********************************************************************** セッションs4c,S5c ワーク テーマ:技術者はまず人間だってことを忘れちゃいないか!?     〜人間関係づくりが仕事の成果向上のカギを握っている〜 講師:百野あけみ(Face to Face 代表) 日時:2016/8/26 13:00-15:50 参加人数:10名 ********************************************************************** ■イントロダクション ○百野さんのお話 もともとは技術者だった 人間関係を作れないと成果はあげられないという体験からコンサルタントに 日常の現場でやっていることが今この瞬間の現場に現れる 今と普段の関わり方を器用に変えることはできない キーワードは「人との関わり方」 OD(組織開発)を専門としている 組織の制度や仕組みでなく、人の関係性や内面にフォーカスし、 それぞれの組織にあった方策を出していくコンサル 「対話から未来をつくる場」をつくる その理由: トヨタ自動車に勤務していた時に、大変なプロジェクトに携わっていた あまりにも人間関係が悪く、プロジェクトが解散 上司がその場で倒れて亡くなったりしたこともあった わかったことは「心を健康に保っていない限りは成果をあげられない」 巨大組織では自分が声をあげても何も聞いてくれない どうすれば聞いてくれる?→コンサルになって立場と知識を手に入れよう PwCに転職してコンサルタントになる 世の中の大企業には優秀な人たちがたくさんいるのに、人間関係がひどい その仕事をしているのはそもそも人だ、という事実が忘れられている 技術者が搾取されている 自分がエンジニアだったので、エンジニアが搾取されている構造がいやだ! エンジニア自身で自立して関係性を作ってほしい! ODの入り口はファシリテーション。 体験型学習がベース 自分の体験から自分が気付いて自分が考えて次にやることを考える (PDCAに似たサイクル) ○チェックイン(自己紹介) 紙を4つのゾーンに分けて ・名前 ・所属 ・仕事 ・なぜこの分科会を選んだのか について各々書いて、順番に発表 ■パート1 信頼関係つくりは自分を知り、開くことから自分を知る:自己概念と価値観 百野さんのお話 いかにして共同するか、人の良さを引き出すか。 技術者にもっと幸せになってほしい。 人を信用できないでいる自分も悲しい。 信用するには?→自分を知ること 社会では意見を言うことはよくあるが、感情を伝えることはあまりない ネガティブなこともっと言わない、負けだと思っている それを包み隠さないことで信頼関係は築ける 相手ではなくまず自分が話す 自分のことを話すためには自分のことを知ることから始めるべき 自己概念とは何か? 全員違う概念を持っている 自己概念は身近な人からどう扱われているか、で形成されていく 大切に扱われてきた人は肯定的 自分の中に持っていない価値は、人の中に見えない 人の嫌なところが見えるなら、それは自分の中にもある 自分に肯定的だと、人にも肯定的な部分を見出せる 肯定的な自己概念が信頼関係をつくる 人は自分の見たいものしか見ていない →「人は自分の見たいようにみる」 信念「こうあるべきだ!」世界観「こういうものだ』 →今までの経験で出来ていく 自分と同じように物事を捉える人は絶対にいない だからこそ自分のことを言わないとわからない。 自分の概念をわからない自分が悪い、と思うのはまちがい。 ■グループワーク1「いろいろな人が住むマンション」 ○10分間のワークの時間 それぞれに配られたヒントから住人と職業をつきとめるゲーム ルール: 10分間で住人と職業をつきとめなければならない 自分のカードに書いてあることを「話して」伝える ○ふりかえりシートに1人で記入する時間 終了後は振り返り 10分の間に何が起こっていただろうか? シートの内容: 1.今のグループ活動で、あなたはどの程度自分の意見や考えを、 他のメンバーに伝えることができましたか? (1~6段階評価、どのような点で?) 2.今のグループ活動で、あなたはどの程度 他のメンバーの意見や考えを聞く事ができましたか? (1~6段階評価、どのような点で?) 3.あなた、他のメンバー、グループに影響を与えたのは、 誰の、どのような言動(行動)で、 どのような影響がありましたか? (誰の/どのような言動(行動)/どんな影響を与えたか) ○グループで伝え合ってお互いに感じていたことを分かち合う時間 1.に対する班のメンバーの評価と理由 6:ちゃんと全部言えたから正解が出た 5:6がつけづらい 3:憶測で情報を流してしまった 5:マンションが6階建てだと早く言えばよかった 2.に対する班のメンバーの評価と理由 6:正解でたし・・あれ?