**********************************************************************
セッション:s3d
テーマ :組み込みエンジニアのための在宅勤務を考える
<ワーク・ライフ・バランスからワーク・ライフ・フュージョンへ>
講師 :酒井卓也
日時 :2020/8/21(金) 11:30~12:40
参加人数 :8名
**********************************************************************
【議事録本文】
◎はじめに
・特別企画では主に、会社や職場への影響を議論したが、本セッションでは家庭や
プライベートへの影響を考えたい。
・会社員は、仕事の場と生活の場は明確に線引きされていたが、自宅が職場になること
によって、様々な変化が予想される。
・ワークライフバランスと言われて久しいが、バランスを取ると言うより、仕事と生活が
融合する、すなわち、ワークライフフュージョンに向かうのではないか。
◎参加者の自己紹介 参加の動機
・参加者それぞれ、簡単な自己紹介と本セッションに期待することを発言。
◎ワークライフバランスについて
・ワークライフバランスとは、男女がともに、仕事、家庭生活など、様々な活動について、
バランスを取りながら人生を送れるようになること。
・日本でワークライフバランスが言われてきた背景には、仕事偏重による、少子化や
健康被害を解消する目的があった。
◎テレワーク普及による働く環境の変化
・在宅勤務は、仕事をしている人からすると職場に従来は存在しなかった家族が存在する
事になり、家族からすると自分の生活の場に職場で働くパートナーが存在することになる。
・環境が変わっているので、そこには今までになかった変化が発生する。
◎在宅勤務の弊害
・一般に、在宅勤務の弊害として、コミュニケーション不足、外的要因のストレス増加、
時間管理が難しい、会社・同僚とのつながりが薄れる、運動不足等、が言われる。
・特に、外的要因のストレス増加といった部分で、会社から自宅で仕事仕事をする事に
よって影響が出そうである。そこには、ストレス増加要因だけではなく軽減要因もあると思う。
◎在宅ワークの家庭への影響
・80年代のCMのキャッチコピー「亭主元気で留守がいい」
・仕事で居居なかったはずの夫が、退職を機に家に居るようになることで、妻の自由な
時間が奪われ、妻のストレスが増大し、心身症になってしまう事を、「主人在宅ストレス 症候群」と名づけた。
・若い世代においても、結婚や恋愛、家庭観に変化がおきている。
◎仕事と家庭の間におきるスピルオーバー
・スピルオーバーとは、一方の役割における状況や経験が他方の役割における状況や経験にも
影響を及ぼすこと。
・仕事の役割での経験が、家庭での役割に悪い影響を及ぼす、あるいは良い影響を及ぼすなど、
4つの組合せで表せる。
1.仕事から家庭へのネガティブな影響
2.家庭から仕事へのネガティブな影響
3.仕事から家庭へのポジティブな影響
4.家庭から仕事へのポジティブな影響
◎在宅勤務によるワーク・ライフ・バランスの変化アンケート
・用意したアンケートに、各人が回答。
・アンケート結果について。
仕事→家庭へのネガティブな影響についてが、一番、減った増えたの変化が大きかった。
◎デイスカッション1
・自身の在宅勤務によるワーク・ライフへの影響評価について思うこと。悪化の影響を
打ち消すには何が必要か。
・仕事→家庭へのネガティブな影響についての変化が大きかったが、何が増えて、何が減ったのか。
プライベートなこともあるので、開示できる範囲で。
講師:ネガティブが減ったこととしては、今まで仕事を優先してできなかった、家事や
送り迎えの送迎などができるようになった。ネガティブな影響が増えたところは、
やはり仕事をしているので、相手に気を遣わせてしまっていると感じている。
Aさん:家族とふれあう時間、コミュニケーションを取る機会が増えたというところが、
ポジティブな影響を感じる。家庭から仕事へのネガティブな影響として、家族との
コミュニケーションを取る機会が増えたことで、仕事への集中力、効率の低下がある。
Bさん:家の中で仕事場としての空間の確保ができているので、在宅だからといって影響を
感じない。居住環境や家族構成によってまとめると何か分かってくるのではないか。
Cさん:家族や自分の時間が取れるようになったのが、一番の良い影響である。
◎調和から融合へ
・仕事、家庭生活、地域生活、自己啓発の4側面ついて、仕事偏重からバランスを取ることを
目指してきた。
・在宅勤務という手段が取れることにより、4側面それぞれから、相互に良い影響を与え合う
ことで、人生が充実する。
◎デイスカッション2
Dさん:私個人の時間が減った部分もある。場所を切り替えることでやることを切り替える事を
していた。場所を切り替えないと、家から離れて自己啓発に当てていた時間が、
家事に取られたり、会社のメールを見たりしまったりする。
Eさん:学生だが、学校では講義を受けたり、課題をやり、家ではゆっくり休みたい。すべて
自宅だと切り替えが難しい。融合で人生を充実というところでは厳しいのかな。
Fさん:人に実際に会えないとといったところがやはり最大のネガティブな影響である。
Gさん:一人暮らしなので、家庭への影響といった所では、考えられないが、一人でいると
誰にも相談できないのが困る。
講師:役割とそれを果たす場所というのは、やはり切り替えというところで重要な要素であり、
そこは融合させてしまうと、逆にやりづらくなる面もありそう。
◎まとめ
今までにない急激な変化は、職場と家庭や家族、共同体のあり方に否応なく影響をあたえる
事になります。ネガティブな面も多々ありますが、新しい手段が増えることによっての可能性を
信じて、この変化を乗り越えていってほしいと思います。
以上