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特別講演
テーマ :宇宙を人類の生活圏に 〜日本発の民間月面探査への挑戦〜
講師 :中村 貴裕
日時 :2018/8/31 14:30~15:40
参加人数 :約140名
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自己紹介
・大阪生まれ、大阪育ち
・大学では、惑星科学を専攻
・職歴:(2006)アクセンチュアー>
(2011)リクルートー>
(2011)HAKUTOを立ち上げー>
(2015)ispace
HAKUTO
・Googleがスポンサーの民間月面探査の国際レース
・最も先に、月面探索に成功したチームが優勝
ー>日本で唯一「HAKUTO(ispaceが運営)」が参加している
製品作成時に考慮すべき点
・-100~100度の気温差
・放射線が地球の100倍
・重力が1/6
・14倍の重力がロケット発射時にかかる
・コスト(地球から月まで行くためには、重量が1kg違うと1億5千万ぐらい違う)
ー>軽量化
民間月面探査レースのファイナリスト
・HAKUTO
・Team lndus
・SpaceIL
・Moon Express
・Synergy Moon
レースの期限は2018/3末で終了した(どのチームも達成できず)
ー>ただ、どの団体もビジネス的な面でレースは続いている
レースにおいて3つのフェーズが存在
1.地上からロケット出でる
2.ロケットから機体を切り離す
3.月面を走行する
HAKUTOまとめムービー(youtubeで公開されていた)
リンク「https://youtu.be/PA7C_XUe4iA」
宇宙産業に関して
ビリオネアが牽引する宇宙の新時代
・Elon MuskL SpaceX
・Jeff Bezos: Blu Origin
・Richard Branson: Virgin Galactic
加速拡大する宇宙産業の市場
・2005年〜2014年までの累計を2015年のみの投資額が超えている
ー>現在は4000億円ほど投資されている
ー>日本でも年々投資が増えている(会社数では20社ほど)
日本政府が宇宙ベンチャーへ1000億円の投資をすることが表明されている
近年、月面に水が存在する証拠が見つかった(数十億トン規模)
・人が住むための生活用水
・燃料になる(液体水素、液体酸素)
ー>宇宙空間で活用する
各国で月面産業構築に向けた取り組みが活発化してきている
また、民間でも取り組みが活発化している
例)
・One Web Constellation
・Lunar XPRIZE
・Bigelow Lunar Hotel
・Boeing
・Blue Origin
・Other Private Interest
宇宙資源開発の政策
・国が所有することはできない
ー>しかし、アメリカなど一部の国の法律では民間は所有できると定めている
ー>日本でもガイドラインを定めている段階
ispace社に関して
紹介ムービー「https://youtu.be/wwBZwxdMrDs」
地球から人工衛星へ燃料を持っていくコストは、月の資源を人工衛星へ持っていく場合
のコストの100倍かかる
今後のVision
1,2020-
民間初の月面到達
2.2021-
付きでどれ位の物資があるのかデータ取得、地球から物資の輸送
3.2030-
月面での資源開発
着陸船(ランダー)
現在は詳細設計フェーズ
・小型
・低コスト
・高頻度輸送
探査車(ローバー)
・小型(4kg)
・低コスト
ー>複数台のローバーを用いて月面の資源情報をマッピングする予定
Series A Funding
・103.5億円
・グローバル的にも宇宙探索では最大の資金調達をしている
・INCJ, Dentsu TOPPAN, JAL, DBJ, SUZUKI, TBS, KDDIなど
ー>103.5億円は、2020年ミッション1, 2021年ミッション2の
打上げ費用、開発費用に使う
ミッション1
・月面着率ではなく、月の周りを周回
ミッション2
・月面におりて、ローバーを用いて月面探索を行う
顧客
・政府の宇宙機関(JAXAなど)
ー>政府の失敗できないミッションのために、小さなミッションを行うことで
成功確度をあげる
・民間のインフラ
ー>通信、エネルギーなど、国際宇宙ステーションの運用が終了したあとの
マーケットを見据えて、月のデータがほしい
・メディア/エンターテイメント
ー>企業のマーケティングに活用してもらう
提供する3つのビジネスサービス
・Payload Delivery
・Lunar Data Collection
・Advertising & Promotion
ー>SUZUKIやZoffとはコラボレーションCM, 商品を作成している
規模
・Tokyo, Luxembourg, NASA Ames. U.S
・70人程度
・日本人と外国人が半々
社員紹介ムービー「https://youtu.be/5TSW5NuEMgI」
□質疑応答
Q:宇宙環境を模した施設を構築する方法は?
A:JAXA,大学(東北、北九州など)などの施設で、様々な施設がある。
これらを活用している。
Q:多国籍の人と仕事をする苦労は?
A:最初立ち上げたメンバは日本人が多かったが、近年は優秀な外人が入ってきている。
ものづくりの考え方が違う。
そのため、設計を完璧にするのかものづくりを完璧にするのか。
言語の壁も簡単なようで根深いと感じている。
Q:社員の中で専門家のパーセンテージ
A:エンジニア7:3ビジネス
エンジニアの中でも、ソフトウェア、熱、エレキ、推進系、ミッションの
オペレーション、取りまとめするSE
現在35名程度ー>年末までにプラス15人雇いたい。(ソフトウェアエンジニア)
Q:技術的なところで、オープンな技術課題・学術的に研究してほしいことは?
A:SWAM、水の探査、月面の温度変化への対応(特に月の夜−150度)
ー>リチウム電池が夜に固まって昼に融解する際に化学的に破損してしまうため、固体電池の応用方法
Q:長期プロジェクトで挫折したようなことがあるのか?
A:たくさんあった。小さな成功を積み上げることが成功の鍵だった。
・クラウドファンディングを積み重ねて資金調達をした
・Googleからの中間賞をもらえたことで、技術的能力を証明できた
ー>投資を得ることができた
最後に司会より補足:
HAKUTOチャレンジのクラウドファンディングに申し込んでいて、ローバーの底面に
「SWEST」の文字を刻印いただいている。ぜひともチャレンジを続けてSWESTを月面に
送り出して欲しい。また、MOON VALLEY構想が実現したらSWEST42はぜひ月でやりたい!
夢のような話でありつつ現実感のある実現可能性の高い離しででわくわくしました。
組込み技術が宇宙開発にも貢献できるように、夢を現実にするために頑張っていきましょう。