********************************************************************* SSEST5デモ ********************************************************************* ○概要 ・SSESTの内容や実行委員会についての詳しい説明 ・SSESTの競技会コースについての説明 ・使用した教材についての説明 ・質問やコメントに対する対応 ○発表内容 サマースクール成果報告 背景と目的  組込みシステム開発を体験する機会がなかなかない.  業界は能力のある若者がほしい.  若手は業界の要求や組込みシステム開発を知らない.  双方の要求を解決するために,組込み開発を体験する場を与える. SSEST  今年で5回目.  学生による実行委員会が中心.  学生や若手の社会人が参加.  事前実習と当日合宿の二部構成. 概要  テーマ:ゼロから始める組込み開発 みんなで組込マーになろう.  組込マーとは,組込みシステム開発に携わるエンジニア.  事前実習と当日合宿の二部構成.  1ヶ月の事前実習.   個人による教材作成や組込みシステム開発の基礎知識の習得.   e-learning(webやメーリングリスト). 当日合宿  2泊3日.  グループによる組込み開発.  競技会や成果報告会. SSEST5実行委員会の活動の流れ  10ヶ月くらい前から発足.  ET2008でキックオフミーティング.   コンセプトの議論.   どんな人にどんなことを学ばせたいかを詳細化.  コンセプトが決まったら教材検討,プロトタイプの作成.   参加者にとって魅力的なもの.   コンセプトに沿った教材.  3月に中間合宿.   活動の振返りと今後の方針の決定.  事前実習内容の検討.   課題の内容や難易度,分量   テキストの制作.  それと並行に会場や講師の準備.  コースやルールブックの製作.  配布冊子やチュートリアルの準備.  広報活動.   ホームページの公開や学会でビラ配り.   CQ出版のインターフェースに依頼. 実行委員会の活動手段  神戸から埼玉まで散らばって活動.  オフラインはほとんどない.   実際に会ったのは3回くらい.  メイン活動.   インターネットやメールでの情報共有.   wikiやメーリングリスト.    プロジェクトの情報展開,回路図やソースコードの保管,ガントチャートによる    進捗の把握.   チャットやスカイプによる情報交換.    3,4時間いくことも. 実習教材S-LTCについて.  コースに引かれたラインにそって走行する.  測距センサで障害物の検知も行う.  これを実習教材として採用. 教材を選んだ理由.  障害物回避は現実的に意識されているので,初学者でもかなりイメージしやすいと  考えた.  マルチタスクを意識.   ライントレースと障害物検知.  昨年までのライントレースカーの設計資産やノウハウを有効活用できる. S-LTCの概要  ライントレース.  グレーラインの検知.   グレーを検知したら減速など.  インターフェースの付録.  リアルタイムOSとして,TOPPERS/ASPカーネルを採用.  CYGWIN+GNUクロス開発環境. S-LTCの構成  前方にラインセンサが3つ.  手前に測距センサ.  ARMマイコン.  デバッグ用LED.  タイヤ.  単3電池. ライントレースと障害物検知  測距センサやラインセンサから値を取得.  そこからA/D変換やコンパレータを用いて,様々な動作をさせる. SSEST5の構成  事前実習の目的と内容   目的    ・組込みシステム開発に必要な基礎知識の習得     ソフトウェアとハードウェアのつながりを実感できるように考えた.    ・基本動作ができるS-LTCを各自で作ってもらう.     当日だけだと作成に時間がかかる.   参加者に分かりやすいよう,段階的なカリキュラムを用意    ・開発準備編     開発環境を作る.    ・モジュール編     モータ制御やライン制御方法.    ・リアルタイムOS編     リアルタイムOSを用いたプログラミング   e-learningによるサポート.    wikiやメーリングリスト. 当日合宿  目的   ・グループによる開発を体験.    コミュニケーション能力の向上やプロジェクト管理.   ・開発工程のプロセスを体験.  内容   コースを速く走破できるS-LTCを作成することを目標とする.   S-LTCの作成だけでなく,成果報告のドキュメントやプレゼン作成.  当日のスケジュールについて   ・チュートリアル   ・特別講義   ・実習    作業日誌などのドキュメントの作成も.   ・成果報告会   ・競技会 コース  障害物を検知する機会を随所に用意した.   マルチタスクで実装してもらうことを意識.  初心者でも取り組みやすくなるように意識.  ハードウェアを有効活用できるよう意識. 参加者のアンケートの結果  事前実習   技術的な基礎知識の習得という当初の目的が達成されたと思われるコメントが   多かった.   リアルタイムOSの必要性が分からないという意見が幾らかあった.    リアルタイムOSの有用性を示すことが今後の課題.  当日合宿   グループワークで多くのことを学んだというコメントが多かった.    特別講義での大喜利がコミュニケーションのきっかけになった.   グループ開発の大切さを学んでもらうというコンセプト通りの成果が得られたと   考えられる.   なぜなぜ分析による振返りをした班が多かったのがよかった. まとめ  組込み開発の流れを体験する.  実習教材としてS-LTCを採用した.  実行委員会は学生を中心としたメンバ.   10ヶ月間に渡る準備や打ち合わせ.  成果   初心者に対して基礎知識,グループワークの大切さを学んでほしいという目標を   達成できた.   リアルタイムOSについての指導が今後の課題. ○展示状況 SSEST5についてのプレゼンテーションを行っていた. SSEST5で使用したコースを展示しており,ライントレースカーを実際のコースで 走らせていた. ○質問・コメントなど Q:プログラムはC言語で書いているのか. A:C言語で書いており,ARM用のクロスコンパイラでコンパイルを行う. Q:現在走らせている機体は参加者のつくったもので一番のものか. A:現在走らせている機体は実行委員会がつくったもの. Q:苦労したところはどこか. A:グレー検知がうまくいかない.    ETCゲートに突っ込んだり,人を轢いてしまったり.  環境による変化が大きい. Q:コースは壊れないように作れているか. A:壊れることはなかった. Q:コースに依存した作りにしているのか A:目的がこのコースを最速で走破することであったため,コースに依存した作りに  なっている. Q:課題が出来ているかのチェックはどうしていたか. A:作業の進捗状況を確認できるようにチェックリストを作った.   問題があった場合は,メーリングリストで対処. Q:組込みについて全く初心者の人が多いか A:アンケートを完全に集計していないが,半数以上はいたと思う. Q:ドライバ開発と,コースに対する調整やアルゴリズムでどっちが苦労したか A:ドライバは事前実習で作っているので,どちらが苦労したかは比べられない. Q:ガントチャートの形式は何か. A:エクセルで力技(テンプレートやマクロなどは使っていない). コメント:  事前実習wikiの部品の写真がわかりにくかった.  いいガントチャートがあれば教えてほしい. その他:  コースについての説明を行っていた.  コース攻略に対するアルゴリズム(戦略)についての議論を行っていた.  ハードウェアの特性についての議論を行っていた.  コースの写真を撮っている人もいた.  CQ出版のセッションでコースを貸してほしいという要望があった. 以上.