============================================================================ 「UMLからシステム設計言語への変換規則と並行性の抽出について」 佐々木心也,小屋敷圭史,片山徹郎(宮崎大学) ============================================================================ ○概要 現在、システムの要求仕様を決める際に、UMLを用いて仕様を記述することが、デフ ァクトスタンダードになりつつある。またそのことに対応して、UMLからソフトウェ ア実装までの流れに対する支援ツールが販売されているなどしている。一方、UMLか らハードウェアの流れは、ソフトウェアに対して十分に進んでいるとは言えない。 本研究では、UMLからシステム設計言語への変換規則と並行性の抽出および抽出した 変換規則と並行性の検証を行った。システム設計言語にはSpecCを使用し、その設計 ツールにVisualSpecを使用した。 ○展示状況 UMLからシステム設計言語への変換という将来性が期待される研究であるため、 生産性向上に期待する企業の人達が見に来ていた。 ============================================================================ 「A Software Infrastructure for Component-based Operating Systems (Cubicleアーキテクチャにおけるオペレーティングシステム構築基盤)」 石川広男(早稲田大学) ============================================================================ ○概要 将来の組込みシステムは、情報処理機器の普及により、ますます信頼性と柔軟性が要 求されるようになる。Cubicleアーキテクチャはマルチコアプロセッサやダイナミッ クリコンフィギュレーションプロセッサなどの先進的なハードウェアを利用したソフ トウェアコンポーネントを提案する。 ○展示状況 コンポーネントレベルの復帰方法、スレッドモデルやプロセッサ割当てといったコン ポーネントのカスタマイズ、コンポーネントのカスタマイズの方法、ケーススタディ などが紹介されていた。 ============================================================================ 「マルチメディア組み込みシステムのためのQoSサポート」 菅谷みどり(早稲田大学) ============================================================================ ○概要 組み込み機器の性能向上に従い、オペレーティングシステムにおけるQoSサポートが 重要な課題となっている。本研究ではマルチメディアアプリケーションのCPUの資源 保証と安全性という観点から二つのQoSサポートシステムを提案する。一つは安全性 を重視し、プロセスの資源使用料を監視するアカウンティングシステム、もう一つは 資源保証を行うための階層化スケジューラである。 ○展示状況 発表者の人が丁寧に説明していて、たくさんの人が集まっていた。質問も多く出てい た。 ============================================================================ 「システムレベル言語を用いたハードウェア/ソフトウェア協調設計方式と組込みシ ステムの構築」 松本祐輔,遠藤祐(東京電機大学) ============================================================================ ○概要 本研究では、システムレベル言語のひとつであるSpecCを用いたハードウェア/ソフト ウェア協調設計方式を、FPGAにプロセッサを組込んだシステムに適用し評価する。 ○展示状況 企業の人から、システム記述言語からどのようにハードウェア/ソフトウェアに分け るかが重要だ、という意見が出ていた。 発表者が学部4年ということで、これからに期待したい。 ============================================================================ 「局所並列画像処理ハードウェアに関する研究」 福田静人,味岡義明,天野英晴(慶応義塾大学) ============================================================================ ○概要 数十〜数百画素での多近傍処理を行う局所並列画像処理を目的とした、SMPD(Single Program, Multiple Data)アーキテクチャの設計、実装、評価を行った。提案アーキ テクチャの特徴は、拡張性と画素並列性を引出すための小規模のPEを用いた構成、多 近傍処理を容易にするためのローカルメモリの使用、プログラムの自由度を高めるた めのSPMD方式の採用、PE同士の同期を簡略化するための演算機構とデータ共有機構の 分離にある。 提案アーキテクチャのテストプログラムとして文字抽出アプリケーションを実装した。 ○展示状況 実験ボードが展示されていた。研究の苦労話などが聞けた。 ============================================================================ CoMETデモンストレーションについて 株式会社ガイア・システム・ソリューション ============================================================================ ○概要 CoMETは、ターゲットソフトウェアおよびハードウェアをPC上で同時にシミュレーシ ョンを行うことが可能な、ソフトウェア/ハードウェア開発環境である。 従来のコ・シミュレータ、コ・デザインツールと比べ、ターゲットソフトウェアの実 行を100〜1000倍程度高速に行うことが可能である。これにより、ISS(命令セットシ ミュレータ)では困難であった、オペレーティングシステムを含んだトータルなシス テムシミュレーションを、ターゲットハードウェア無しで行うことが可能となる。 ○展示状況 デモとして組込みLinuxのシミュレーションを行っていた。命令キャッシュ、データ キャッシュのヒット状況や、割込みレイテンシなどの解析情報がグラフィカルに表示 されていた。従来のシミュレータでは2〜3日かかるブートストラップ1〜2分しかかか らないと言っていた。