********************************************************************** セッションS3-c 分科会2 テーマ:組み込みシステム開発をプロジェクトベースで教育する:Hamana-4の取り組み コーディネータ:大西秀一(ヴィッツ) Surveyor/Hamana Project 実行委員会 ********************************************************************** ・SWEST9での活動 29日 ポスターセッション発表(参加チーム) 談話室(最終作業) 30日 デモ打ち上げ(雨天中止) 午前分科会(本セッション) 午後分科会(分解 The Hamana-4) ・分科会シナリオ Hamana-4を知ってもらう 過程を見てもらう 最終打ち上げの様子 各チーム発表 正式参加2チーム 公募参加1チーム ディスカッション1 教育効果 ディスカッション2 目標達成 最初の計画書→最後の結果 の比較 目標達成できたか ・Surveyor/Hamana-4 Project 組み込みシステム開発技術者を育成する、プロジェクト参加型教育 2004年から続くプロジェクト (SWEST6: Hamana-1) 組み込みシステム開発技術力の向上を目指す 教材を提供 学習完了目標 モデルロケットの飛行データを記録するシステムの開発 ・具体的には 観測機器(ペイロード)を搭載したモデルロケットを打ち上げ、 観測データを取得、解析、発表する ・モデルロケットとは? 紙、プラスチック、木のみから作られる、固体火薬を利用したロケットの模型 エンジンを下部から搭載し発射する 逆噴射剤に点火すると先端にパラシュートが出現し、ゆっくり落下する 再利用可能な構成 ・Hamana-4の経過 4/2 活動開始 6/2 第1回hamana実行委員会主催 試射会 6/17 ETロボコン2007東海大会 7/22 第2回試射会 8/11 第3回試射会 8/29,30 最終打ち上げ 8/31 デモ打ち上げ、分科会発表 ・Hamana-4参加チーム 分速5キロメートル ヴィッツ新入社員チーム S.W.A.T. ウィッツ中堅社員チーム T・D(オープン参加) 熟練者チーム ・8/30最終打ち上げ 中田島砂丘にて 9時開始 10時終了 TD 成功 データ取得ならず 5キロ 成功 SWAT 1回キャンセル後再度打ち上げ ・打ち上げのデモ映像 7/11 第2回試射会の様子 準備に時間がかかる 1回の打ち上げに15分ほどかかる 天候、微調整 上空に飛行物体がないか確認 ロケットの打ち上げは必ず屋外 普段の仕事環境とまったく異なる 夏の打ち上げは厳しい・・・ SWAT 上昇後、滑空しながら落下する機構だが、滑空機構が働かず、垂直落下 5キロ 先端部分に計測機器を入れる セロハンテープで固定 発射→パラシュート降下→街灯にひっかかる 8/25 朝 愛知県矢作川の試射映像 ロケットは軽量化すれば300,400mまで上昇するが、航空法により250mまでしか 打ち上げてはいけない そのため、ロケットの最低重量を決めている 100g 最高地点を150mほどまでにおさえる 5キロ Cエンジン搭載 100mほど上昇 SWAT 上昇→川に落ちた→バラバラ このようなハプニングは稀に起こる ・各チーム発表 5キロ SWAT TD --------------------------------------------------------------------- 分速5キロメートル 代表 久保綾子 山本光紗 ・開発背景 新入社員研修としてHamanaプロジェクトに参加 hamana-2,3では3軸加速度データの取得と解析、PC上での軌跡の2D表示まで成功 ・目標 ロケット飛行中の加速度、角速度データの取得 飛行経路の解析、3D表示 ・開発体制 新入社員4人 TOPPERS/JSP Visual C++ 6.0 DirectX9 ・システム構成 -ハード マイコンH8/3069F -ソフト TOPPERS/JSPカーネル ・ペイロード基板構成 ロケットの先端に載せる 基板を丸い形に加工、層を重ねて構成 呼称「ミルフィーユ基板」 1枚目 EEPROM、電源コネクタ 電源 9V電池 2枚目 表 加速度センサ 3枚目 マイコン、発振子 4枚目 DIPスイッチ 5枚目 各速度センサを立てて設置 前年からの変更点 EEPROMの容量が半分になったので、2枚搭載 ・動作モード ディップスイッチの切り替えで4つのモードを切り替え 計測モード 転送モード フラッシュモード 動作確認モード 昨年までの反省点 スイッチ切り替えミス モード状態を保持することで、モード切替ミスを防ぐ ・計測データ デモ映像の計測データはとれていない 発射直後リセットがかかってしまった リセット要因 基板の不安定さ 対衝撃機構の不備 ソフトウェアバグ など ・解析アプリケーション 軌跡を動画形式で表示 機能 再生、早送り、巻き戻しなど 選択した時点の座標、速度などデータを表示 描画は完全にはできていない ・結果 角速度の計測 計測することができなかった -マイコンの特性をよく見ないでデバイスを選んでしまった 軌跡3D表示 完成できなかった 加速度計測 瞬断が入ってしまい、計測できなかった ・宣言 Hamana-4.5をやる。 