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分科会1 セッションS1-4-3
タイトル   :「子供向けコンピュータ教育の教材作成」
コーディネータ:小川 清(名古屋市工研)
参加人数   :15人程度
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---------------------------------スライド---------------------------------

0歳からコンピュータを使わせると目が悪くなる。
コンピュータの前にピアノを教える利点
・マウス操作は感性を要する
・先生への挨拶を覚える

[教材に関して]
制御
 LEGOろぼっと       家族で考える
 CPUの作り方        回線が複雑すぎる
 オンライン、CD-ROM    子供の視点に立ってない
              教材作りがビジネスになってない
 100円ショップで作る工作
電気回路          ラジオ
電子回路          ピアノ
ソフトウェア        ???
プログラミング       ???
              何をしていいか何をしてはいけないか?

---------------------------------自己紹介---------------------------------

小川さん
 最初に一人ずつ自己紹介と教育に対する考えを簡単に。

Aさん
 ロボット、電気、制御と興味が移る。

Bさn
 親には文句が言える。理論を教えたりフォームを教える時には親は弱い。
 かと言って学校も期待できない。師匠と出会わせることは大切。自分で「すごい」
 と思える人から教えられること。親が教えることの限界点がある。

Cさん
 小中学生が読めるものを出したい。レベルはどの程度?トランジスタ1、2個の
 壊しても大丈夫な程度からはじめるのがいいのでは。

Dさん
 小さいときからの教育は大事。
 「どうしてこうなの?」「なんでこうなの?」子守をPCに任せるとそういう質問に
 答えられない。よくわからないブラックボックスが平気になるのでは。
 「なぜ?」「どうして?」という疑問、それに答えることが重要。
 バーチャルな経験でなく、実際の経験が必要。
 半田付けではTRY&ERRORができない。ブレッドボードならできる。
 興味を持たせる題材選びが重要。

Eさん
 5歳と3歳の娘がいる。教育は0歳からやるのが一般的だろうか?
 ロボットを作るなどの理科教育は小学生から。0歳からやるのも重要。
 0〜7歳の空白期間がある。

Fさん
 中学の実験は覚えている。小学生が興味を持てる面白い実験、自分からやりたいと
 思える教材があればいい。子供のころに作ったもの・・貯金箱。

Gさん
 工学系でも物理を取ってこない学生が多い。物理が好きでない人もいる。
 興味がもてない。子供が興味を持っているのはいいケース。

Hさん
 学生がどういう教育をしているか。興味を持つ人が理科系でも少ない。
 基本がおろそか。
 ゲームでコンピュータの環境に慣れ親しんでいると刺激が強すぎて興味がわかない。
 小さいころから刺激を求めてきていいのか?興味を持てればよいが・・・

Iさん
 コンパクトなコンパイラ(教材として)。小遣いはすべてコンデンサに使ってきた。
 過保護にするのではなく、突き放してついてくるものだけでよい。
 LEGOのマインドストームはいいものだが高価。途中で挫折することが多いのでは。

Jさん
 ブロックの図を見て組み立てて音を鳴らせる。昔も今もボードでできることは
 大してかわらない。LEDが光ることで楽しいと思える人が少ない。

Kさん
 小さい頃から家にPCがあった。小学校高学年ごろから、英語はわからなかったが
 IF文,GOTO文で簡単なアドヴェンチャーゲームを作っていた。やはり自発的に
 触れる環境がいいと思う。

Lさん
 ゲームから興味を持った。中学高校からPCが普及していじりだした。自分から
 面白そうだと思って見つけられる環境があれば望ましい。

Mさん
 学生はプログラミングが好きじゃない。題材が問題。食いつきがいいのは、ゲーム、
 ロボット。組み込みはリアリティがあっていい。出だしはいいが、奥が深くて
 途中で断念してしまう。どこまでやらせればいいかが悩みどころ。

Nさん
 教育は昔から好き。
 建築業界で「甘やかすから老化する。もっと住みにくい家にするべきだ。」
 という話があった。
 LEGOだと先の発展がない。LEGOではない別の物があったらいい。
 ソフトがどうしたら見えるか。見えないものは学びづらい。
 教育は上からではなく、横からちらっと言うだけがいいのでは。
 子供のころに自由に育ってくれば、大人になって窮屈な場所に来てもなんとか
 なるのでは。

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小川さん
 サッカーは教育のコースがある。囲碁なら子供でもプロになる。
 組み込みでも、これぐらいの時にこれをやって、というものが必要。
 ちゃんとやればプロになれるというイメージは欲しい。
 子供に教えて恥ずかしいような教育を大人にしている。子供でも間違いが
 わかるような。

Bさん
 子供はほめられると嬉しい。親が喜ぶと子供も嬉しい。
 いい子を演じる子供も多い。親が喜ぶように行動する。

Eさん
 親が教えることに限界がある。あるときによそで教えてもらってから戻って
 こないと使えない。
 子供にただサッカーをやれと言っても聞かない。サッカーをやったら同じ時間だけ
 ゲームしていいというルールを作ったらやるようになった。
 教材は化学がほとんど。物理も少々。ロボット系もぼちぼち出てきている。
 電気からコンピュータのところがうまくいってない。

Nさん
 化学はとりあえず結果がでる。そこからつっこむかどうかは任意。ソフトウェアは
 何をやっていいかわからない。

Eさん
 算数は教材を作りやすい。そことコンピュータのはざまはどこか。

Bさん
 体を作らないといけない。2,3日続けてやると、しっかりできる人とへろへろに
 なる人が出てくる。
 1.体を作ること。
 2.興味を持たせること。
 作って嬉しかったとか、知りたかったとか、興味の源泉みたいなものがあって。
 やりたいことを動機付ける、そしてそれができる体力をつけること。

