********************************************************************** セッションs5a チュートリアル テーマ:技術者が知っておきたいDeep Learningの基礎と組込みでの利用 講師:上島仁((株)システム計画研究所) 日時:2016/8/26 14:30〜15:40 参加人数:60〜70名(終了時) ********************************************************************** 議事 ・アジェンダ ○Iotを取り巻く世界観 ○Deep Learningの技術を解説 ○事例紹介 ○開発の実態 ○組込みにおけるDeep Learningの実装 (1)Iotを取り巻く世界観を説明。   データ駆動型社会におけるAIの位置づけは2つ、クラウド上とエッジである。   クラウド上ではIotで集まるデータを価値に変換することで、エッジではネットワーク上のデータを削減する。   人工知能の研究の目的は人間が知能を使って行う作業を機械で代替することである。 (2)Deep Learningの技術を解説。Deep Learningのイメージは多層ニューラルネットを用いた人工知能構築技術の総称。   人工ニューロンは与えられた数値データを発火関数にかけ、発火の値を超えていればニューロンとニューロンを繋ぐ   重み付きのシナプスを通して次の層のニューロンに情報を伝える。   学習によりシナプスの重みの値が更新され、特定の特徴を持ったデータを入力層に与えられたときに反応するネット   ワークが構築される。なぜ、今Deep Learningが話題なのかというと    1.活性化関数ReLUの発明    2.過学習回避手法の発明    3.その他、最適化に関する手法の発達    4.データの増加    5.計算機の高速化(GPGPUの恩恵)   Deep Learningの学習では、まずネットワークに学習データを入力し、その後出力値とラベルの誤差が少なくなるよう   に誤差逆伝搬法でネットワークの重みパラメータを最適化します。   手法としては畳み込みニューラルネット(CNN)Stacked AutoEncoder RNN(Recurrent Neural Network)などがある。   Deep Learningのまとめとして ・特徴量を設計する必要がない    ・他の学習アルゴリズムに比べて、多くの学習データが必要    ・BlackBox性が高い    ・学習には泥臭い作業が必要 (3)事例紹介    ・郵便番号認識    ・自然言語処理(RNNを使用)    ・音声認識    ・Google AlphaGo    ・自動運転    ・弊社事例として高速高精度リアルタイム顔検出、異常検知・異物検知エンジンなどを紹介 (4)開発の実際 データ収集、学習、検証を繰り返すことが重要 (5)組込みにおけるDeep Learningの実装 ユーザーに近い位置で処理を行うエッジコンピューティングが重要。 リアルタイム性、通信帯域の削減、スタンドアロンでのサービスなどの利点がある。 Deep Learningの特性として計算量が条件によらす一定であり、処理時間が保証される。超大量のデータを短時 間で学習させる必要がなければエッジでも十分に処理が可能。 アクセラレータの利用  ・ARM NEON  ・NVIDIA CUDA Deep Learning専用エンジン  ・Synopsys EV6x 質疑応答  Q:パーセプトロンの入力層は画像が40×40画素の場合1600個になるか  A:なる  Q:学習の時は入力のサイズをそろえないといけないか?  A:そろえなければならない  Q:自動運転の画像認識は学習の時サイズととカメラの画素のサイズはどのようにしてそろえているか?  A:ラスタースキャンで画像画素を見ていき、そこでもいろいろな工夫がある。  Q:Deep Learningは計算量が一定であるがそれはなぜか  A:ネットワークの数が一定であるから、任意の入力に対しても計算量は一定。