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セッションS1-a
テーマ:EmbLT
コーディネータ: 及川達裕 (四国職業能力開発大学校)
日時:2022/9/1(木) 19:40-21:20
参加人数:17人 (開始時 オンライン)
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■セッションの概要説明
EmbLTとは ... Embedded Lightning Talks
技術系イベントとしてお馴染み。各ポスターの発表者と参加者で議論し合う。
今回は7名のポスター発表者を迎えて開始。


■LT
1.フィールドロボットの研究開発で試される忍耐力
発表者:藤永 拓矢(福岡大学)

フィールドロボットとは:
画像処理やアーム制御など様々な要素技術を集約している。

フィールドロボットとロボット競技会:
・ロボカップ
・トマトロボット競技会
・水中ロボコン
・学研ヒルズ学際駅伝大会

研究開発事例:農業ロボット
大規模施設園芸を対象として中玉トマトを自動収穫する収穫ロボット
小規模施設園芸を対象とした小型農業ロボット

<質疑応答>
・質問
トマトロボットは、デンソーと関係ある?
・回答
関係ない。お話しいただいて学会とかでも交流することもあるが、デンソーさんと立命館さんがと一緒にやられた感じ。


2.電子楽器の作品紹介2022
発表者:石垣 良(株式会社メイテックフィルダーズ)

シンセサイザーを8年ほど作り続けている。

<質疑応答>
なし


3.Elixir/Nerves衛星を打ち上げる日
発表者:山崎 進(北九州私立大学)

Elixir(エリクサー)とは:
並列プログラミング言語。開発されてから10周年。Rubyの代わりにより高速に動作するものを求めて、2012年にJoseが開発した。
パイプライン演算子により、コードを簡単に並列化できることが特徴である。

<質疑応答>
・質問
低消費電力のTradexのボードのレベルはハード/ソフトウェア?
・回答
おそらくハードウェアのレベルで頑張っている。とラデックスは産業用 放射線対策以外は障害や振動、熱体制は産業用としては最高水準である。

・質問(コメント)
FPGAを使った際の消費電力とのトレードオフについて。
・回答
調査済み。DSPに比べた時に3分の1より小さい消費電力にできるのであれば、もし仮に多重化したとしても、
DSPよりはコンパクトにできる可能性があるように思う。


4.FAをびよんどする
発表者:菊池 豊(高知工科大学)

IoTのFAへの応用:
FAでも使えるマシンを作り、小規模な小水力発電用ソースコードを起こし、小水力発電所で使った。言語はElixirを採用した。
事例: まくね川小水力発電所
Nerves/Elixirが融合を可能にするのでは。

<質疑応答>
なし


5.ギャラクシアンをIoT化する
発表者:菊地 俊介(さくらインターネット株式会社)

Arcade1up!という1/2サイズのゲーム筐体がある。ギャラクシアン世代の所長が購入した。
内容:
ラズパイ + Arduino、Wifiで実装。WebAPIを実装し、Slackへの通知、Slack経由での制御などを実現した。

<質疑応答>
・質問
どういうところが難しかった?
・回答
一番はっきり覚えているのは、WebAPIを作るために、Webのポート80番を監視するためのルーチンが回っていて、
それとは別にボタンのイベントフックを書かなければいけないが、そうするとWeb側のポートの監視をしてループが一回回って、
その次にボタン側のハードウェアを見て、また帰ってきて、という流れで、ボタンの反応が超鈍く使い物にならない。 ファイヤーボタンを連打して押すとこの回数がきちんと取れない。逆にボタン監視を優先すると、
WebAPIが答えなくなる。マルチスレッドで処理を回さなきゃっていうことになり、Pythonでも真面目に書けば多分できるが、私のスキルではとても面倒くさくて書けない。
マルチスレッドに対応しているイベントドリブンに近いような処理系必要だと思った。

・質問
ハードの話、冬に幽霊が出たのは何故?湿度は関係ある?よくあるのはバリスタや、ローパスフィルタ入れたり、ラズパイはないと思う。
電子工作レベルではいいが、世に出すとなると、色々怖い。ソフトの人はデジタル思考で、スイッチとかがアナログであるという発想を、
学生にどうやって体験させるかに関して、いい題材があればと思う。
・回答
湿度が低くなると、スレッショルド境目ぎりぎりを行ったり来たりする。highとlowの境目の電圧を行き来している。厳密には分かっていないが、
湿度だろうという推定である。誰も触っていないのにボタンを押したことになっていると言っていた。経緯は説明は出来ないが、
コンデンサを追加したことで収まったことは確か。


6.EV3 Train
発表者:久保秋 真(株式会社チェンジビジョン)

EV3を使ったLEGO Trainの製作
詳細はGitHubに掲載している。(kuboaki/ev3_train)

<質疑応答>
なし


7.バイクツーリングログをGoogleEarth で可視化してみた。~KML瞬間解説~
発表者:曽根 卓朗(静岡大学)

Google Earthの実装:
・平野部以外の地形の標高はあまり正確でない
・平野部の標高はほぼ正確と思われる
・KMLのサイズが大きくなると動きが遅くなる(今回のデータは約19Mb)

<質疑応答>
・質問
RTK測位に興味あり。基準局を使うもので大体半径10キロぐらいまでしか取れず、今回北海道ぐるっと回っているが、シーラスか何か使われている?
緯度経度のズレは問題なかった?
・回答
説明が長くなるので省いたが、実はドコモの高精度測位サービスのデータを自宅のラズパイで中継して使っている。全国約1300ヶ所ある電子基準点を選択、
ローミングして基準点を切り替えていく。山の中は怪しい。Google Earthの更新頻度は分からないが、メーター単位でずれていることはなさそう。
常に高精度測位できていなかったりすることで、あまり学術的な評価はできていない。大体合っているらしい。


■セッションの締め括り
ベストEmbLT賞(トライアル)を開設した。
こちらを取られた方は、是非来年インタラクティブセッションか、本セッションでより議論を深めていただきたい。