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セッションS1-b 分科会・パネル
テーマ :ITエンジニアのハッピーな働き方改革とは
コーディネーター:酒井 卓也 氏(日本産業カウンセラー協会)
日時 :2018/8/30 21:00〜22:30
参加人数 :約45名(終了時)
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【議事録本文】
■はじめに
〇アイスブレイク
今回議論する働き方改革について...
ニュースなどで最近聞かれる働き方改革について
「ITエンジニアならではの働き方改革というのがあるのではないか。」
ということを話し合いたい。
3グループに分かれて簡単なゲーム
(グループそれぞれでルールに基づき全員で手をつなぎ解いていく)を行う。
...続々と参加者が集まる
〇自己紹介
・カウンセラーの資格をとり、「傾聴」について訓練を行ってきた。
・傾聴についてのコツやスキルを伝えるとともに、いかに人をやる気にさせるかとい
うチーム開発に重要なモチベーションについても学んできた。
・今回のセッションでは少し違う話題にチャレンジしたい。
〇この分科会の背景・目的
・問いかけとして、ITエンジニアの働き方に対して、長時間残業規制以外に何が提供
されるとハッピーになれるだろうか、ということを考えたい。
また、提供されるものだけでなく、自分たちがどう変わればハッピーになれるのか
も一緒に考えて行きたい。
・政府の出した働き方改革、テレワークの推進に関する資料を題材に政府がどのよう
な指針を出しているか確認。
〇マズローの欲求5段階
・下から生理的欲求から安全欲求、愛と所属の欲求、承認尊重の欲求、自己実現の
欲求という順に欲求のレベルが上がっていく。
下から欲求が満たされるとその上の部分を欲する余裕が出てくる。ITエンジニアが
欲しいものは上位の部分であり、ここを考えていく必要があるので、実はエンジニ
アは幸せなのかなということで紹介。
■ディスカッション
グループごとに分かれてそれぞれの意見を各議題に対して出してもらう。
(数字は個人から出た意見につけた番号です。)
〇議題1
[現在、政府の方針に従って会社が施策を行なっており、展開している最中。
今の時点で、国や会社の施策で残念に思っていることはないですか?
また、自分自身の働き方で変えようとしているものはありますか?ない場合はその
理由を考えてほしい。]
グループA「ノー残業デーは形骸化している、特に残念に思うことは、働く
時間を減らそう減らそうと言ってはいるが、具体的なところがないこと。
また他には、人材のことを考えていない、できる人に仕事が集中してしまう
こと」
グループB「働き方改革を行うことは管理側にも負担がある、マネジメント
能力が足りない。制度だけが横行している。」
⇒「マネジメントして仕事をできる人に集中して、定時に終わらせるという
のはどうでしょうか?管理側からしてみれば、目標がすぐ達成できる。」
グループC「会社の制度で大きく変わることは何もないんじゃないかという
結論に至った」
グループD「会社の制度は変わらない。フレックスや働き方改革は小手先
すぎる。エンジニアの意見を聞かない。働けない時間を全く考えていない。」
「室長とか上司は休めというが、それ以上の指示が出るわけではない。
休めと言われてもそれで納期が延びるわけではない。」
「残業してでも仕事した方が生き残れるのではないか、ゆとりを持って働か
せた結果、仕事が取られるとまずい。仕事がないと生活できないし。
みんなが同じルールで働いているわけではない」
「給料が減ったら働き方改革の意味ないという人もいる」
「給料は一つの価値観だが、時間が取れるというのも一つの価値だと働き方
改革はそれを狙っていると思われる。実は働いてお金が欲しい人もいる
し、時間が欲しい人もいるし」
グループE「上から施策をやろうと言ったことに対して、実務者が色々始め
る前に消滅していく。いい方向にはいかないと思う。」
グループF「結局仕事を朝にやるからトータルの時間は変わらない、チーム
開発なのに誰かが休むと仕事が進まない。」