Gさん
 実体験がないから物理の法則が実感できない。ただの数式になってしまう。
 遊ぶことも大切。遊び方にしても、攻略本を見ながらゲームをクリアする。
 それでやった気になる。自分でもがきながらやること、工夫することが大切。
 そうすれば過酷な環境でも生きていける。突き放すなどして苦労させるべき。

Iさん
 自分はベーマガ世代だが、自分でゲームを改造して遊んだ。載っているゲームで
 満足できないから。そうするとバグを作ってはまっていく。今は自らはまり込んで
 いくステップがない。

Bさん
 できないことの苛立ちから、やる気がおきる。

Nさん
 感情。苛立ちや悲しみ。感情をもっと刺激する仕組みが欲しい。

Mさん
 自分が好きになる。やりたい、知りたいとうい気持ちが大事。それにはまず体験が
 ないといけない。体験がないところに欲望がないのでは。

Cさん
 規模が複雑になると駄目。適切な規模が大事。

Bさん
 どこを隠蔽するか。プラットフォームを決めるとできる。LEGOならつなげは動く。

Jさん
 ムカデロボをやった。これはまず動かない。「これは工夫しないと駄目だ。
 何とかしないと。」という風にしむける。デフォルトで無理なものもいいのでは。

Bさん
 オタクを動かして、これができたらすごい!というものを作る。カリスマ的な
 すごい人を作る。そこまで行ったらすごいとしてやれば、やりたい人が増える。

Nさん
 選抜をする。大学で、才能のない人を諦めさせる。

Mさん
 突き放す教育で超一流を作れる。幅広い教育は別に考えなければいけない。

Dさん
 技術者でも自分の名前を残す。企業ではプログラムに自分の名前を残さない風習がある。

Gさん
 組み込みの会社が表に現れていない。

Bさん
 ボーダーレスになっている。境になるのは知識。とすると日本の教育だけでいいのか。
 実利的な教育と、心情的な教育は違う。金儲けをしろと教育するか、好きなことを
 しろと教育するかは違う。
 宮大工やそばにしても、自分の世界を作れば生きていける。その世界を支持する
 人は出てくる。

Nさん
 こういうことをやってきたと言えるかどうか。

Bさん
 だから体にせよ心にせよ作っていくことが大事。心の強さとは「自分はそれが
 やりたいんだ」と言えること。遊ばせて体を作って、その上で親のおしつけも
 少しやって。

Gさん
 小さい挫折をいくつかさせる。いきなり大きな挫折だとボキッと折れる。

Bさん
 この人には勝てない。でも自分はこれだけやれる。
 一番じゃなくても生きていけるのは、そこに自分の居場所があるから。自分は
 それが好きだから。一番を求めるのではなく、どこが出来るということを言って
 やることが大切。

Gさん
 買ってくるものだと思っていたものが、作れるとわからせる。実はできるんだと
 見せてやる。

Iさん
 組み込みは分解(ハック)することが難しい。

Dさん
 自分が人に役に立つものを作れるということを知らない。
 自販機。電気信号、パルスを送るだけでは作ったきにならない。それを受け取って、
 自分で作ったTTLをつなぐと缶が落ちてくる。そこまでやれば作った気になれる。

Mさん
 電池の取り扱いができない学生が多い。電池を使うのが小学生まで。便利な世の中
 だからしょうがない。そこで中身を教えろというのは至難の技。
 職業教育でもSE、プログラマも出ている。ポピュラーな仕事になっているはずだが、
 中身を知る、いじるというのは別。世間一般で認められている仕事と、組み込みの
 内容にギャップがある。

 LEGOに、物理イベントでいいが、「何か起こると挙動が変わる」といいな。

 小学生にプログラミングは壁が高い。
 ソフトウェアは見えない。やっていることの説明も難しい。

Eさん
 0歳から3歳ごろまでやったことは後々まで響く。何かやったらレスポンスが帰って
 くるというものが欲しい。

Mさん
 親はPS2よりLEGOをやらせたい。子供にとってはLEGOよりPS2のほうが嬉しい。

Bさん
 小さい子は親を見て育つ。親が何を見せるか。何をやるか。親が楽しんでやって
 いれば子供も気を引かれる。

Nさん
 子供の教育のために親を教育したら。

Mさん
 教える側がどれだけ理解して環境を作れるかが違う。

 まず技術の先生を教育する。学会で。

Gさん
 学校で学んだことの知識の連携がうまくいってないと思う。組み込みのベースの
 勉強をしても、それがどうつながるかわからないからつまらない。学会ではどう
 つながるかは常識だから言わない。

 親の仕事が見えない。会社でやっているから。

 オープンキャンパスで高校生相手に50分の模擬実験をした。手回し式の計算機で
 計算することの面白さを教えた。すると一生懸命回してやっていた。そして
 「手回しでは遅いし面倒だよね」ということから今の電子式へつなげた。

Mさん
 ビジネス系は図で示すしかない。組み込みは動かすことが出来る、見せることが
 できるからいい。

 ソフトウェアの概念を教えるのはいつごろからがいい?

----------------------------------まとめ----------------------------------

Nさん
 知を教えるには情に訴え、体という物理的なものを使ってソフトウェアを表現する。
 SWESTに子供をつれて来れるようにしたい。