自分に甘いかも 5:整理しながら聞けたから 3:否定せずに聞けたから 5:一人一人の意見を納得しながら聞けた ○百野さんのお話 ふりかえりシートには「意見や考え」と書いていましたが、気づきましたか? 情報を伝えることと、自分の中から出てくる意見や感情を伝えるのは違う! いかにして自分の中にあるものを出すか?が自己開示。 「なるほど」「ちゃんと言いたいこと言えてる!?」「こうなんじゃないかな」 「ごめん、ついていけないんだけど」・・・これが感情や意見 会社で、ついていけてない人に声をかけられていますか?むしろ気づいてる? ○グループで伝え合ってお互いに感じていたことを分かち合う時間の続き グループの全員からどう感じていたか教えてもらったあと、 自分自身がどう自分を評価していたかを話す 松永さん (みんなから)よく笑って場を盛り上げられた、答えを清書してくれた (自分自身)答えの清書ができてよかったと自分でも思っていた 山田 (みんなから)美容院の定休日が月曜とわかったのは、女性の意見だなぁ (自分自身)私もそう思っていた 八木さん (みんなから)取りまとめ。意思共有ができた、キレジャイで場が盛り上がった (自分自身)キレイなジャイアンで受けてよかった 塩見さん (みんなから)誰々の情報ください、と議論をまとめてくれた (自分自身)シートに自分自身のことを書けなかったが、情報を早く提供してよかった 黒木さん (みんなから)マンションが6階建てだという情報は助かった (自分自身)マンションの階数は早く言えばよかったが、言えてよかった ○まとめ 「見てるよ」「わかってるよ」と周りが伝えることで、自分を肯定できるようになる -ここで5分休憩- ■パート2 1人じゃ達成できないことも 手と手を合わせれば達成できるチームワークと協働 百野さんのお話 そもそもチームワークとは?チームとグループの違いは? チーム:3人以上のグループが共通の仕事をもって動き出し、 それぞれ役割があって目標を達成すること ワーク:労働(言われた通りにやる)ではなく、考えながら進めていくこと 「こうしたらもっと早いかも!」などと考えると、労働もワークになるかも 氷山の例 目にみえていること(コンテント)と見えていないこと(プロセス)がある プロセスにどれだけ働きかけられるか 目にみえないものを可視化すること 課題のプロセス ・グループの目標 ・時間管理 ・役割の明確化 関係のプロセス ・グループの雰囲気や暗黙の了解 ・信頼関係 ・なんとなく誰かから発言、だれかが盛り上げ役、など ・凝縮性(ワークが最後にいくにつれ、頭の物理的な距離が近づいていた) →心の距離と物理的な距離は連動しているので、まず物理的に近くするというのは有効 できるリーダーやマネジャーは 目にみえない、誰がなにを思っているのか、などに気づける人 ジョハリの窓: 未知の領域を小さくし、解放の領域を広げていくことで人間関係が高まる まず自己開示から。自分の隠している領域を縮めること。 すると相手は盲点の領域を広げることになる(フィードバック) ■グループワーク2「クルーザー」 ルール:「クルーザー」という物語を読んで、5人の登場人物の好き嫌いを決める ○自分1人で順位づけ→班で共有 5分でクルーザーを読んで順位付け →班のみんなに自分の順位付けとその理由を話す みんなバラバラ!それぞれの順位は以下。 (若い女性・フィアンセ・ヨットマン・老人・医者の順番) 松永さん:1,2,4,3,5 八木さん:2,4,5,3,1 塩見さん:1,2,5,3,4 マリオさん:1,5,4,3,2 黒木さん:2,4,5,3,1 山田:2,5,4,1,3 班の全員で意見を一致させる 最初の意見はバラバラだったが、全員納得して結論が出せた 簡単に決まりそうなところから行こう→老人から 唯一意見の違う山田から合意をとり、老人を3に 老人や医者が女性である可能性 「クルーザー」プロセスシートにふりかえり 問い:クルーザーのエクササイズを通して 1.あなた自身のものの考え方、態度、行動などについて気づいたことは? 2.グループの他のメンバーのものの考え方、態度、行動などについて気づいたことは? 3.グループの話し合いの過程で気づいたことは? 4.その他、どんなことんに気づいたか? →各自記入後、共有はできなかった。各班の結論の共有はできた 1班は全員納得、もう1班は1位と5位は納得できていた 百野さんのお話 結論に納得感はありますか?→納得している班もある 話せばできる!決まりそうな気がしないといいながら、決まりましたよね。 いろいろな話をしながら自分の視点が少しずつ変わってきたのでは? いかに人の話を聞いてお互いに話あうのが大事。 ********************************************************************** ■まとめ 最後はプロセスシートの分かち合いと、チェックアウトが間に合わなかった。 自分の意見や考えを伝えることで、全く価値観の違う人間同士が分かち合い、 協働できるのだということを、2つのワークを通して体感できるセッションだった。 以上