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セッションS4c ワーク
テーマ:お客様に満足していただくソフトウェアを開発するには?
〜人間中心設計とUXデザインワークショップ〜
講師:水本 徹(NPO法人 人間中心設計推進機構 副理事長・関西支部長/
株式会社島津製作所 総合デザインセンター
デザインユニット マネージャー)
日時:2019/9/6(金) 12:40〜13:50
参加人数:19名
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<自己紹介>
コナミ(プログラマー/企画)
シスメックス(SE/プロジェクトへの人間中心設計の導入・教育)
NPO法人 人間中心設計推進機構
島津製作所(UXを重視した製品開発)
<UIとUXについて>
・UI(ユーザーインタフェース)とは
機器やソフトウェア、システムなどとその利用者の間で情報をやり取りする仕組み
ユーザーの要求を満たすための仕組み
・UIの評価について
ユーザビリティや機能性、信頼性など客観的に評価できることと
魅力など主観的にしか評価できないことがある
・UX(ユーザーエクスペリエンス)とは
ユーザーが製品・サービスを通じて得られる体験の総体
利用中だけではなく、利用前や利用後の体験も含まれる
・UXの評価について
世の中的にも難しいと言われている。
<人間中心設計>
人間中心設計とは企画・設計・評価といったすべての段階において、
常にユーザーのことを考えながらデザインする方法のこと。
<UXを向上させる方法>
・背景
ユーザーのことを考えていても、
製品中心・メーカー中心のモノづくりをする傾向がある
→UXが上がらない
・どのようにすればよいか
UXを向上させるには、ユーザーが満足する製品やサービスを提供するためには、
「人間(ユーザー)中心の考え」を徹底することが重要
→人間中心設計プロセスを実行する(ISO9241-210で定義されている)
<人間中心設計プロセスについて>
・具体的な人間中心設計プロセスの流れとは
利用状況の把握と明示(ペルソナの仮説→カスタマージャーニーマップの仮説)
↓
ユーザーの要求事項の明示
(インタビュー調査→ペルソナ・カスタマージャーニーマップの確定
→要求事項の優先順位付け)
↓
設計による解決案の作成
(課題シナリオと解決シナリオの作成→解決シナリオを実現するアイデア検討)
・ペルソナの仮説について
具体的なユーザー特性を定めることによって、
ターゲットユーザーにぶれが生じて、様々な人々が求める機能を満載した複雑な製品(結果的に誰も欲しがらない製品)ができるのを防ぐ
ペルソナを共有することで、誰もがUXを向上させるアイデアをだすことが可能になる
・カスタマージャーニーマップの仮説について
ペルソナの体験や感情を時系列で記述する
・インタビュー調査について
ユーザー像(ペルソナ・カスタマージャーニーマップ)を仮説し、
不明確なところ明らかにし、それに対して適切なユーザー調査を行う
よく使われるユーザー調査として半構造化インタビューがある
→潜在ニーズを引き出す質問者のスキルが求められる
はやりのユーザー調査として行動観察がある
→ユーザー自身も気づいていない、言語化できないニーズを掘り起こす
長期記憶の陳述記憶のエピソード記憶が商品の価値につながる
認知心理学の知識を活用する
→知識の呪縛やピークエンドの法則を考慮してインタビューをすすめる
オープンクエスチョンをする
→その返答に対してさらに掘り下げて質問をする
<構造化シナリオ法についてのワーク>
・構造化シナリオ法
問題に対して価値レベルのシナリオから考え、行動レベル、操作レベルと順に落とし込んでいく
課題シナリオについて
真紀は、高齢の両親に事故が起こらないか気になって仕方がない
気にしすぎだと夫から言われるし、心配で両親に電話しても、当の本人からも
いちいち電話してくるなと怒られる
解決シナリオ(価値レベル)
両親の状態がわかって安心できる、気を遣わなくてもよい
解決シナリオ(行動レベル)
こちらから連絡しなくても、両親の状態のお知らせが届く
それを確認することで、両親が元気であることがわかる
両親の生活の邪魔をしなくても済む
解決シナリオ(操作レベル)について回答
設定した時間にスマホに通知が届く。通知ダイアログをタップすると・・・
というように具体的なUIまで記述する。発表はなかった
質疑応答
Q.まず作ってしまったものに対してのアプローチをどうすうか
A.ユーザーになるだろう人を探し、評価をもらい、必要があれば改良する
Q.ペルソナを作成する方法論があるのか
A.いろいろな立場の人で作成するというのが大事
チームが一致団結するためのツールである。
Q.ルータの設定で、初心者向けと上級者向けにわけて用意するのはありかなしか
A.最終的な手段として、初心者向けと上級者向けにわけて用意することもあるが、
目標は初心者でも上級者のようにつかえるUIを作ることである。
■まとめ
UXを向上させる方法について講義が行われた。
ユーザー中心の考え方で製品やサービスを開発、提供することが大切である。
以上。