========================================================== 分科会 F1 タイトル :組込みソフト開発で接続可能な開発プロセスとは? チェアマン:川口晃 ガイアシステムソリューション 席数   :100人程度 参加人数 :30人程度 ========================================================== 概要 UPアジャイルXPなど様々な開発プロセスが提案されている. この分科会では,組込みドメインである開発プロセスについて 議論を進めていく. 現在,プロセス導入に関わる課題について論議されている. ではプロセスが導入された後,どうすればよいのか, 高い金を出してプロセスを導入して,どのぐらい有用なのか. そのあたりの,議論を始めるべき. 今回は持続可能性をキーワードに進めていく. プロセスの導入には期限がある,そういうもののロードアップ. 組織との関係 コンセプト 各パネラーに実際の仕事の立場とは関係なく, ロードを仮想的に割り当てられている. そのロードの立場から意見を述べて議論を進める パネルの対象者 既存の開発プロセスから最適なものを選定する 開発規模,ドメイン,アプリケーションは規定しない 開発プロセス 開発プロセスとは何かしっかり定義しておく ・日々を振り返るアクティビティ 反省,過去のアクティビティの結果を報告する ・日々のアクティビティ  ー>日々のアクティビティを継続する   ソフトを実際に作る  → 管理面   日程を守る,品質を守る,コストを守る ・明日へのアクティビティ  → ソフトの開発技術を最適化    組織の最適化,人を最適化 今回は,狭義の開発プロセスをコスト, 組織の最適化を狭義の開発プロセスとする. その他の,日程,品質等を含めて広義の開発プロセスとする 今回の議論は,両方の開発プロセスをターゲットとする 持続可能性とは プロセス導入の次にくる課題 ・本当に使い続けられるのか,メリットは何か 持続可能性とは,短期的な成功,失敗ではなく長期にわたって ある開発プロセスを開発に続けられること. 議論したいポイント ・持続可能性は本質か ・プロセスの選定 ・プロセスの最適化 ・プロセス運用 ・管理プロセスとの関わり方 ・プロセスロードマップ ・ビジネス ※以下敬称略 パネラーのポジション 杉浦英樹(富士ゼロックス) ・組織プロセス確立の推進者 ・経営者側の立場 西康晴(電気通信大学) 品質管理担当者 プロダクトの品質確保が最重要 佐藤啓太(デンソー): ・プロセス初心者の開発者 奥村洋: ・UP(Unified Process)推進派 橋本隆成(ソニー): アジャイル,プロセスという立場ではなく その企業が何を目的としているのか, 何が改善したいのか,どういうところを注意して すすめるのかなど,目的を明確にして進めていくという立場 佐藤洋介(デンソー): ・現場で開発プロセス導入に苦労している若手技術者 ・なぜ現場に開発プロセスが定着しないのか? 議論 5,川口: 持続可能は本質か 開発プロセスが持続可能なことはは本質的な課題なのか UPは?,アジャイルは?,開発プロセスによって異なる. 1,佐藤(啓) 開発者側からすと,一度導入したプロセスが変わると やりにくくなるので持続してほしい. 2,西: 経営者の立場からでは継続的改善がミッションになる.同じプロセスが常 に使われているとなると,継続的改善がないということになる.品質改善 という観点から見るとよろしくない.持続可能というより,継続的改善と いうプロセスを使用したい. 3,杉浦: 経営的な立場,安定した品質のもの,戦略的にはよい. プロセスをかえるごとに採算は合うのか,膨大な資金 をかけるほど価値があるのかという点を考えている. 5,川口 (まとめ) 開発者:変えてほしくない. 経営者:持続可能というより,継続的改善というプロセスを使用したい. 経営者:競争に勝つことが重要. 7,佐藤(洋) 上から決められた事を展開していく立場. 工場でラインを設計する立場なのでなるべくラインは組み替えたくない. 5-10年は続けたい. 3,杉浦 組織プロセス確立推進者. 2,3年でまじ目にプロセスを守るのか. 現在では3年プロセスを守れないのにどうして, 5-10年変えなくてよいという発言をするのかお聞きしたい. 7,佐藤(洋) 変化がないと飽きてくる等の気分的な問題. 3,杉浦 組織プロセス確立推進者. プロセスに詳しくない人に聞きたいのですが ではどうして与えたプロセスを守れないのでしょうか? 1,佐藤(啓) ドキュメントは人のために書く.従って,必要最小限で済 ませようとするところがあるのではないか. 3,杉浦 ドキュメントを見直して,よいプロセスを考え直すほうが, 佐藤さんの立場ならよいと思いますが. 1,佐藤(啓) 導入したプロセスが成熟した,ジャストヒットしたものであって, 暫定的なものであると思う.当然修正は付きまとう. 