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ワーク S5-a
テーマ:腹落ちするDX (導入編) 〜 デジタルがもたらす変化の本質とそのインパクト
講師:中川郁夫 (株式会社ソシオラボ)
日時:2022/9/2 14:00~15:10
参加人数:約27名(現地とハイブリッド合わせて)
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14:00 開始

○講師 中川さんからの話
・自称DX漫談師(見習い)

・好きな言葉「髪の毛があるうちに好きな髪形をやるべきです。髪の毛が無くなってからじゃおそいですよ。」
・リソースは限りがある、時間があるうちに…、体力があるうちに…、利益があるうちに…(本質観取の捉え方)

・Uberの挑戦とタクシー業界の取り組みの違い
・タクシービジネスをデジタルで効率化するために生まれた配車システム→「改善・効率化」
・Uberという第三者がデジタルで「市場破壊」
・タクシー会社はUberの戦略を取れない(自己否定につながる)
・Uberize:モバイルやネットを使って、市場構造を破壊するサービスを実現する

・本質をつかまないといろいろとわからない、意識するべき
・本質観取:ものごとの核心を射抜き、言語化する力
・感性・感受性:刺激(情報)を自身のインプットに変える力
・想定されるQ&A:
・その事例知ってる→事例や技術は表面、背景にある支店・思考が本質
・今の仕事に関係ない→抽象化された価値の考え方が本質
・何すればいいの?→自ら考える力(意味を見出す力)が本質

・本日の趣旨:DXって何?デジタルの浸透で「何がどう変わる」のか、デジタルがもたらす変化の「意味」は。

・デジタルの視点をどう生かすか
・新聞は世の中を知るための基本かつ最良のツールである(某ジャーナリスト)
→「世の中を知る」って?
・事象を知識として得るだけでなく、多視点かつ大量の情報
・これまで:単一、共通の平均化されたコンテンツを匿名大衆向けに片方向で配信(万人がわかる言葉で書かれている)
・世の中で起こっている事象を知識として得る、知識の量が大事
・多数の知識に触れる
・いま:膨大で多様なコンテンツをパーソナライズ、多視点かつ知見の参照、本人の知見の発信
・事象と他視点・多視点の知見を参照し、その意味を自分事として理解する
・多様な見識に触れる
・事例に学ぶDX #1
・NEWSPICKS:ソーシャル経済メディア、いろんな意見・いろんな視点を交換できるプラットフォーム
(異なる視点を持つ人々が建設的に意見を交わすことでブレークスルーが生まれ、社会が動き出す)
・未来志向:未来を起点に考える
1:変化をとらえる
2:未来を描く
3:仕組みを創る
・NEWSPICKSの分析
1:知識の量から視点・知見の多様性へ(変化を捉える)
2:異なる視点からブレークスルーへ(未来を描く)
3:識者と読者を結ぶ情報基盤(仕組みを創る)
・メディア業界がデジタル時代に考えるべきこと
・媒体の変化:新チャンネルに対応(変化なし)
・知識体験の変化:知識体験の仕組みを創る
・デジタル時代の変化を本質とインパクトを理解するために変化をとらえる知性が鍵
・キーワード:『異なる視点がブレークスルーを生み出す』

・事例に学ぶDX #2
・Nest Labs:ネットにつながるサーモスタットを提供
・生活パターンを学習(学習型サーモスタット)
・部屋の温度を自動的に調整
・データを集めて街単位で電力制御(電力需要の予測、ピークコントロールが可能)
・節約費用の一部を消費者に還元
・サーモスタット市場:3000億円、エネルギー市場(第三者価値):600兆円
・デジタル時代のビジネスモデル
・「家電をネットにつないだからすごい」ではない
・Nest Labsの分析
1:家電がつながる社会(変化を捉える)
2:消費者起点の省電力社会(未来を描く)
3:シェア獲得から電力業界にメスを(仕組みを創る)
・データが市場を動かす時代に(つながりが「第三者価値+デジタルのテコ」を実現)
・考察:
・分断の時代:直接的に見えるモノ→アナログの視野
・つながりの時代:データが参照できる範囲→デジタルの視野
・視野の深さが重要、視野の広さ&多様性が重要
・3つのイノベーション:第三者価値の発掘、快適な電力制御、デジタルのテコを活用
・発想の飛躍が変革のだいご味:どこまで広がるのか
・キーワード:『消費者起点の省電力社会』

・デジタルにどんな意味を見出すのかが鍵

・活用事例:現場改善、職場改善、経営改善(作り方を変えている)
・例:ジオターゲティング、One to Oneマーケティング

・事例に学ぶDX #3
・avatarin:どこでもドアを実現する(デジタル空間)
・ゴール:デジタル社会の移動を再定義、価値の変革
・移動をどう提供するのか、未来の「移動」を再定義
・業務の視点(デジタライゼーション)、顧客の視点(デジタライゼーション)、社会の視点(狭義のDX)
・デジタル時代の変化を前提に提供する価値を変革する

・価値の変革:現ビジネスをデジタル化だけでなく、ビジネスそのものを創造し、挑戦する→イノベーション

○質疑応答
<質問者1>
副業や雇用しない会社が増えている気がするが、現時点で市場ブレイカーは存在するのか。
<回答>
スキルのマッチングサイトが多く存在、仕事に対する価値観が激変
(単純な労働と対価の関係ではなくなっている、若者は会社のビジョンを重視する傾向にある)。

<質問者2>
イノベーションにおいて、国はベンチャー企業に頼りすぎている気がしていて、既存の企業は期待されていない気がするのですがどうお考えですか。
<回答>
ベンチャーだけでなく大企業でも成功している例がある、一方で従来通りにイノベーションしようとしている会社もある
イノベーションを起こすためにミスなくゴールを目指すことはできない、イノベーションと失敗しないことはつながるわけがない。

<質問者3>
最初にDX推進室を立ち上げることは正しいのか
<回答>
推進室は悪くない。今までの固定概念を変えるために最終的な意思決定者(これまでの成功者)を変える必要がある。

15:10 終了

■参考情報
・企業向けセミナーの紹介:https://sites.google.com/view/gogoikuo

以上.