セッションSB-3(分科会) テーマ  :組み込みシステムのトリビアの泉 会場の広さ:約80人 出席人数 :約35人 感想:  かなりマニアックな話が連発しました。参加する人は互いに知り合っているようでした。 新しい人はあまり発言しなかったです。司会者がうまく話しをつないでいるという印象を 受けました。 --------------------------------------------------------------------------------- 司会者(宿口):  イーサネットは元々はエテルネット(Ethernet)。なぜEthernetなのか疑問に思ってい した。 Etherは宇宙のEther(エーテル)が語源です。新人のころ、先輩に聞いたら、昔か らそう言われているから。という回答でした。つい最近、インターネットブームになって、 この話を聞いた。1970年ぐらいARPHAnetというプロジェクトがある。ARPHAnetはハワイの4島 を無線で通信可能にするプロジェクトであり、Ethernetという名前はそのプロジェクトが由来。  これを知って何のために役立つかと聞かれたら、おそらく答えはありません。でも、これを 知って初めてイーサネットの原理を説明できるわけ。このような話を今日してもらいたいと思う。 Aさん:  この間研究室旅行に行った。トロン温泉というのがあった。皆さんは知っているか。  それだけですが。 司会者:  もうちょっと説明してもらいませんか。例えば、トロンとは?。ちなみにトロンといえば坂村 先生が有名です。何でトロンというのか。The Real-time Operating Nucleusの略。元々のTは ある大学の名前をつけるかどうかの話もある。何でトロン?有名なDisneyの映画TRON(世界初C G映画)から由来。あの時、人が演じたところをCGを使う。坂村先生がその映画を見て、次の日に TRONという名前を使うといった説がある。  こういう話がでたら、嬉しいなと思う。 Bさん:  私が会社にいたころの話。昔はATMの組み込みシステムをやってた。20年前、私がやっている とき、8インチのフロッピーにATMのデータを無理やり入れた。今はちょっと考えられないことだ。 司会者:  ATMのネタがあるかというと、日本製のATMじゃないけど、OSがWindowsになっているATMがある。 去年の夏ぐらい、Virusに感染されたATMがあった。保守員が保守のためノートPCをLANに接続し たが、そのノートPCがVirusに感染していたらしい。 Cさん:  計測器の話。計測器といえば、GPI(?)。TIチップを使用。データパスの幅が8ビット。 チップのD0からD7につなぐ。D0がMSBで、D7がLSBだ。必ず配線が間違った。チップによって、 逆になっているケースがあるから。最近はD0必ずLSBになっているので、間違わない。 司会者:   LSBとMSBの話ですね。  つい最近の話し。Power PCの話。Motorolaが出しているので、68000と同じつもりで扱うと痛 い目にあう。というのは、レジスタのLSB,MSBの仕様が68000と異なるから。 1986年ごろに廃刊になった技術雑誌のコラムにも書いてあった。 あれから、組み込みの雑誌はインターフェースだけだね。 Dさん:  昔のUNIX。1秒10文字ぐらい。キーボードがなし、Teletype。昔の言語は型はなし。  Reliability低い。 Fさん:  Teletypeはわからない。 司会者:  Typewriterみたいなもの。CRTが無くて、キーを打つとプリンタに印字される。 Gさん:  UNIXの話。皆さん使っているかと思う。ディレクトリの概念はMS-DOSに使用される。昔の MS-DOSは???が1文字しかない。それはなぜか。昔使われる入力出力装置はテレタイプと いう機構。皆さんは知っているのだろうか。出力するときに、活字をパンチカードに書く。 1秒間10文字。入力は???という。だから入力はできるだけ少ない文字を使い、出力も 同様。だからUNIXの???が1文字しかない。  (残りは聞き取れなかった) Gさん;  もし、そういうのがあったら、紙テープがばたばたばたと。当時紙テープリーダがある。 そして、パンチのミスを修正する機械がある。文字を消すためにパンチカードの穴を全部。 現在のASCIIコードでいう7F(DEL)になる。そのパンチのミスを直す機械はミスターパンチ と呼ばれる。 Bさん:  高田先生を見た人は、プロジェクトXに出た人だ!!