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セッションS1e ワーク
テーマ:エンジニアのためのアサーティブコミュニケーション
講師:酒井卓也
日時:2019/9/5(木) 21:00~
参加人数:10名
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【議事録本文】
◎メンバーがそれぞれ自己紹介
・名前
・この分科会に参加した動機
・最近あった嬉しいこと
をそれぞれ話す.
Iさん:以前会社で講師が来られて今回のアサーティブコミュニケーションを少しだけ学んだ.
◎分科会の狙い
今回は話すこと・伝えることのスキルの話
アサーティブコミュニケーションとは自分も相手も大事にする爽やかな自己表現である.
自己主張だと日本人には少し強い表現.なので自己表明と言った方が、日本ではしっくりくるかも知れない。コミュニケーションの一つの理想モデルです.
・アサーティブなCプログラムの例になぞらえて
プログラミング言語にも「表明(assertion)」という構文がある。これは関数を使う時の前提条件の明示で、どうすれば正しく使えるのかをはっきり書いていることを指す.
これによりデバッグが楽になるメリットがある.
これと同様に、自己の意図を他者に建設的に伝える.自分の仕様を把握すると同時に自分はこういうルールで動いていることを他者に表明することがアサーティブコミュニケーションである.
IさんやGさんは元々、会社の研修などでアサーティブコミュニケーションの一部を学んでいた.
・アサーティブコミュニケーションには3つのタイプがある
1.ノンアサーティブ(非主張的)
相手を第一に考えて自分を抑えてしまう
2.アグレッシブ(攻撃的)
自分を優先して相手のことに構わない
3.アサーティブ(自分も相手も尊重)
自分のことを考えるが相手にも十分配慮する
・日常のコミュニケーション行動を分析した結果、4つの要素に集約されることがわかった.
以下の4つの場面でアサーティブな行動を取れれば人間関係が改善する.
1.対人関係の中での行動
2.物事を受け入れること
3.権利を主張すること
4.自分の情報を伝えること
◎ワークとディスカッションの内容
1.自己理解のワーク
自身のアサーティブ度を知る
(日常で起こる状況の4コマ漫画が渡される.全て4コマ目が空白であるが
その最後の場面を自身の考えによって選択肢から選ぶワーク.)
2.他者理解のワーク
提示された場面について3つのアサーティブコミュニケーションを判断する
なぜ自分はそう判断したかを意見交換する.
3.ディスカッション
現実の職場などでどんなアサーティブコミュニケーションの体験をしたのか.
本当はこう言いたかったけれどうまく言えなかったことやその時どうすればいいのかを
議論する.
・ワーク1
資料のアサーティブ度チェックシートを使って、現時点でのアサーティブコミュニケーションの傾向を把握する.
20問あり、普段自分が取っている行動に一番近いものを、選択肢a~cから選択していく.
・集計を終えて...
それぞれが自身のアサーティブ度を知り、お互いの数値を見せ合い議論を始める.
合計値だけでなく4つの場面それぞれでアサーティブ度を把握することも重要.
特定の場面でアサーティブ度が悪ければそこを重点的に改善していけば良い.
Aさん:自分の性格について、自分が思い込んでいたことを数値化して定量的にわかるとていうのはすごく大事だと感じた.
Iさん:権利主張の部分において自分はアグレッシブにやってるなと感じた.
Kさん:対人関係と自己開示においてかなりノンアサーティブだったのはだいぶ納得できた.
Iさん:Kさんは打ち手が分かりやすくて打ちやすい.自己開示に関して社会を生きていく上で自身の弱みを見せることはコミュニケーションの面でとても大事だと感じる.
Gさん:去年会社でやった診断結果よりアグレッシブになっている.なんでだろう.個人的な葛藤についてはしっかり主張できそうだけど、公の場所だと果たしてそれができるのか怪しいと感じた.点数の偏りが大きいことと、自己開示についてノンアサーティブだったので、そこを重点的に対策できる!
講師:定期的にセルフチェックとしてやって見るのもいいと思う.
ワーク2
3つの自己表現チェックリストを使って、場面ごとの回答に対して自身がアサーティブ度を
3つのうちどれに感じるか判定していく
設問1.仕事の成果を他者に褒められた時
a.どうもありがとう
b.いやー大したことないよ
aについては全員アサーティブ.
bについて全員非主張的
Tさん:bは本当に謙遜しているのかもしれないけどね.
Hさん:逆に攻撃的な言い方はどういうのがあるか.当然だよ、とか鼻にかける
感じだろうか.
設問2.自分があまり行きたくないお店に行こうと友人が提案した時
a.あの店は好きじゃないから他のお店を提案
b.あなたが行きたいならそこに行きましょうか.
Hさん:aについて代案を提案しているからアサーティブなのかなと考えた.
