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セッション:S3c
テーマ  :Qumicoを使ったEdge AIの最新情報。AutoML、LSTM対応
      ~ ColabやLabelboxを使ったリモート時代の組込AI開発、人材育成
講師   :夏谷実 株式会社パソナテック (DX戦略本部)
日時   :2020/08/21(金) 11:30~12:40
参加人数 :12名
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<講師紹介>
株式会社パソナテック DX戦略本部 Qumico Product Manager
夏谷 実
FPGAやLSIの画像処理からDeepLearningの世界に入る
Hatena id: natutan、Qiita id: natsutan
TensorFlow Users Group KANSAIオーガナイザー

<はじめに>
本講義ではハンズオンを実施
Deep Learningの学習からC言語の変換までをブラウザで完結
ラズパイが有ればDeep Learningが動かせる

<エッジAIの動向>
一般的なAIサービスは何処かにあるサーバーでAIを処理する
エッジAIはAIを処理するサーバーが無く、それぞれの端末がAIを実施
エッジでデータを処理することで応答速度、通信量、消費電力の削減が可能
エッジAIを使う理由
・エッジで処理するのでスケーリングで有利
・通信環境が悪くても動作する
・プライバシーを守りたい(画像を送信しない)

<業界動向>
ONNX : AIの共通データフォーマット
ONNXのランタイムエンジンを作れば様々なAIフレームワークに対応できる

ONNXフォーマット
中身はProtocol Buffer
・Model
・Graph
・Computation Graph

Auto ML : Automated Machine Learning
自動的に機械学習のパラメータを設定する技術
Auto MLといった場合、GoogleのCloud AutoMLを指すことが多い
Google以外のサービスが出てきているのでAutoMLが何をさすか確認する必要がある。
Cloud Auto MLの実力
画像の識別に関しては素人より優秀
物体検出に関してはYOLO v2に近い数字(6万円くらいで評価できる)

他のAuto ML フレームワーク
・Azure Custom Vision
・PFN Optuna
・Sony Prediction One
・Amazon Forecast


目的: ディープラーニングの学習結果をエッジデバイス向けにc言語変換
オープンソースとして公開
https://github.com/PasonaTech-Inc/Qumico

構成:
DLフレームワークの学習モデル -> ONNX -> C言語 の返還を実施

特徴:
業界標準のフレームワークを使用可能
SOCやカスタムCPUなどでも容易にエッジAIを動作可能

画像だけではなく時系列データに対応(センサデータの異常検出など)

<これからのエッジAI開発>
コロナ前:
滋賀県から東京に週2-3日ほど出張
コロナ後:
出張禁止でリモート開発

リモート環境でやってみたこと
LabelBox : オンラインのアノテーションサービス
アノテーション画像をLabelboxにアップロード
開発メンバがアップロードした画像をブラウザでアノテーション
期間: 5月11日から6月10日
メンバー: 4人
データ数: 1849枚 (無料制限が厳しくて2500枚まで達成できず)

良かったところ
ブラウザのみで完結
Windows、Mac、Ubuntuすべてに対応するツールが他にない
画像を担当者に割り振る必要がない
割り振りはLaelboxでやってくれる

上手くいかなかったところ
フィードバックに時間がかかる(slackだと時間がかかる)

Google Colab : Jupyter notebookのクラウドベース
良かったところ
上手くいかないときに履歴やエラーメッセージが全部残っている
colabファイルを共有するだけで状況の再現ができる
全員が同じ環境になる

上手くいかなかったところ
長時間の学習中に接続が切れる
gitとの相性が悪い

組み込み機器の画面をTeams/Zoomに出す
ゲーム用のキャプチャ装置で画面を共有する

Azure IoT
Docker imageの一斉デプロイ
メッセージ送受信 : ハンズオンで課題の結果を自動送信
AIモデルのリモート更新

<ワークショップの趣旨と現状>
情報系以外の学生にもDeepLearningを体験できるようにしたい
ハンズオンでワークショップを実施

コロナの影響でワークショップを自習形式に変更
データ収集から学習、ラズパイ動作までを実施
扱うタスクは画像認識

必要なアイテム
Google アカウント: 無料登録にもクレジットカードが必要になるのが課題
インターネットにつながるPC: OSの違いに対応するためColabで実施
カメラとラズパイ


Q: 対応しているラズパイのバージョンは?
  A; バージョンは3B+

Q: AWSと比較するとGoogleの方が成熟していますよね
A: Googleの方が成熟している感触はあるが、変更が早くビジネスで使用するのが怖い
AWSは仕様したことが無いのでMicrosoftと比較すると変更速度がおとなしい