============================================================================= 分科会B2 「日本発の組込みシステム開発技術を!」 ============================================================================= 参加者数:20人程度 ---ポジショントークその1---  米国では、国家予算をつぎ込んでソフトウェア開発技術の研究を行っている。日本 も米国のこういった動きに対抗していかねばならないと考える。  PCの時代ではアメリカに遅れをとったが、ITの時代に移り変わっていく過程で、 デジタル家電でこの遅れを取り戻す必要があるが、組み込みシステムの規模が拡大し ていく中で、設計ミスに強いシステムの開発技術を確立していかねばならない。  なぜ日本発の技術が必要か?  現在の日本において、開発環境はほとんど海外のツールに頼らざるおえない状況に なっている。しかし、開発環境には相手の開発をコントロールする力を持っているの で、そこに危機感をもっていかないと危機的状況においちいる。  どうすればよいか?  相手に制御されないようにローカルにやっていけば良いというものでもなく、国際 的な活動も必要ではあるが、結論を言うと、日本から発信する技術が、重要ではない かと思う。 ---ポジショントークその2---  米国系の言語、c/c++は組み込みと言えど情報処理系の組込みシステムに向かってい ると思われ、制御系の組み込みシステムにはメジャーな言語が無い。そこで、制御系 の言語を日本発で作っていかなければならないのではないか。  ・どうしたら、日本発のものを世界に広められるのか?  ・ビジネスモデルはどうあるべきか?  ・そのときのスタートアップ企業の役割は何なのか?  というところを議論していきたい。  言語の場合、世の中に広めるためにはフリーが良いのか?しかし、そうなるとビジ ネスとしては成り立たない。こういった点をどうすればよいのか? ---ポジショントークその3?---  技術を広めるために:  スタートアップ企業は、海外とパートナーシップを取るため、何らかの技術が必要 である。日本の技術と海外の技術を組み合わせ、新しい技術を生みだし、世界へ普及 させていくのが理想ではないだろうか。  海外の企業と共同でビジネスを行う上で、自分たちの技術を守り、主張することが 大事である。たとえ、こちらが既に知っている技術でも、相手が先に言えば、その技 術は相手のものとなり、かってにその技術を使用することができなくなる。そのため、 相手と提携するときは慎重に行い、いかにして自分たちの技術を守るのか、というこ とに気をつけ、スタートアップ企業はやっていかなければならない。  ビジネスモデルとして:  スタートアップ企業はマーケッティングにおいて大きな企業にかなわないので、大 きな企業のマーケッテイング力を利用するという立場で、パートナーシップを取る。  世界の企業とパートナーシップを取り、そこから作り出された商品が世界中に広ま ったら、実はそこに使用されている基本的な技術は日本発のものであるということに なり、日本発の技術を世界に広める方法の一つとなりうる。 ---質疑応答--- 質問: 日本発の技術を世界に広めていくにはどのような方法があるのか? 回答: アメリカでは技術者同士のつながりが強く、そのコミュニティの中に入っていくこと が大事である。 質問: そのようなコミュニティに入るのは難しいと思うが、彼らが興味を持つ技術を持って いればそういった輪の中に入りやすかったり、逆に向こうからアプローチしてきたり するのか? 回答: 知らない物を知りたがり、受け入れる人が多いので相手の興味を引くものを自分が持 っていると、話し易く、解け込みやすい。 ---意見---  (組み込み系の技術者は)ツールなどを自分で作らざるおえないような状況を考える と、非組み込み系は横のつながりがあるような気がするが、組み込み系は閉じていて、 横のつながりが少なく、各社の事情もわからないし、事情が違いすぎるのではないの かという感じを受ける。  今、世界中を席巻しているものは、元々そんなにメジャーなものではなかった。 (ので、マイナーなものでも、良い戦略を持っていれば、メジャーなものにすること ができる。)  日本の技術者はこじんまりとしていて、個々人で自分の技術はすごいと主張してい るが、技術を世界に広めるためには仲間を作ることが重要であり、エンジニアは仲間 を作るのがうまい人とつながりを持ったり、あるいはそういった人を見つけないとプ ロジェクトはうまくいかない、ということを認識しなければならない。  5年間いいものであるためには、常に進化していかなければならない。そのために はコストがかかり、その費用を得るためにパトロンが必要となる。そのパトロンを得 るための戦略が日本のエンジニアにはかけている。そう考えると、技術主導ではどう しようもないと思われる。  海外の企業は積極的に自分たちの持っている技術をアピールしてくるが、日本の企 業は積極性を持っているのだろうか?自分のいた環境の中では、技術者が外にアピー ルする機会がなかなか無かった。自分たちがいい技術を持っているならば、コミュニ ケーションのうまい人と手を組み、世の中にアピールしていくことが大事ではないだ ろうか。  米国において、大学の技術を会社の方に取り入れてうまいこといっているという話 を聞き、日本においても自分たちの持つ技術を、大学に持ち込み、そこで評価しても らい、フィードバックして、自分たちの事業に結び付けていけば、異なった自分の技 術の展開も開けるのではないだろうか。 ---質疑応答--- 質問: なぜ日本発の技術を発信していきたいか? 回答1: 日本国内にとどまっていても面白くない。組み込みシステムの開発環境において日本 のものが少ない。 回答2: 世界に進出していった企業に共感し、技術者として有名になりたい。 回答3: 日本発の技術がどんどん出てくると、若い人たちの活力になる。 回答4: 海外の技術者がやりそうも無いことを挑戦してみた。コミュニティを広げていって、 そこから徐々に自分の技術が広がっていけばいいと思う。 ---意見---  エンジニアは自己主張すべきである。  ビジネス展開において、技術屋さんは人付き合いが上手くなく、話の内容が相手に 通じない。  日本の社長さんには理解してくれる人が少ないので、自分の持てる技術をどこに売 り込むかというのも一つの重要なポイントとなる。  「違う」という事に価値観を感ずる民族性から,欧米で成功する為には,人と違う ことをやって相手に興味を持たせることが重要。 以上