Yさん:僕は攻撃的かなと考えたけれど、その理由は相手への希望をあまり聞いてない
気がしたから.
Hさん:確かに.相手はあくまでそのお店に行きたいわけですからね.
Tさん:多分僕もその理由で攻撃的にしたと思う.相手のことを考えてない.
Tさん:bも攻撃的だと選択した.
一同:笑
Yさん:嫌味っぽいところですか?
Tさん:そうそう.なんかキャラによるかもしれないけれど...
設問3.上司が自分の話を遮って意見を言ってくることについて一言言いたい時
「すいませんが、私の話を終わりまで聞いた後でご意見をいただけますか?」
Sさん:何に重きをおくか.シチュエーションや営業という立場ならお客さん的に聞かないといけない.
Tさん:すいませんが、という表現がすごい引っかかる.
Yさん: 傾聴という観点から言えばこれはない!
Tさん:わかります.お客さんのいうことは決して遮らないですから.
設問4.早く寝ようとした時に、普段会えない友人からかかってきた電話で話が長くなった時「悪いけど今から親に電話しないといけないんだ.ごめん.」
Kさん:問題文から、残業が続いていることが読み取れるけれど、親に電話すると言って
しまうと相手からすると他の日に電話してもいけるなという印象を抱かせてしまって、結局は本当に自分が望むことを言えてないように感じたから非主張的にした.
設問5.後輩が仕事中に自身の携帯電話の画面を見ていて注意する時
「就業時間中だぞ、考え方が甘いんじゃないか」
時間切れ
講師:以上の各人の判断を照らし合わせていっても、完全に答えが一致するところは
ほとんどない.すなわち日常生活においても一発で、意見が合うってことはほぼないということになる.
このワークでは、アサーティブな表現を探す事に加えて、各人の意見のやりとりの中で、アサーティブに自身の意見や考えを素直に言えたか他のメンバーの意見を十分に聴くことが出来たか、体験してもらう意図もある.
各自で振り返って意見交換
講師:問題を解決する前に問題を共有できているのか.
共有できていなければ、問題を他の人に言えているのか、それとも言わないという選択
なのか.状況によっては言わないというのもアサーティブである.
Sさん:課題を見つかって言うか言わないか、課題を言わない人にも課題があると思う.
Sさん:若干年齢を取っている人がちゃんと聞かないといけないと思う.歳をとってると
マネージャー目線になるんだけど、何を聞いて欲しいのか、上に対して何を傾聴
して欲しいのかというのが気になる.
Tさん:それを聞かれるってことは、今ご自身が会社でそれを気になっていると言うこと?
Sさん:うん.みなさん若い人が先輩や上司に対してうわーって言いたいことを僕に
言ってほしい.それが聞きたい.
講師:最後に皆さんが現実の職場で抱えている思いなどをぜひ打ち明けてください.
例えば上司に対して言いたいことだったり、環境を改善してほしいと言う
欲求などがあれば.
Gさん:上司はどう思ってるのか、何を考えているのかとても聞きたい.
講師 :実際に現状の職場で聞けないと言う状況や理由はなんでしょうか?
Gさん:上司との1on1ミーティングの時に、若手の意見をくみあげてくれるのは嬉しい
んだけど、会社のビジョンや上司がどうなりたいと言う本音とか何を考えてる
のかが不明瞭でスッキリしない.
Tさん:その質問をそのまま上司にぶつければ...
Gさん:言い出せますか?自分はなかなか言い出せない.
Sさん:言えないのが環境のせいなのか、キャラクター(性格)の問題なのか解析しないと
いけない.自分のキャラクターと相談しないと.
言わなくても自分で抑え込めるんだったら構わない.自分の裁量で判断する.
自分の裁量を気づく必要がある.
それ以外のところで相談に乗ってくれない上司がいるんだったらここの場があるんだよ.
Hさん:他の同期と上司について愚痴りあったりとかはしないんですか?
Gさん:いや~、しないですね.
Sさん:それはまず社内で愚痴り合わなきゃ.同期と愚痴り合いして同志を募るのが
大事なのかもしれない.
講師 :どうせ聞いても答えてくれないからと諦めているから言わないのか.
何かが起こってしまいそうだから言えないのか
Gさん:ちなみに話しててわかったのは、1on1ミーティングの場が、自分の話を上司が
拾い上げてくれる場っていう思い込みを外すべき.
Tさん:1on1ミーティングじゃなくて飲み屋で聞けることなのか?
Gさん:正直、部長など上司がこちらに何を期待しているのかがよくわからない.
◎まとめ
講師:これまでのワークの中で気づいたことがたくさんあったと思います.
重要なのは、自分を理解した上で、お互いにアサーティブな態度で自己を表明すれば、健全なコミュニケーションが醸成され、他者との違いを理解するすることが容易になるということです。
実際の職場で自分がどう振る舞うか、参考にして欲しいと思います。
以上