分科会B1 次世代開発環境に向けて 〜ASPの可能性 あるいは〜 日付 7/24  20:30 参加人数 12人 現在の組み込みシステム開発は複雑になっていて、自社がソフトウェアのメイン テナンスを全てやらなければならない。これは大規模のシステムで問題となって いる。その他、開発環境や設備などにお金かかる。ASPはこれらの問題の解決で ある。 ASPがこの機能あれば便利なもの 1. ASPではプロジェクトの履歴があれば便利imodeでデバッグできればいい 2. 復元ができる(記録が残るようなもの) ASPの欠点 1. ネットワークに接続するのが問題 2. セキュリティ 3. ソフトウェア社が開発したものは貸し出しではなく、販売だけを行って いるのも問題 ASP技術の説明が終わった後、分科会に参加した人の自己紹介が行われた。参加 した人たちの中で、何人かが学生であるため、システム開発の傾向やASPはどの ものなのかをわかりやすく説明した。 システム開発の傾向 1世代 stand alone  スタンドアロンでは、システムの機能などが全て1個のチップに組み込む。例 としては、エンジン制御があげられる。 2世代 network   ネットワークでは、ホストとターゲットがあり、ホストで開発したシステム をターゲットにダウンロードして、動かす。ホストで用いた言語は、ターゲット と同じである。例として、マルチメディア、マルチタスクなどがあげられる。 3世代 heterogeneous  Heterogeneous開発では、様々なものがあり、それぞれ言語が異なることであ る。オブジェクト指向プログラミングは3世代にはいる。 元来、CPU設計、ハイレベルデサイン(HLD)、コーディング、テスティング、イ ンテグレーションを全て自分でやらなければならなかったが、現在では、システ ムがより複雑になっていて、1台の計算機で全てを行うのは無理となった。その 上、開発者が行った作業は、他の人が理解するのにかなり時間がかかる。たとえ ば、6ヶ月でプログラムを組んで、(設計からインテグレーションまで)、開発 者が変わった時に、次に入る人が開発したシステムの解読だけで約2年間かかる ケースもある。この解決策として、ASPは、設計からインテグレーションまでの 過程をまとめ、その過程の履歴を残すようにしている。これにより、システムの 保守やデバッギングが容易になる。 ASPでは、ノウハウが要求されているため、企業秘密が外部に漏れる可能性もあ り、これが問題となっている。例えば、LSIのファブリケーションでは、NEC,三 菱などが台湾に投資をしているため、ノウハウは全て台湾にある。このため、台 湾のLSI技術は日本のものより優れてきている。この意見に対しては、リスク以 上の利益があるので、ノウハウが台湾にあっても問題があまりない。オープンソ ースによって、会社の競争が激しくなり、結果的にユーザが得する。企業が自社 で開発したものを他の企業に使わせる気がないと、業界企業全てが苦労すること になる。  ノウハウを育てるには、およそ10年間かかるが、育てる前に技術が古くなり、 新しい技術が入ってくる。そこで、参加者の一人は技術者を使い捨てのように扱 って欲しくないという意見があったが、それは無理だと他の参加者より異論が上 がった。3,4年間たったら、台湾、フィリピンや他の東南アジアの技術者が発達 して、そのとき日本の技術者が捨てられる恐れがある。その理由は、日本にかか る開発費が高いためである。この問題に対しては一人の参加者が外国人の恩恵を 受けてもうかるしかないと意見を述べた。  技術者についての話から、bandwidthの話題となった。現在では、bandwidthが 安くなってきているため、誰もがIP アドレスを持っている。このため、組み込 みという概念がなくなり、全てネットワーク上の組み込みシステムとなる。ある 意味では、組み込みが生まれ変わるという。  ASPのもう一つの問題は企業の信頼である。他企業の技術を使って、被害にあ う可能性がある。この問題に対して、参加者の一人が企業に信頼点数を上げれば いいという方法を述べた。他企業に満足する分だけ、採点すれば、今後どの会社 が信頼できるか、できないかがわかるという意見も上がった。 最後に参加者、特に学生に発言してもらった。ほとんどの学生はASPに興味を示 しており、今後の発展に期待を持っているようであった。技術の使い捨て問題に も将来が暗いと感じた学生もいたようだが、自分の将来を自分で切り開くことに なるという他の参加者の発言によって、学生は気を引き締めていた。その後、結 論がなかなかまとまらなく、議論が徹夜で続いた。