2,西 変更にはラインの変更,細かい変更から大規模の変更まである. 決められたことをきちんとやることから,工具の位置を決めると いう細かいところまで.大規模な変更は大変だが,細かい変更 はどんどんやっていったほうがよいと思う. 1,佐藤(啓) 細かいとは刺激を与えること?成熟したもの,完成したもので あれば変更は必要ない.持ってくるプロセスが私たちの立場, 課題を考えてもってきてくれればその辺の問題は起きない. これ新しいからと,ただどんどん導入するだけでは,意味がない. 4,橋本 持続可能かというところで,それぞのパネラーごとに閾値がある. ブラシアップなら持続なのという人がおおいのではないだろうか 基本的には同じプロセスを持続,ブラシアップしていくことが重要 組織というプロセスを持つことが重要. 様々な視点からプロセスを見ることが重要. 比較をしないとやりづらい. 他の立場から支援する場合もこの方が有用. いろいろなトレードオフがあり,メリットデメリットを見つけ 判断するのが重要. 有りあまるほどメリットが見つけられれば,そちらに改善する余地がある 5,川口 視点を変えてUPかアジャイルかでプロセスが変わってくるのか, どうかの議論に入りたい.UPの場合はどうなるのか, UPの場合持続可能というのは重要な話なのか 6,奥村 UPはヘビー.どういう風に導入するか,UPだからどうではなく UPでもプロセスになる場合,ならない場合がある どう使うかが一番重要 4,橋本 自分たちのプロセスの改善ポイントがあるのか, プロセスを判断する仕組みがある.仕組みがよくなる方法,問題点を見つける. それがブラシアップか,持続とはいえない別のプロセスになるのか. アジャイルは,明確なプロセスを決めているわけではない. 簡単に考えるとアジャイルのほうが組み合わせは変わらない. 5,川口 変わらないということは持続可能が簡単だと言うことなのか. 4,橋本 一見簡単.実際やるときには変わっている.前提が違う. アジャイルは,最低限のものを書いている場合だから本質的なところだ けを残している.細かいところを見ると換わっているが,定義だけを見 ると変わっていない.具体的なものを示していない. 5,川口 プロセスを適応するというのは言葉がおかしい. プロセスの適応とプロセスが最適化されるという言葉の違い. 4,橋本 適応という言葉,プロセスという言葉にそれぞれ違う意味で捕らえている. 5,川口 アジャイルはプロセスを導入したという場合とこれまであった物を 変更することの違い. 4,橋本 適応,導入, 数人でやっていたものが,企業のプロジェクトに変わる場合,指導, コミュニケーション等が難しい.そういう基盤がある企業の場合は適応, ない場合は導入となり,大変異なる.物を作る場合,何らかのプロセスが必要. 向いているか向いていないが理解すること,自分のやっていることが, 効率よいかどうか気づくことが重要 どうやれば自分たちが選りすぐれた方法で進められるか 5.川口 自然最適化という場合もあるが,どうすれば最適化できるかわからない場合 がある.他の人がよいというものを導入すればよいのか. 4.橋本 ひとつ手としては,やってみて,現場の人間が自分たちで気づくことが重要. 2,西 かっちりかっちりのプロセスがある.プロセスマネージャ,人に依存したプ ロセスをかんがえなければならない場合誰が考えるのか. 4,橋本 プロジェクトの始まりから最後まで関わっている人 自分たちの用件管理,うまくいってなくてもどうしたらよいかわからない 組織が持ってないマネージャが持ってない.マネージメントのアサイン トレーニングが必要. アジャイル,いろいろなバランスを考えてひとつの製品を出していく. 3,杉浦 経営者,戦略商品,定着商品関係ない. “とにかくきちんとしたものを出せ”というのが経営側の意見です. 5,川口 まとめると自分たちで改善していったほうがよい. それでも解らない場合は,他の方法を考えていく. 自分たちのやり方が,“基本的に間違いがなくて ちょっと先が見えてなかったので変更した”というのは継続的持続 他のプロセスを見て,自分たちの物よりよい場合,そこで入れ替え ということになるのでしょうか? 1,佐藤(啓) 開発者からとしては難しい 5,川口 どうしてですか? どう改善したらよいかというのは開発者の意見が大きいとおもう. どう改善したらよいかわかるる所があるかわからないか. 1,佐藤(啓) 開発者の対象は自分か自分のプロセスであり,改善は部分再帰に なってしまう.抜本的な改善はできない.そこは全体再帰にして しまった方がよいのではないか. 7,佐藤(洋) 経営者側の言う,“どういう方法を使ってもよいので,よい物を作れ” というのは難しい.技術の改善のほうが容易. 生産性を改善するというのは比較ができない. また,品質を測る指標とはどういったものなのでしょう? 2,西 品質管理については確認しているが,値は収束せずどんどん上昇する.. でも納期がきたら出してしまう 部分再帰:上級管理者かっちりした仕様書を作らない テストをしなければバグがでるかもしれない.