********************************************************************** セッションS5-a 分科会 テーマ:Androidを語る! コーディネータ: 今村謙之(日本Androidの会,一般社団法人Open Embedded Software Foundation) パネラ: みずのみつお(サン電子、日本Androidの会組み込みWG), 大石亮介(富士通研究所,日本Androidの会), 大西秀一(ヴィッツ,日本Androidの会), 出村成和(サーバントネットワーク,日本Androidの会 金沢支部) 日時:8/28 15:30-16:50 参加人数:約30人 ********************************************************************** I: 今日のテーマは無茶ぶりをしていこうと思います。 パネラの自己紹介 ・大西さん 日本Androidの会、一般会員の大西です。 2009年にAndroidの会のお世話になりました。 SWESTに7年連続に参加してます。 仕事は自動車のリアルタイムOSに関する発表をしていますが、実際は家電のOSを 作成してます。 Androidは家電のUI(User Interface)に新風を呼び起こすかもと期待をしています。 情報家電ではユーザが操作するパネルが必ずついてきますが、統一感が全くないです。 Androidをプラットフォームとして採用すると、水平展開により開発効率が上がると 思っています。 情報家電での採用が増えるように思っています。 AndroidはベースにLinuxを採用しているので、過去の資産が使用することができます。 Androidを使用することで、簡単なUIを搭載した機器を作ることができると思いますが、 普及が重要だと思います。 ・大石さん SoCの設計手法・検証手法開発の仕事をしています。 HW/SWの協調検証の視点からAndroidに注目しています。 Androidについて調べていたら、日本Androidの会に発見されてしまいました。 Androidはオープンソースであるため、プラットフォーム全体が流用ができます。 既存のライブラリ、IDE、デバッガがそのまま使えます。 Linuxベースであるため、gccがそのまま流用できます。 エミュレータQEMUの流用ができるのではないかと考えています。 抽象度の高いモデルで、ハード開発ができるかもしれません。 Androidは今時のモバイル機器の基本機能を網羅しています。 SDKがオープンソースなので、自由に拡張できます。 自分たちが使いたいHWモデルを(頑張れば)接続できます。 HWモデルの評価が(頑張れば)できます。 決して楽ではなさそうですが、今までこのような環境はなかったので期待しています。 ・出村さん 日本Androidの会金沢支部長の代理で来ました。 もともと組込みをやっていました。 その後にFFなどをやってきて、Androidには直接業務で関わってないですが、 ボードをさわったり、アプリを作成しています。 現在興味があるのはJAVAアプリです。 コンパクト.NETやiPhoneアプリを作成してきましたが、Androidが一番さわりやすいです。 他のフレームワークは縮小版ですので、足りないことがあります。 JAVAアプリケーションの話ができればいいと思っています。 ・みずのさん Androidとの関わりはザウルスを載せたらおもしろそうと思い、ポーティングを してみたらできたことからです。 ルータにもポーティングをしてみました。 ルータにはディスプレイがないですが、USBサブモニタなどを使用することで 見ることができます。 Androidへはウェブにつながる組込み機器になることを期待しています。 AndroidはすでにMakefileなどが整っているので、手軽に作成することができます。 多言語にも対応しているのが素晴らしいです。 エミュレータで開発することができるため、実際にハードウェアに載せるために 新たなツールを学ぶ必要がなく、同じ環境で作成することができます。 自己紹介終了 I: 前回のセッションではAndroidを知っている人が少なかったので、Androidを知って もらうために大喜利形式で質問を出します。 質問:Androidをドラゴンボールのキャラクターにたとえると誰ですか? S: ポルンガです。3つの願い事を叶えてくれるます。仕事を作ってくれる、仕事を 作ってくれる、仕事を作ってくれる。 R: 亀仙人です。ぱっと見は弱そうですが、実は強いです。 O: 悟空ですね。初期の悟空と同じです。潜在的な力があり、周りの人は騒ぐが本人は それには気づいていない。 今後進むにつれて、どんどんすばらしい成果を出すと思っています。 M: ゴテンクスです。Linuxの組込みとJavaアプリ開発の2つの側面があると思います。 Androidには2つの物がくっついているイメージがあります。 I: それではまともな質問にします。 