目標 -加速度データの取得 瞬断の原因解明 -角速度データの取得 A/D変換のデバイスドライバ完成 -3D表示の完成 --------------------------------------------------------------------- SWAT 代表 鵜飼敬幸 ・背景 中堅社員をターゲットとした技術向上が社員教育の課題 リーダー育成手段の模索 チームビジョン hamana-Xプロジェクトに向けた技術開発 飛行機、航空機を制御 ・プロセス 初期活動 コンセプト決定 制御方針検討 スケジュール暫定 ・機体設計 前進翼 オブリーク翼 など ・開発体制 メンバー8人 チーム運行 機体開発 解析ソフト開発 自立制御開発 ドライバ開発 ペイロード開発 各作業に二人以上を割り当て、良い方を採用 競わせる コンペティション ・機体 10機以上の試作 ・ハードウェア ほぼ引き継ぎ 前回からの変更点 GPS ・ソフトウェア 加速度センサ/GPSによる姿勢制御 ・安全分析 今年度から 危険度 1〜100 軽症〜死亡 頻度 1〜3 の掛け算 -ランチロッドに付着物 打ち上げ担当が危険 -重量過多 非常に危険 ・結果 データ取得実績 GPSはロケット非搭載時のみ取得 加速度は試射1回、本線で取得 ・反省 プロジェクト管理 定期ミーティングでの状況把握を不足 連携が疎になりがち 高いコミュニケーションスキルが必要 各メンバーのモチベーションベクトルが分散 各担当の範囲のみ着眼し始める 次工程などの配慮に欠けている 機体設計 航空工学の知識不足 機体選定に時間とりすぎ ・感想 電源との戦い GPSなど消費電力の高いデバイスを小型電池で制御する難しさ 重量との戦い エンジンの制限が厳しい ・提案 D型以上のエンジンの使用 ロケット以外の探索ジャンル ローバー パラグライダー --------------------------------------------------------------------- T・D (TOPPERS代表) 代表 松本 TOPPERSプロジェクト運営委員 メンバーは実名公表できない 計画書7月中旬に提出→短時間のプロジェクト ・目標 安全なロケットの打ち上げと回収 打ち上げ手順の確立 将来に向けてのデータ収集 教育ではない 熟練者ゆえ ・開発アイテム 安全検証マニュアル 打ち上げ手順マニュアル 計測モジュール ・構成 ハード モデルロケットキット ソフト TOPPERS/JSPカーネル ・ハード詳細 ZigBeeモジュールで無線通信 ・ソフト詳細 作成ソース 240行 全ソースに対し1%以下 非常に短時間 ・打ち上げ結果 問題なく動作 が、人為的ミスによりパラシュート落下後しかデータ収集できず ・反省 人為的ミスに対する対策がなかった ペイロードの物理的保護が不足 ドキュメントができていない→時間が足りない 予備機材がなかった ・今後 ドキュメント作成 データ収集の完了 来年もHamanaに参加予定 --------------------------------------------------------------------- 一言講評 新人 がんばる 中堅 マニアック 熟練 楽する --------------------------------------------------------------------- ディスカッション1 ・教育効果 ETSSの評価 初期→中間→終了 5キロ 初期→中間 約2倍 初期に比べ2倍以上の技術を身につけた SWAT 微増 ・質疑応答 O氏 Q. 通常業務との相乗効果は? A. 新入社員は、入社時からhamanaだけやっているので、相乗効果はないと考える。 F氏 Q. 来年は、Hamanaに参加しない新入社員にも評価を行い、比較したらどうか? A. やってみましょう。 ・開発技術の向上 ロケットに関する技術のみなので、頭打ちになる 新入社員と中堅社員の差をどう埋めるか? K氏 Q. 個々の評価のばらつきは考慮したか? A. 新入社員の評価は、一様に上昇している (上昇のしかたにはばらつきが・・・) H氏 Q. 技術のカテゴリ分析は? A. 今後の学会で発表する S氏 失敗によるモチベーション向上を狙ったのか?すばらしい。 O氏 Q. SSESTのチーム開発から反省 得意分野だけでなく、苦手分野もやってもらいたい どうすれば? A. 実行委員会から推奨するのは難しい チームの中で自発的にやってもらいたい 新人の得意分野はわからない状態ではじめている SWATは基本は得意分野で配置 最初に配置を変えたい人を聞いた 1,2人は変更 TDは人員不足 人がいなくても工夫次第でできる 楽をどうやってするかの見本 できる範囲だけやっていても伸びない チャレンジ精神をもってもらいたい 自分がすべて経験できるわけではないが、チームに経験を伝えることで、 チーム全体が擬似的にでも体験を共有できる 実行委員会は・・・トラブルになったとき、得意な人を紹介、斡旋するのがいいかも -------------------------------------------------------------------------------- ・実行委員会より Hamana-5 着地点を規定 着地制御を目標 参加者、実行委員を募集 Hamana-4の残り活動 教育効果を発表