分科会B2 組込みソフトウェア徒弟制度 E会場 参加人数40人程度 ----------------------------------------------------------------------- ※敬称略 今井: 高田先生の素晴らしいところは本人は頑張っていることでも他の人には 無理強いしてやらせようとしないところ。 また、やる気のある人は後押ししてくれるが、そうでない人はそれなり。 自分は高田先生に育ててもらったのに同じように指導することができない。 若林: 高田先生は行動が速い。何事にもまじめで、質問をすれば何か答えが返ってくる。 また、自分の研究などで成果が出た時に喜んでもらえる。 大山: 師匠と思える人はいなかった。 どうすれば人(弟子)が育つのだろうか? 服部: 師匠は二人いる。 一人目は筋が通っていて、忙しい時にもかかわらず自分の後ろで仕事を見ていて くれた。この人からは仕事の取り組み方を教わった。 二人目は、何か分からないことがあっても本人に考えさせ、全く違う発想を するように教えられた。 大西: 自分が初めてソフトをくんだ時に、「分からなかったらすぐに聞け」といわれた が、 研修が終わった後には和辛いことがあっても放置された。 自分が思うに初めの方は仕事の導入のために教えられ、しばらくして放置された のは自分で考えるという仕事のやり方を教えられたためであろう。 石田: 師匠には教えてもらうことは期待しておらず、仕事を見せてもらった。 師匠は仕事を見せることも重要。 田中: 教えても育たない人もいれば教えなくても育つ人もいる。 ソフトには生まれ持ったセンスがある。 島崎: 師匠には聞く前に考えてからという指導を受けたと思う。 不明1: 仕事のジャンルは関係なく、いい人はいい指導者になれると思う。 自分は人のいいところを見つけるのがおもしろい。 自社は機械屋ばかりでソフトが育っていない。ソフトが育たないのは 自社の文化かも。 仲野: 学生時代卒検でコンピュータを作って以来ずっとコンピュータ作り。 会社では師匠はおらず、分からなかったら聞いてやってきた。 学生を教える際、ポテンシャルのある学生とない学生がいる。 自分が受けた感動を学生にも与えたい。 西: 1つの問題に対して2年間悩んで答えを出すのは大学院しかできない。 大学では新しい概念を考え出さなければならない。それには抽象化能力が必要。 自分の師匠は抽象化がうまかった。いい師匠は抽象化、問題分析がうまい。 モチベーションが高い人にはいい師匠がいる。もう一つのいい師匠の条件は 自分(弟子)のなりたい人物像を与えてくれることである。 堤: M社は1年間研修で、先輩がついていてくれる。しかし自分は半年で担当者が 変わってしまい、それから放任された。そうなったら自分で考えてから聞きに 行くようにした。そうしたら親切に教えてもらえた。自分も後輩に対して同じよう に させたいがうまくいかない。 斉藤: いろいろな立場での師匠がいる。ハンダ付けの師匠は親。職場では小川さん。 考え方では影響を受けている。また、コードを読んで学んだ。 プログラムに自分が後から見て分かるようにコメントを書くことはいいことなのか ? 二上: 学生の時の先生を師匠と呼んでいた。その師匠は何かが分からないといった時に、 そのことについて具体的にいわず、皆で議論した。 企業では師匠には巡り会っていないが、あたたかく見守られながら育った。 不明: 組織の中では技術よりも自分の意見を通すことが重要となる。 不明2: 高田先生は人の話をよく聞いてよくまとめてくれる。 会社では直接教えてもらえないが、物事に対する取り組み方を教えてくれた人が 師匠である。 ハード屋はハード、ソフト屋はソフトしか知らず、それ以外のことはやらないと いう人が増えてきた。 不明3: ハードとソフトの溝を埋めていきたい。 師匠には初めは聞けばすぐに教えてもらえたが、次第にそうでなくなり、 自分である程度考えを絞ってから聞きに行くようになった。 井上: 自分はハードとソフトの両方を扱い、確認まで自分でやっていて評価、補正 してくれる人がいない。 若い人を指導するのが難しい。師匠がいなくても夢を出せればモチベーションが あがると思う。 二上: 技術はあるが教材がうまく作れない。ソフトのほうが教育がうまくいっていな い。 杉山: システムなどの変更の履歴が残っているのがよかった。 二上: ソフトの基礎からやる学生がいない。班作業ではプルグラム作成は一人任せ。 これは本当の徒弟制度ではない。 磯田: 自分は初めはソフトはやっていなかったがある時に突然ソフトをやらされる ようになり、そこで一番初めにマイコンを教えてくれた人が師匠である。 詳しく教えてもらったわけではないが、その人が書いたソースを読み、まねを して作り始めた。そういう点ではソースそのものが師匠だったといえる。 初めはハードしかやっていなかった分ソフトで動かす対象物をよく知ってい たので、ソフトしかやっていない人とはどこか違う気がした。 不明4: 師匠は直接答えてくれず、ヒントのようなものを出して、それを参考にして 問題を解決していった。 師匠が意図していることは後になって理解できることが多々ある。 萩原: 師匠は人を怒らせるのがうまい。もうその師匠の元にはいない。育てても らったという感覚はないが、こういうのも1つの教わり方と思う。 不明5: 学生時代は高田先生が師匠だが、会社ではいない。しかし仕事に対する姿勢 を教えてもらったという意味では存在する。初めは簡単に教えてもらえたが、 次第に質問すると逆に聞き返されるようになった。 こうしていくことで仕事の取り組み方を覚えた。 不明6: 師匠からは特に何も教わらなかったが、師匠のソースを見るなどしてその技術を 盗んできた。 師匠にはソフト技術者としての責任と達成感を教えてもらった。 自分も弟子に教える時に、師匠のように自分の技術を盗んでやっていくように教 えている。ソフトではtry&goではなく、達成感や満足感を与えるように教えていく べきである。 不明7: 技術者としてのモチベーションを高めるには企業が子供をあおらなければならな い。 企業がノウハウを出してやっていかなければならない。 サポートエンジニアのモチベーションをあげるには勉強会を開くようにする。 西: 師匠は教えず、背中で語り、弟子よりできなければならない。 また、質問しにきた時になぜそうなったかというような理由を尋ねるように する。 そして弟子を突き放すがそこに愛情を持っていなければならない。 ---------------------------------------------------------------------------- 感想 多くの人が色々な意見を出していましたが、初めは親切に教えてもらえたが、だんだ ん自分で考えてからでないといけなくなったという意見が多かったところから、うま く教えるのにもある程度の約束事があるのだと思いました。 また、師匠には質問するだけでなく自分で師匠の行っていることを見て学んでいくこ とも大変重要だと感じました。