という効果があるよね。 高田先生:  一番嬉しかったのは、あれを家族に見せてあれが俺がやっている仕事だとやっと説明が できたこと。あぁ、よかったそれは。それまで、「組み込み」は通じなかった。   (しーん) Hさん:  今日はTOPPERS関係のポスター発表をした。まだシステムが動かなかったとき。合宿の時の 話。T先生と研究室のメンバーとうちの会社のメンバーと旅行する時に、「T先生は睡眠中で も開発している」という話しを聞いた。 司会者:  それだと、話がおわっちゃうじゃないか。 Hさん:  あぁ、すまない。この話は今年5月のときにで。。。。 司会者:  まぁ、高田先生はよく寝ていると。 Hさん:   T先生は運動しないと仕事できない人である。 司会者:   どんな運動。 Hさん:   この間の合宿で卓球したいなと言った。 司会者:   はい。ありがとうございました。 T先生: Toppersのプロジェクトは残業形式(?)で終わった。 Hさん:   残業でしたけれど、作業してなかった。何とか間に合う。 司会者:   このような話で一時間終わった。 Dさん:   そういうトリビアはないけど、私が初めて組み込みに携わったときの話し。 初めて開発した組み込みシステムはUSB機器だった。開発のときにうまく行かなかった。 なぜ?使っていないポートをほったらかしたから。 司会者:  デバイスの初期化の失敗はよくやっている。あの、デバイスドライバに関する話だ けど、みなさん8054というタイマデバイスをご存知でしょうか。リセットしたら、 勝手に動作する。最近のデバイス屋さんいろいろと気を使って、今はリセットすると ちゃんと値がクリアされる。  初期化は大事だね。結構さぼっちゃうけど。   まぁ、こんな失敗しちゃったという話もうれしいけど、そんな話一杯持っていそうな Eさんはどうでしょう。    Eさん:  失敗いっぱいありましたね。やはり、忘れられないのが初期化だね。チップセットにた くさん機能がある。設計の中でぜんぜん関係ない機能があって、初期化をさぼっちゃうね。 先の話みたいに。リセットしたら、うごかないねという思い込み。  へーといわせる話はあまりないね。68000系はバージョンアップしたら、スタックのフォ ーマットが変わる。昔のコードをそのまま使い回すと、調べないでそのまま残ってしまった。    司会者:   ぜんぜん「へー」にならないね。 Eさん:  酒を飲んで失敗した話? 司会者:  酒を飲んでコーディングは? Fさん:  私は寝ながらコーディングをするタイプだ。先ほどT先生の話がでたけど、私の場合は悩 んで悩んでそして寝ている間にアイデアが出てくる。 T先生:  私は逆で学生のころ、悩んで悩んで夢でみたものは現実にはない。まったく逆だ。  組み込みと関係のない話だけど、良い?。JAVAはぼろかったから普及した。何故かとい うと、JAVAはSUN Microが開発した。SunのJVMを読んだ技術者はあんなひどいものが使い ものにならん、俺のほうが良いもの作れると言ってた。結局、HPも作って、IBMも作って、 いろいろなところJAVAを作る。つまり、JAVAがぼろいから普及した。 司会者:   数年前の話し。トヨタ自動車が職人が強い。彼らが作れないものは作らない。数年前、 各工場で彼らにアリストというすごい車を組み立てさせた。ちゃんと作れるかどうかという 工程チェックを行うためだった。その車は何がすごいかというと、見た目は今の車と同じだ が制御がすごい。どれぐらいすごいかというと、ドアをチョンと同時にロックすると、ドア の閉まる音が一回だけ。高々一回だけ音がする。ものすごい制御で作られて値段が300万円だ った。シリアルナンバー200番から1000番はそいう車が多いらしい。こんど高級車を買う時、 時にトヨタのアリストを買うときは、まず車体番号を指定すると良い。 Hさん:  まったく組み込みと関係なくていい?。あるデモをするとき、車で来た。寝不足のせいか 運転のとき眠たかった。危ないと思って、寝ないといけないなと思った。30十分止まって寝 てて復活した。皆さんも組み込み技術者で夜の中がんばっていると思うので、開発中に疲れ たら、ちょっとだけ寝ればいいじゃないかと思う。ぜんぜん関係ない話だが、すまない。 司会者:  ぜんぜんいいよ。  今度は学生さんの話を聞こう。どんなネタでもいい。 Iさん:  以前液晶テレビに強いメーカーに勤めてた。そこでMで始まる名前のパソコンを作っていた。 (聞取れず)  テレビ局や番組によって表示される画面の幅が違う(横に広い)と気づいた。それだけで はなくコンテンツによって幅も違う。CMは広めになった。 司会者:  テレビネタで他に何かないかというと、テレビっていろいろあるんですね。私もこの間テレ ビが壊れた。だいたい8〜10年で壊れますね。仕方ないので、テレビを買いに行った。お金 が無かったのでブラウン管TVを買った。見ていると、画像の質はメーカーによってぜんぜん違 うなとわかった。同じ調整しても、結果が違う。何でかと思って、店員に聞いてみたら、作った 人の感性だとわれた。だから、作った人がぼやけた画像が好きだと、テレビの映りもぼやけれて いる。某会社はシャープな画像が好きで、そのメーカーのテレビの画像もシャープで私の感性と あっていたということ。 Jさん:  私は出身が福井だけど、ひどい洪水があって大変だ。洪水で冷蔵庫がその辺で浮いていたん だ。電源入れたらブーという音がしてまだ完璧に動いてると。すごいなと思った。感動した。 でも、テレビは電源を入れるのが怖かった。以上。 司会者:  冷蔵庫は日本製ですか? F:  日本製だったと思う。確かM社の冷蔵庫(笑)。 司会者:   ホントかな? (しばらく聞取れず) Kさん:  外国からの要求仕様:水、コーヒー、コーラがかかっても壊れないというのがあった。多分 そういう使われ方しているだろう 司会者:   要求仕様の話だね。10年前の話ですが、FAXの話がある。日本製のFAXは大体寿命が長いし、 使い勝手もよいと言われています。最後の方はすごいのがあってね。マグナム弾を撃ち込まれ ても壊れないという。なぜかというと、向こう(外国)でFAXは公衆電話で使われる。そのため、 貯金箱と思い、拳銃を撃って金を取ろうとする人がいるので、そういう要求になっていたらしい。 Eさん:  最近LINUXが前提になっていて、でも実は、組み込み業界のLinuxの元はリアルタイムOS。 V社という会社があってW社につぶされた。今、それらの人はM社という会社を作って、逆にW社 を押さえている。  組み込み業界では、以前目立っていた人が沈んで、また表面に出てくるという傾向がある。 今のLINUXの人たちみると、あぁ昔の人々だなと思って。以上。 Aさん:  MontavistaのMontaはどこからかというと、門田丸から来たという噂 Lさん:  業界の話なんだけど。ちょっとまじめな話しなんだけど。要求の話しがあったけど。お客さん に近いのが、実は我々だ。だから、お客さんが好きなように我々調整できるようにしないといけ ない。これはトリビアではなく教訓である。お客さんの所に運ぼう。自分が作ったものを使うの がお客さんだから。しかし、実際、受身のエンジニアは多い。 司会者:  デザインウェブ誌の特集みたい。確かにお客さんは大事ですね。 Gさん:  エンドユーザに関連するが、特注品の話がある。特注品というのは、お客さんがいてこういう ものを実現してほしい。試験日の時に、会社の人に言われて、「とにかくお客さんの前でシステ ムを動かさない。世間話をして時間をつぶすんだ」。そいうのがあった。とにかく、電源を入れ なくてすむ。2週間後、動かないという報告が来て、私は再びお客さんのところに行った。デバ ッグのためにICEを持っていく。1週間ぐらいそこにいて、やっと動かせた。 司会者:  組込みシステムとは、あまりに手離れが悪いので、開発者が組み込まれて出荷されてしまう システムという笑えない定義がああります。  皆さんも、開発する組み込みシステムに組み込まれずに出荷をしてください  ところで、出荷された方はいる? Gさん:  エンジニアはダメなものを出すと直さなければならない。北海道に飛ばされたことがある。 氷点下だった。昔はアセンブラを直接入れた。大変だったけど、当時それしかなかった。まぁ、 今はいろいろツールがあるけど、ツールがない時を思い出してやったほうがいいじゃないか。 Eさん:  すまない。ここでいる人はパッチをやったことのある人は何人いる?パッチわからない人  (一人だけ) Nさん:  パッチとは、2,3命令をつぶして、空き番地へ飛ばすようなジャンプ命令を入れる。 空いている番地を探してそこで何十バイトのプログラムを入れて、再びジャンプ元にジャンプするという。 Eさん:  因みにパッチ知っていると、warm とかVirusとかを作れるぞ。 司会者:   因みに、デバッガも大事だね。そいう事業をやっているのがOさん。 Oさん:  恥ずかしいので、もうちょっと照明暗くなりませんか?