テストしなかった場合, あといくらかければいくら損を防げるかと考えると大損になってしまう. 品質は企業の信用力につながる. A,会場 SE,コンサルタントの受け入れ,投入をするかを経営者が判断しなければ ならない. 2,西 会社の中で一流エンジニアをぬき投入することは難しい.ちょっと浮いた 経験者を入れても,どこが悪くて何を改善できるかが把握できない. 1,佐藤(啓) 優秀な人はなかなか出ないですよね. 2,西 出るところもありますよ.そういうところはうまい具合に 回ったりするのだけれども... 5,川口 まとめると,自社内で投入するのには限界がある. 外の知見を入れて改善を図るべき? 6,奥村 プロセスの適応は事前に自分たちがやると決めた事をする事とは少し異なり, 適応というのは外の知見を入れつつ,自分たちのやり方に近づけるという 考え方が正しい. 3,杉浦 プロセスの必要性,経営側から初心者へ言いたいのですが,自分たちのやって いる作業,流れを把握しないと,いまやっているプロセスに特化してしまう. 作業としておかしいことをしていないか等考えて,作業をすべき. 作りこんでいるてんにおいて,品質の属性がきちんとされていますか? 品質が悪い→納期が遅れる,納期が早まる→品質がよい ということになる. 2,西 いいマネージャと悪いマネージャについて. 現場,技術者の人間がなぜ,なぜ,なぜと疑問を持ち それをまとめられるマネージャがよいマネージャで必要な人. 3,杉浦 何のため,何のためというのも必要 そしてそういう所を説明できるマネージャも必要ではないか. 1,佐藤(啓) それは自分が考えてプロセスを定義するということ?自分たちのやって きた事を後続者へ伝えなくてはならない.よくしていくプロセスを作る のに特別な技術が必要.外の会社を使ってよいのか.外の会社を使えば よいものを得られる現状があるのか. 7,佐藤(洋) コンサルタントができる事というのは,マネージャがやっていくべき事 1,佐藤(啓) マネージャも外から買ってきてよいのでしょうか? 7,佐藤(洋) 外から買ってきてもいいと思う.問題,課題をきちんとおさえて, 解決するにはどうしたらよいか明示できるマネージャが必要. 少なくとも説得力のあることが言える人. そういうマネージャを育てられるかというのも大きな課題ではないか. 1,佐藤(啓) マネージャが複数いる場合はそういう人たちが協力してやっていくべきか. マネージメントというのはプロセスを作るといういみなのですが, プロダクトファミリーのマネージャが協力してやっていくという事なのか. 4,橋本 マネージャという言い方が最近になっての事. 今までは,部長課長,優秀なのかわからない.ひとつの方法として PMBOKがある.マネージメントがどのような理解をしてやっていく べきことかを定義したもの.マネージメントをする人のモデル像等, その人のマネージメントを測るる方法もある. 会場 何かよい教科書はありますか? 2,西 PMBOKはプロジェクトマネージメントの基礎知識それを理解しているので あれば和訳本が存在する.プロジェクトであれば八重洲ブックセンター にプロジェクトのコーナがあるのでそこに行くべし. A,会場 プロジェクトは試行錯誤.マネージメントとはコミュニケーション以外に どのような仕事があるのか,試行錯誤を効率化できないか. 3,杉浦 現実に,製品の場合,実装,言語は確立した技術を使用している. 基本的には何をどう動かすと決めた地点で確立したプロセスを使用している. そこの部分がきちっと解釈できれば技術としてきちっと取れている. そういう風に作られたものはきちっと動いている. 1,佐藤(啓) 再構築は0から1,と1から2,2から3へ差分で作られる物は分けて考えた 方がよい.創造的なものは,再構築を0から1にするもの.2から3にする時は がちがちに決め,0から1はルーズに決めればよいのでは. 5,川口 持続可能かという本質的な部分に絞られて議論を終えた. 自己分析できる,自分たちでどこをどう変えたらよいかわかる仕組みを 作っていかないとプロセス持続可能かという議論に行かないのではないか. 自分たちでできなければ,外部の人を呼び何を参照にして,どう改善して いけばよいのかを見つける協力をしていかなくてはならない. 持続可能性は本質か,自分たちで自分たちのやっていることを把握する. できなければ,外部コンサルティング当を使用して最適な方法を見つける 所感 企業においてのプロセスについては実感が湧かず,まだよく分らないが, 結論にもあるとおり,プロジェクト等の中で働くのであれば,自分がどの ポジションにあり,どのような仕事をしているのか把握することは, どのようなプロジェクトであっても重要なことではないかと思った. そして,それがプロセスの効率化,製品の品質向上につながる大きな ポイントになるのではないかと思った.