Androidでビジネスはどうでしょうか? M: ドラゴンボールに例えればの話で、うまいことまとめるのに驚いています。 ビジネスで考えると、下はLinuxで上はJava。 過去のたくさんの資産が利用でき、オープンソースなどが利点になると思います。 Androidのすごいとこは、課金システムがあることです。 iModeの素晴らしいシステムは課金システムです。 これはいろいろ真似されています。 また、iTuneの課金システムを利用して、iPhoneoの成功があると思っています。 携帯電話の課金システムはそのまま使えるわけではないです。 そのため、そこから広がることはないと思っています。 しかし、Androidは携帯以外にも組み込まれると思います。 そこでAndroidの課金の仕組みを利用することで、大儲けを考える人が出てくると 思います。 私が期待しているのは、Androidを利用したマーケットが開拓されることです。 Androidディベロッパー2もAndroidマーケットとつながっていますが、どうでしょうか? R: 日本の開発者は(現在は)課金できないですし、いつできるようになるかは分かりませんが、 Androidの導入と課金システムを同時に整える体力があれば、どの会社でも利用する ことができます。 Androidディベロッパーチャレンジに参加した方は、UIを踏まえて世界観を作り込む 必要があると思いますが、どうでしょうか? A: UIですと、操作感がメインになります。 端末を物としての使い勝手の世界観を構築しないと、お客さんに使ってもらえないです。 端末やアプリを使ってもらうためには、作る前が重要です。 デザイン屋の仕事は、UIの動きまでなのか、絵だけなのかとよく言われます。 デザイナーが使う言葉とソフト屋が使う言葉が違うので、会話の共通言語がないという 大変な現状があります。 ハードとソフトでも共通言語がなくて困っているように、デザイナーとソフト屋の間で 同じ問題が起きています。 そこで、大きな世界観をつくることで、補うことができると思っています。 現場の視点からUIについて語ってください。 S: ユーザのことを考えずに画面設計、機能設計をしていることが多々あり、絶対に売れ ないと思うことも多々あります。 Androidでは使い勝手の良さを期待しています。 使いやすさも製品の価値を上げる物だと思います。 動画再生プレーヤでもどのように操作するかが話題になります。 操作パネルをどのように出すかというのが、製品の価値を上げていくと思います。 現状、複雑な動きをさせようと思う大変ですが、Androidでは比較的簡単に実現できる ため、壁を突き抜けて実現できるUIに期待しています。 電子レンジにAndroidを載せるとおもしろいと思っています。 レシピをダウンロードして課金をし、レシピ側に還元するなどでより良くなっていくと 思います。 マンマシンサイドでAndroidをうまく使うなどはどうでしょうか? M: Androidはエミュレータが素晴らしくできているので、エミュレータで試行錯誤し、 UIを作り込むことができるのがいいと思います。 ハードができる前にできるのが良いです。 S: ハードウェアのエミュレータで仮想環境を作り、実物以外で動作確認ができるのは 強みだと思います。 O: UIに関していえば、エミュレータでの作り込みは危険だと思います。 エミュレータではマウスとキーボードですが、実物ではタッチパネルなどであり、 状況が異なっています。 マウスでクリックして動いたとしても、実機ではタッチパネルの押す範囲が異なって、 使用できないという実例があります。 アプリケーションをエミュレータで評価する価値はあります。 エミュレータで動かしてみるなどの荒いレベルでの動作確認には良いと思います。 家電機器に実際にAndroidを載せて見ることを考えると、SDKのソースをいじったりする ことでカスタマイズができることが良いと思います。 AndroidのフレームワークとSDKのフレームワークの両方がオープンソースである点がいいです。 A: UIというのはデバイスなどを踏まえています。 現在のAndroidは携帯向けとなっていますが、携帯以外に利用することもできます。 携帯電話と違い数百台のものでもAndroidを利用することで作成することができます。 少量生産の拡大というのと、Androidの可能性は両方広がっていくのではないかと 思っています。 そんな中で生き残るのは、いろいろなところに組み込む技術だと思っています。 I: このような感じでAndroidは下から上まで網羅しています。 Androidは携帯だけではないということから話を進めて行きます。 シャープさんのネットウォーカーあたりから話をお願いします。 M: ネットウォーカーはまだ発売されいないので違う話をします。 iPod Touchみたいなデバイスを発売している会社があります。 デバイスを会社に売り、会社がアプリを実装することができるおもしろいビジネス モデルです。 それにもAndroidが載っているので、そのうちAndroidが乗ったiPodが出てくるわけです。 