(笑)  ずっとツール(ICE)を売ってました。数年前、ICEを始めて、当時高かったんだけど、 1台500万や600万する。当時、ICEだけじゃなくて、コンパイラとワークステーションと セットで1セットは1000万する。ちょっと大きなプロジェクトだと、2、3セット買ってく れていい商売だった。最近、デバッガーはJTAGデバッガーというのが主流になって、1台50万 ぐらいという風になっている。私は組み込みツールの代理店として独立したので、また、その1 セット500万ぐらいのツールが売れるようにならないかなと。。。 Pさん:(ボストンバッグにICEを入れてはいけない) 結構前の話なんですが、初めて飛行機に乗った時の話なんですが、、某宗教が世間を騒がせて いた頃、開発環境を持ってお客さんの所に伺わなければならなくなりまして、、まぁ、組み込 まれちゃったエンジニアですね。 空港の持ち物検査で大きな箱を通すやつがあると思いますが、あれを通していた時の事です。 私の番になった所で、、、 「危険物ですぅぅ」 いきなり大声で係員が叫んだかと思うと足下のスイッチを「ガン」って蹴飛ばしてパトランプ を回すではありませんか。 ばらばらと赤い警棒、(ーいわゆる人参と言うやつですねー)をもった警備員に(ー7−8名 かなー)囲まれてしまいました。何が起こったの?状況が見えません。 いちばん年期はいってそうな警備員が、少々緊張しながら、、「お、お客さま、お手数ですが お荷物の中身を拝見させて頂きたいので、、」 周りに人は集まるは、一緒に来ていた上司は他人の振りをするわ、、最悪。 「は、はい、あけます」 慌てて「じゃーっ」とボスンバックのジッパーを開け始めると、、 「ほ、ほきゃくさま、ゆっくりと、ゆっくりと、ゆっくりと」声が裏返っています。 そこまでビビらんでもと思いつつ途中からゆっくり開けました。 開発機材が出てくると、それはそれで奇異の目に曝されまして、、 「お客様、この機械はどの様な用途に、、」 「いや、ICEといってですね、、」 「制御装置でしょうか」 「ええ」 「どんなものを、、」(火薬とか聞きたそう、喉の辺りまで出てきてそう) 「いえ、色々」 ・・・ 「無線機ですか?」 「いえ、、、」(何処を見て言ってるんだか、、) ・・・ 数十分の長い事長い事。 また、見た事も聞いた事も無い人に、ICEを説明するのが面倒な事、面倒な事。 いやぁ、ICEや開発機材を運ぶときは手荷物などにせずスーツケースにいれるなどしましょう。 ボストンバックにICEを入れるなどはもってのほかです。 また、もし不幸にもテロリストに間違われた場合は逆上したり慌てたりせず落ち着いた対応を 心がけましょう。 補足トリビアとして、幸か不幸かテロリストに間違われた場合、「テロリストに対する117の 質問?(もうちょっと多かったか?)」とかいうヤタラメッタラ長い質問をされます。 こう言う場合、どうするかと言うと、、、当たり前ですが、冷静に質問に答えてください。 SFでマニアックな人は良くご存知かもしれません。テロリストは途中で切れちゃうんです。 ブレードランナーのレプリカントを探す様な所とほぼ、おなじですね。 ただしですね、物事には例外があって、冷静すぎると今度は、テロリストの幹部と間違えられ るようで、、別室につれられてってですね、、 いや、ここからは私も良く知りません。君子危うきに近寄らずと言った所でしょうか? 司会者:   いや大変でしたね。ICEがらみということでこの景品(ICE)をPさんにあげます。   それでは、これだけ言っておきたいという方。もう二度とこういうチャンスはないと思う ので。C言語で苦労している人?MISRA Cの本を差し上げるので。じゃ、Qさん Qさん:  私の会社の話しなんだけど、組み込み屋さんにとって初期化、つまり、メモリの値をクリア するのが当たり前だと思うんだけど。世間では「読み書き」というが、私の会社では「書き読み」。 なぜかというと、試験対象のデバイスが自分のところでしか作っていないので、自分でデータを 書かないと読むことができない。だから、「書き読み」。 司会者:  ちょっと話が外れているけど。20くらい年前のNHKのパソコン番組で、最終回にC言語が紹介さ ていて、そのとき出てきたる参考書は「初めてのC」だった。番組の司会者は「ちょっと照れます ね」と意味深に笑っていた。因みに、この本にカバーをかけずに電車の中で読むと、女子高生が 白い目で見てきます。 司会者:  それでは、時間がなりましたので、この辺で終わりにしたいと思います。  ありがとうございました。