使用 ノイズの乗り方が変わってくるため何度もCAD図を書き直すことになった. 両面基盤を作成したが表と裏をつなげるため,両側からハンダづけをするが, その結果,穴が密集した回路になってしまった. ■基盤加工機 LPKF社の基盤加工機を使用して回路にした. ■加速度センサデバイスドライバ 加速度センサはX,Y,Z軸の値と,(動的に変換する)基準電圧を出力する. これをマイコンでAD変換して読み取る. ■地磁気センサデバイスドライバ 地磁気センサとシリアル通信する. ■EEPROMデバイスドライバ SCIと互換がある. Page Writeという機能により128Bの情報を一気に書き込むことができる. 1回の計測は60Bのデータサイズである. ■アプリケーション TOPPERS/OSEKカーネル上で制御アプリを作った. センサの値を取得しようとしたのだが,完成できなかった. アラームハンドラを使用することに簡単にポーリングできた. EEPROMと加速度センサのドライバが完成した時点で試射した(地磁気センサは未完成). しかし,コーディングミスでデータがとれなかった. ■最終調整について EEPROMのデバドラを旧バージョンで上書きしてしまったため開発が進まなかった. EEPROMを元に戻したが,シリアルケーブルが故障してしまった. ■問題点 ミーティングの不足. ハードが不安定で遅れた. 徹夜による集中力不足. ■全体として よい経験になった. 謝辞 開発にはもなみソフトのPizza Factoryを使った. ■質問 加速度センサはAD変換を使ったと書いてあったが,AD変換せずデジタルデータ での出力は不可能だったのか? ■回答 センサに関してはこれを使ってくれと先輩に指定されていて,アナログ出力し かなかった.傾くと電圧変化が起こるという仕組みになっている. ■質問 コーディングエラーを見せてくれ. ■回答 センサの値をEEPROMに書き込むのだが,X,Y,Zと基準電圧を書く必要がある.書 き込むときに指定するサイズが間違っていたため基準電圧が記録されていなかっ た.構造体のサイズはマジックナンバーで指定していたが,構造体を書き換え たときにマジックナンバーを書き換えるのを忘れたため,その値が間違ってい た. ■質問 加速度センサーは? ■回答 検出範囲10G サンプリング周期15ms ■質問 再現性はどうだった? ■回答 それらしき値は書かれているのだが,値が異常だった.レジスタアクセスが仕 様通りされなかった.決まり事が守れていなかった.仕様書読むのが慣れてい なかったのが原因. ------------------------------------------------------------ 続いては木元さんによる報告 ■タイトル PIC版のGPSロガーのアーキテクチャ ■GPSロガーの要件 小型軽量. 作りやすい. 部品が入手しやすい. フィルムケースに入る. ハードは作りやすくする. ソフトは頑張って小さくする. ■仕様など シリアルがついていないのにGPSはシリアル. メモリカードに記録する. FATにしたい. ■PIC 使用したPICのRAMは41バイト 下位機種のRAMはもっと少ない. ROMは1kワード. ■全体構成 サーバサイドの技術を使用(Apache PHP)することにした. これにより,PCの種類を選ばない. サーバにアップロードする. オブジェクト指向でリッチに使い放題. 結果はPDFで出力する. データロガー側の設計はミニSDカード 4本ピンがあればいい. 携帯電話がSDカード対応しているのでそこからサーバーサイドに送る. あと,打ち上げを行う原っぱにPC持っていくのはいやなので携帯電話を使用. ■全体として 結果としてシステムはうまくできたが,データ取りはうまくいかなかった. GPSは傾けただけでも取れなくなる.加速度の問題ではない. ------------------------------------------------------------ 東海大による報告 ■モデルロケット搭載用データロガーについて 前回SWEST6ではHamana-1でデータロガーの開発を行なった. これを学生のみで再現してみよう. ■Hamana-1用データロガーの改良点 Hamana-1では電源ユニットのスイッチング制御を行ったため,ラッチアップ現 象が発生し,すべてのデバイスを破壊することがあった. ユーザインタフェースの改造 5本のピンの接続を間違えることがあった. デバイスの形状 デバッグが困難だった. ラッチアップ対策 長時間の電池を使用したので オンオフをする必要がなくなった. ■構成 発振回路からLEDにして回路作成が容易になった ■建学祭の成果 GPSのデータを3Dにして表示した. 最高到達点は40mになっていたが,測定器を用いて測定したところ80mだった. GPSのデータを見てみたところ,追尾数が5個以上必要であるが,3個とか2個し かとれていなかった. 高度測定のために加速度センサや大気圧センサを使用. GPS,加速度センサ,カメラの映像を記録するため大容量の記憶デバイスが必要. miniSDがちょうどいい大きさだったのでそれを使用した. ■発振回路 風に長され機体を紛失してしまうことがあったため,発振回路を搭載. ■優先度 1. GPS, miniSD 2. 発振回路,加速度センサ 3. CMOSカメラ,モデルロケットの改良 ■現状 GPS × ユニットを破壊 miniSD × 初期化が怪しい 加速度センサ 本日の朝に作成した 発振回路 ◯ 受信距離を測定したら30mだった モデルロケット 時間の関係上前回のロケットを修理することにした 基盤(30mm x 30mm) 実装する素子の数が15から32になったが実装できた CMOSカメラ × 時間の関係上 無理 ■今後について miniSDの初期化とreadとwriteを行う. CMOSカメラを搭載する. ■最後に 測定器の使いかたが分からなかった. 測定器の使い方や問題の対処法などについて学習できた. ■質問 どんな構成のラジオビーコンを作った? ■回答 去年の回路を元に作った. ■質問 FMがいいのか? AMがいいのか? ■回答 目的に応じて変調を選ぶ必要がある. ------------------------------------------------------------ 最後に個人参加でロケットを打ち上げた河合さんのお話し これは割愛します 以上