CPUメーカがそこまでやったり、個人でもiPodみたいな物を作ることができてしまいます。 社内用の完全カスタマイズされた情報端末の実現も可能です。 ハードウェアから作り込むと大変だった物が、Androidが載ったデバイスを買って、 自作のアプリを搭載したものを売ることが可能となります。 A: 今の話はGでしたが、逆にGのようなデバイスを作ることもできます。 Androidはオープンソースです。そのため、ハードウェアに関する要求使用はありません。 ウィンドウズモバイルは仕様がガチガチに固まっていて、カスタマイズできません。 Androidは自由なので何でもできるのですが、いろいろなものができあがり、製品が バラバラになってしまうかもしれません。 標準ができあがっていないのが、問題だと思います。 Android端末の定義って何でしょうか? F: グーグルが認めたものでしょうかね。 G1にはフルキーボードがあるのですが、UIが統一されていないです。 S: Androidを移植したボードの展示をしていました。展示に持っていくと、意外と受けが いいです。 (展示会では)かっこよく動くといわれますが、何を作ろうかとも言われます。 タッチパネルでサクサク動く画面を見せても、要求や要件がないため、アプリを作る のが難しい現状です。 Androidは一度搭載されてしまうと爆発的に普及すると思います。起爆剤になるような ものがあると、普及すると思います。 D: 携帯のデファクトスタンダードという意味で、要求仕様が固まっていないため、 Androidがデファクトスタンダードになるとは思いません。 しかし、他のデバイスでそのような取り組みをすることはいいと思います。 R: アプリ開発者としては、Android標準のものは2つあります。 1つはHTMLの感覚で作れるものと、もう一つはiPhoneにはないフラッシュです。 iPhoneにはいつになったらフラッシュが来るのだと言う話があります。 iPhoneでフラッシュ開発できない人が、Androidに流れてくるとおもしろい物が できると思っています。 M: Androidマーケットには「近藤あきおの憂鬱」という分けのわからないアプリがあります。 これは、ツイッター上でぽろっと言った一言から作成されたアプリです。 ツイッターも注目されています。 O: Androidでは自由だからできることがあります。 ドコモの(Android携帯の)GMailアプリはとても使いにくいです。 電話帳を呼び出すことができないのです。 電話帳の補完はあるのに、メニューから直接選ぶことができないのが現状です。 ツイッター上で不満を言っていたら、GMailとは直接関係ないアプリからGMailの電話帳 を呼び出すことができるアプリができてしまいました。 海外の人も、日本語入力のためではなく、電話帳参照のために利用するなど、新しい イノベーションがあると思います。 現在の携帯では、携帯の基本機能を修正することができませんが、Androidでは可能 になり、それは開発者から見てもとてもおもしろいことです。 これはAndroidならではの新しいイノベーションです。 I: Androidは個人の意見によって、アプリケーションが作成されていく新しいものだと 思います。 残り10分なので、一言ずついただきましょう。 M: いつでも日本Androidの会のメンバーは募集しています。 D: Androidを使い、全く新しい世界が生まれて来るところがAndroidの本当におもしろい とこだと思います。 オープンソースというよりも、そういう点に注目したいと思います。 F: 私はAndroidの課金に注目しています。スマートグリッド計画があり、情報システム が重要になります。 ここに課金のシステムが重要になってくると思っています。 そこでAndroidを活用できるのではないかと思います。 A: UIを引っ張りすぎて申し訳なかったです。 無い機能を皆で作りあげていくことが、動くアプリケーションで実現されてきたと 思います。 Androidは上位からリナックスまではオープンになっていますが、リナックス以下は 残念ながらオープンではないです。 デバイスのところをマッシュアップすることで、おもしろいことができると思います。 試すためにデバイスを追加するだけで、リッチなアプリが開発ができてしまうのが Androidの良いところです。 R: マッシュアップではAndroidが向いています。Intentとよばれる機能があります。 iPhoneではできないことです。 Androidのアプリがふきゅうすることで、IPhone以上に自分にカスタマイズされた アプリができると思い明日。 S: リアルタイムOSをやっていまして、移植などをしていました。 Androidを移植してみて分かったことですが、リナックスさえ動けばどのような環境 でも動くことが分かりました。 Androidの優位性を示すのであれば移植性です。 私はAndroidにわくわくしています。 ■まとめ パネラからの一言ずつで終了 以上。