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セッションs5a
テーマ:70分で理解するAUTOSAR Adaptive Platformのポイント
講師: 松原 豊, 伊藤 剛
日時:8/31(金) 13:00-14:10
参加人数:約50人
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AUTOSARの概要について
□Adaptive Platform(AP)
・ADASや自動運転など、高機能・高性能、高い安全性が求められる
次世代ECU向けとして開発
・特徴
・C++言語の採用
・SOAの採用
・並列処理への対応
・既存スタンダードの採用(既存のオープンスタンダードの再利用)
・安全とセキュリティのサポート
・計画的な変動をサポート(plan dynamics, 反復サイクルを可能にするために、
リソースと通信が動的に管理されるアプリケーション)
・アジャイル開発を想定
・リリース状況: 2017.3に最初、2018.3が最新、仕様書は一般公開。
デモンストレータは会員向けに公開
・開発体制機能単位で開発(性能と機能で大きく分類できる)
・AP仕様書は膨大だが、一部について紹介
・APとCPの共通仕様は、Foundationとして規定。SORE/IPも規定されている
・CPは2003年開発開始、成熟しており、実用段階。
・APは一部のソフトウェアベンダが開発。
開発初期ー中期
・CPはC, APはC/C++
・CP: OSEK, AP: POSIX PSE51準拠
・実行ROM, ROM->RAM
・メモリもアプリごとに仮想アドレス
・CPシグナルベース(CAN, LIN)に最適化。APサービス指向(Ether)
・StbMによる時刻同期
・CPに比べるとAPのがゆるい機能安全の仕様
・セキュリティCSMサポート、APはDDSなどの標準をサポートしようとしている
□APの構造
・Serviceとfoundationで分類されている。それぞれに属する機能ごとにブロック
分けされ機能クラスタ(FC)が存在
・AUTOSAR (ARA)
□各機能クラスタの役割
・Communication Management(CM): アプリケーション間の通信
・RESTful Communication
・Platform Health aManagement: プラットフォームの状態監視
・Core Types:複数のFCで使用するパブリックインタフェース
・Execution Management: プロセスの起動/停止の管理
・Identity Access Management:
外部攻撃に対し、各FCのインタフェースを用いたアクセスを制限
・Operating System
・Logging & Tradcing: デバグ情報を外部デバイスに送信
・Cryptography: 一般的な暗号化に対応
・State Management
・Diagnostics
・Signal to Service mapping
・network management
Update and Configuration Management:
APの目標の一つである無線ネットワークを用いたアップデート機能
<- 仕様は公開されているのでそれを見てください!!
□OSの条件
・POSIX
・初期化プロセスでEMを動かすこと
・マルチスレッドのサポート
EMは起動時に初期化以外もある
・各プロセスの起動
・各プロセスの状態を意識し、動かし方を決める
・Manifestを用いて、プロセスを管理
・状態管理(大きい状態->小さい状態の順に, SMが管理)
・マシン状態
・機能グループ状態
・プロセス状態
・アプリケーション状態
□CM
アプリケーション間の通信はCMを通じて行われる。
"ara"というAPIで接続。ECP間はetherで接続
言語バインディング
SOA: アプリケーション、機能の一部サービスとしてコンポーネント化
言語バインディング: アプリケーションにサービスを提供/利用するための標準的な
インタフェースを提供
ネットワークバインディング:
サービスのデータをネットワーク上でどのように転送するかを定義
SOME/IP(Scalable service Oriented Middleware on Ethernet/IP) サービス指向の通信
DDS(Data Distributed system) データ中心の通信
E2E保護
□デモンストレータの説明
・AUTOSARで作りこまれたアプリケーション。
テストで使用するためのアプリケーションが含まれている
・APでHello worldを動かすためは、アプリとmanifestを作って、レシピに追加。
□実行環境
・yoctoを用いて実行ファイルを作成しているので、
yoctoをサポートしていれば使える。
→ yoctoとはオープンソースのコラボレーションプロジェクトで、開発者がハード
ウェアアーキテクチャに関係なく、組み込み製品用のカスタムLinuxベースの
システムを作成するのに役立つ
□質疑応答
質: calassicとAPとの接続の規格
> SOME/IPは使える。シグナルベースなのでメソッドは使えない
質: ECUの種類によってAPの中でいらない機能とかはclassicと同じように抜いて
使えるか
> 使えます
質: DDSの中のQoSを使ったりするときに、他の部分のQoSで変更点があるか
> DDSのQoSに準拠する。
将来的にはara:comのmanifestにQoSが設定可能になり、使われる可能性はある。
当初はSOME/IPが前提だったため。
■まとめ
APについて詳細に説明がされた。
主に、OS, EM, CMについて、仕様を示しながらCPとの違いが述べられた。
質疑においては、
従来のCPとの接続するためのプロトコルは、APの通信についての質疑が行われた。
以上。