〇議題2
[自分自身の働き方改革について]
グループA「面倒臭がらずに、きちんとお客と面とむかい、軽く動くものを
作ってお客さんと協議する」
グループB「メリハリ、自動化、効率化したいけどどうすればいいかわからな
い。ツールを入れて時間は減ったけど手間は増えていることをどう評価する
かが問題」
グループC「残業時間が減ると仕事の効率化が必要。シングルタスクで全部
行った方がいいんじゃないか。」
グループD「自分の本当にやりたい仕事をやる。そのために自分の知識をつけ
ていくことで、好きな仕事も入ってき続けるのではないか。」
グループE「メリハリをつける。自分が知識をつけて部下とともに成長してい
く。」
グループF「自衛をする、人にうまいこと仕事を渡す。会社にすごい貢献して
いるのに正当な評価がされないのはまずい。」
グループG「やらないことを決める。やらなくてもいいことは諦める。
残業時間の制限を自分の中で少し手前に設定することで意識が変わるかも
しれない。」
〇「ITエンジニアの幸せ」について
酒井さん「問題点を見つけそれを解決するアプローチはエンジニアが得意だと思う
が、良い部分に着目することで多少の問題を気にしなくなる、ポジティブアプローチ
という考え方もあるのではないか。」
〇議題3
[制度など、こういう〇〇があれば幸せになれるのではないかというものを考えよう]
グループA「サービス残業が無くなって欲しい。一発芸などの新人いびりが
無くなってほしい。プレミアムフライデーがほしい。」
「飲み会で新人に一発芸をさせるということは、管理職の引き出しが少ない
という現れである。」
グループB「社員食堂で健康な食事を食べたい。お金が重要か時間が重要かと
いう、個別の捉え方を経営者も管理者も現場の労働者も考えないといけな
い。」
グループC「仕事の評価について、うまくいったという評価がされると嬉し
い。降格人事も必要ではないか。」
グループD「過去と他人は変えられなくて、自分と未来しか変えられない。
制度とかより、自分が何かアクションを起こすしかない。」
グループE「エンジニアが効率よく働ける会社。効率よく働けば報酬がもらえ
るインセンティブ的な制度。」
グループF「個人的に男性は育休を1年間とってほしい。2週間程度で偉そう
にするな」
グループG「転職をするのがハードルが高い。新卒の価値が高いから自分の
本当にやりたいことに一発勝負で当てないといけないのは難しい。
⇒そういうわけで、マッチングとか転職とかのサポートがあると嬉しい。」
〇議題4
[よりハッピーになるために未来に向けて自分自身の何を変えていくのか]
グループA「未来の自分でひとまず10年後、色々なことのためにお金を稼ぎ
たい。そのためにはやっぱり残業が必要だった。」
グループB「どういう選択肢があるのか考える。副業だけでなくて、産業
カウンセラー、大学に戻るとか、毛色の違うところに飛び込むなど、
会社も個人も色々な選択肢を広く考えたほうがいいんじゃないか。」
グループC「寿命という未来を考えた時、例えば仕事に全力で取り組んで定年
後にどうなるか、死ぬ時に本当に幸せと言えるように、仕事か家庭かその
バランスかという選択を考えた方がいい。」
グループD「世の中がすごいスピードで変わり続ける。目標が変わっても
いいように自分をアジャイル開発する。
質問の仕方をyes/noで答えられるようにここまで調べたという誠意のある
質問をする。」
グループE「未来をイメージしても、技術が革新され続けていて今の常識が
未来の非常識になる。常に自分を変化させ続ける。」
グループF「世の中どうなって行くかわからないので、今のうちに自分が
できる新しいことを色々勉強しないといけない。」
グループG「自分が納得できる道をはっきりさせたい。エンジニアリングに
よって何かを変えても実はお客さんにとってはあまり重要でないことも
多く執着しすぎないことが大事だと思う。」
■まとめ
・技術者としてのスキルアップも大事だが、どう働くのかを考えるきっかけにして
もらいたい。
・今後の人生、自分にどういう風に反映させていくか、気づきが一つか二つでも
あればそれを実生活に役立ててほしい。