******************************************************** セッションs2-b 分科会 テーマ:実践!QFD+FMEA コーディネータ:高野 裕之 日時: 9/4 20:40-22:30 参加人数: 10人 ********************************************************* ---------------------------------------------------------- 参加者は2つのグループに分かれて着席 ---------------------------------------------------------- T氏: 今日は手を動かすことがメインです。 手を動かしレビューすることでいろいろなことに気づきましょう。 QFDはQuality Function Deployment の略です。 要求の重要度をアクションアイテムにちゃんと反映させるための手法です。 レビュー可能な方法で何度もレビューを繰り返すことで精度を上げていきます。 製品に対する要求を部品に展開して各部品に対する要求をさらに展開していく手法 QFDは定量的手法を間に入れることでなんだかわからない要求を評価する。 参加者: 要求を定量的に置き換えた後展開とはどういうことか? T氏: 要求をアクションアイテムそのものに対応づけるのはつらいので 品質特性という形に定量化し展開して対応図けるということです。 要求として「リフレッシュしたい」とか「やせたい」とかある時こういう要求を 深夜食事はだめなどのアクションアイテムにダイレクトに結び付けるのではなく 品質特性をはさんでマッピングする方法です。 スライドの例ではライフワークバランスと筋組織の代謝は強く関係しないので 1をマッピングする。体力をつけたいという要求は強く関係するので高い値をつける。 そこからアクションアイテムに結び付けます。 ---------- 注意点 ---------- T氏: 筋組織の代謝を増やすと膝が痛むというネガティブな現象がおきる、 膝の痛みを直したいという要求にたいしてネガティブな影響を与える要求があるが これはQFDでは対応できない。 要求が網羅的にあるかとか要求事態の正当性はQFDでは扱えない。 そういうものはQFDの外で扱う。 要求が間違っているとおしまいなので要求をきちんと定義する必要がある 逆に言うと比較的な手法なのでアクションアイテムなどは自分で考えるほうがよい。 スライドのマッピングだと歩くのが一番よいという結果が得られる。 ------------------------------------------------------- QFD実践上の注意点 ------------------------------------------------------- ・表現は具体的に体言止はだめ。 ・二つ以上の意味を含ませない。 ・否定的な表現はだめ。 ・点数の付いた点が一直線になっているのはだめ。 点数とパターンが完全に同じになるような要素は同類で有ると見る。 同類が複数含まれていると性能のコスト的な要求が偏ってしまうので 同類は含めるべきではない。 ----------------------------------------------------------------------------- FMEAの解説 ----------------------------------------------------------------------------- T氏: FMEAとは機能や性能が故障したときの要求を表にまとめる手法である。 故障モードはわかりにくいが機能や性能を落とす要因を指す。 FMEAで一番問題なのは点数 ものが壊れたときにその原因は何か? 点数付けのつけ方を10段階の粒度に分けるが、そのときに本当にそれでよいのか のレビューが重要になる。 何度も何度もやって勘所がわかってくると重要なツールになってくる。 ------------------------------------------------------------ 例題の説明 ------------------------------------------------------------ 例題は機能安全 人命を損なうことがありうる物に対する安全について扱う。 電車と道路が交差するときどうするか?もっとも安全なのは立体交差である。 これを本質安全という。この手法は安全だが費用がかかる。 踏み切りをつけるという対策は機能安全 ただしシステムエラーなどの時に 安全を保障できるようにコストを掛けなければいけない。 そのコストを比較することで踏み切りと立体交差の比較を行う。 ------------------------------------------------------------- 開発時のバグを決定論的原因故障という。 偶発的な事故などをランダム故障という。 信頼性と安全の違いは信頼性が低くても安全な場合がある。 車が故障した時、止まる場合と暴走する場合がある。 止まる場合は安全だが暴走すると危険である。 マイコンで監視するなどして検出することで安全状態に移行することが できるものを検出可能な危険という。 それをどういう方法で検出するかはハードでやる場合もソフトでやる場合もある。 チャックサムやパリティをつけてチェックする。 同じ機能を2個つかって比べるなど様々である。 ハードエラー 劣化した場合や偶発的な故障が起きた時にどうするかを考える。 劣化の場合 マイコンなど電流が流れると劣化し故障する。 製品寿命が短い携帯などの場合は問題ないが車のように 10年以上使うようなものの場合どうやって保証するかなど考える必要がある。 ソフトエラー 宇宙線のエネルギーがFFを書き換えてバグを起こす。 機能に問題はないが宇宙線により書きかえれてしまう。 これは宇宙線による書き換えを検知して正しい値を書き込むことによって 修正することができる。 ----------------------------- ターゲット ----------------------------- ターゲットはSWESTに来ている人にならわかる範囲とする。 マイコンの内部を取り扱う。 CPUだと命令が化けてしまうなどそういう時にどうするかを取り扱う。 安全な故障については今回取り扱わず危険な場合について考える。 危険を考えた上でどうやって保障するか? ある機能が壊れそうだというときにある機能を監視する手法を考える。 監視する手法を考えて検出することができれば対策が取れる。 今後の実習ではまずFMEAをしてその後QFDを扱う。 コストや性能を考える必要はあるがそれらはFMEAでは考えず、 それらをQFDに持っていくときに評価する。QFDではニーズ側の評価を行う。 ------------------------------------- グループ分けを行う ------------------------------------- プリントを配布してFMEAを行う。 各自で表を埋めていく。 10分程度行う。 ------------------------------------- T氏: FMEAの3行程度を埋めてからグループで話し合ってください。 質問なども随時してください。 参加者: FMEAの表を埋めるのは個人でやるのか、グループでやるのか? T氏: 個人で埋めめてそれをグループで考えてください。 参加者: ソフトエラーとはなにか? T氏: 偶発的な事象だと思ってください。 ソフトもハードも問題なく劣化もないが故障するような場合です。 空からの宇宙線によって起こる場合などが該当します。 現象的にはバグのようなものだが対策が変わってきます。 宇宙船の例では故障したわけではないので、化けたデータをユーザが書き換える 必要があります。 ------------------------------------------ 表を埋めた結果をグループレビューする ------------------------------------------ S2-bはここまで ---------------------------------------------------------------------------- S2-bのまとめ QFD QFDは要求を定量的に評価できる形に展開してアクションアイテムに結びつける。 繰り返しレビューすることによって要求をきちんとアクションアイテムに 結びつけることが出来る。 FMEA FMEAは故障時の要求を表にまとめる手法。 故障時の要求を定量的に評価して評価が与える影響、原因、危険の程度などを分析する。 FMEAで重要なのは点数である。点数が妥当であるかをレビューで検討する必要がある。