********************************************************************** ポスター・デモ発表 ********************************************************************** ====================================================================== 「社会人向け組み込み教育 NEXCESS(ネクセス)の取り組み」 山本雅基 (名古屋大学組み込みソフトウェア技術者人材育成プログラム) ====================================================================== ○概要 NEXCESSとは、組み込みソフトウェア技術者人材育成プログラムであり、 文科省の科学技術振興調整費の採択テーマである。 全14コースに分かれており、幅広い技術レベル、キャリアに対応している。 累計修了者数は740人を超え、平成18年に文科省の中間評価でAを獲得し、 今後の活動が期待されている。 オープンソースだけでなく、オープンドキュメントを目指している。 ○展示状況 NEXCESSの取り組みの概要をポスターで発表した。 教材で使用される、RTOS搭載の倒立走行車のデモを行っていた。 Wiiリモコンで操作することができ、非操作時は自律的にバランスを保っている。 また、NEXCESS受講者の募集を行っていた。 ====================================================================== 「第三回組み込みシステム技術に関するサマースクール (SSEST3)」 SSEST3実行委員会 ====================================================================== ○概要 SSESTとは、学生主体で組み込み開発のプロセスを学ぶ活動で、今年で3回目となる。 普段の講義・研究では行えない、チーム開発やソフト・ハード協調開発を体験する。 事前学習と合宿からなり、合宿では組み込み初学者向け講義、チーム開発、成果報告、 競技会などを行った。 実習教材に流鏑馬ライントレースカーを用い、実機の製作でハード面、実機に 搭載するRTOSでソフト面の実習を行った。 ○展示状況 ポスターでは、SSEST3実行委員による活動報告があった。 流鏑馬ライントレースカーのデモを行っていた。 デモ用コースでライントレース走行、流鏑馬を披露した。 ====================================================================== 「グライダーによる自由落下制御システムの試作と実験」 鵜飼敬幸、長江宣宗、片岡歩、熊田雄也、後藤孝一、杉本歩、渡邉友裕、 星川孝治 (ヴィッツ) ====================================================================== ○概要 本プロジェクトは、モデルロケットを用いた飛行記録の取得ができるシステムの 開発を目的としたサイベーヤ計画の一環である。 モデルロケットを利用した組み込みシステムの開発を通じて技術向上を図る。 今回使用するモデルロケットは、最高高度到達後にグライダー形状に可変して 自由落下の制御を行う。 開発工程では、複数人を割り当て個別に作業を行い、良い方を採用していった。 今年度から安全分析を取り入れ、より安全な打ち上げに努めた。 ○展示状況 概要と活動報告をポスターで発表していた。 モデルロケットの展示もあった。 ====================================================================== 「企業における組み込みソフト開発の課題」 中川雄一郎、小川秀人 (日立製作所) ====================================================================== ○概要 企業内研究者の視点から見た、組み込みソフト開発の課題を提言する。 ソフトウェア工学により開発プロセス、手法などで改善が見られるが、現場では より根本的な要求仕様の設定が非常に困難である。 組み込みソフトの多種多様性ゆえに、個々の問題への展開、適用が難しい。 組み込み研究者は、組み込み開発の実態にもっと目を向けてほしい。 ○展示状況 組み込み開発の現場の課題をポスター、口頭で発表していた。 聴講者との議論が白熱する場面も多く見られた。 ====================================================================== 「ペイロード搭載モデルロケットによる飛行経路の計測と表示」 久保綾子、窪田淳、古賀喜浩、月森悠太、山本光紗 (ヴィッツ) ====================================================================== ○概要 株式会社ヴィッツでは新入社員研修プロジェクトとして、サイベーヤプロジェクト に参加している。 今回は、前回まで実装した加速度データの解析を引き続き行い、さらに角速度 データも取得し、経路の3D表示解析を目標とする。 モデルロケット先端に設置するペイロード基盤にRTOSを搭載し、加速度、角速度 データを取得する。 データ取得後、PCに転送して専用アプリケーションにて解析を行う。 ○展示状況 概要と活動報告をポスターで発表していた。 モデルロケットの展示もあった。 ====================================================================== 「MICSを用いたシステムアーキテクチャ設計手法の提案と評価」 森下正行、三好健文、杉野暢彦 (東京工業大学) ====================================================================== ○概要 組み込み開発において、ハードとソフトの協調開発は重要であるが、 従来のシミュレーション環境はコストが大きく、さまざまなモデルの試行が難しい。 MICSとは、開発の初期段階から協調開発を可能とし、実アプリに近いシミュレーション をするためのプラットホームである。 デバイスの抽象化による規定の定義に基づくシミュレータ要素の実装、各要素の サイクル数の算出を行う。 他のシミュレーションツールとの連携も可能である。 ○展示状況 MICSの概要をポスターで発表していた。 動的再構成可能プロセッサと汎用RISCプロセッサの協調動作アーキテクチャの デモを行っていた。 XMLで回路を記述し、カラービットマップ画像をグレースケール化する。 ====================================================================== 「組み込みソフトウェア開発へのモデル検査導入と支援ソフトウェア」 篠崎孝一 (関西電力 電力技術研究所) ====================================================================== ○概要 モデル検査とは、ソフトウェアの仕様を与えて擬似モデルを生成し、自動全数 探索のテストを行う手法である。 本研究では、モデル検査の導入を支援するソフトウェアを開発した。 ユーザはフロー図、条件文による入出力、支援ソフトウェアは検査用言語への 変換を行う。 ソフトウェアはWebで無償ダウンロードできる。 ○展示状況 モデル検査、支援ソフトウェアの概要をポスターで発表していた。 支援ソフトウェアを使って、入力からテスト、出力までの一連の流れをデモしていた。 支援ソフトウェアの案内、CD-ROMによる配布も行っていた。 ====================================================================== 「組み込みシステムにおける外部環境分析と形式手法の適用」 金川太俊 ====================================================================== ○概要 組み込みシステム開発の特徴として、システム外環境からの影響による不具合の ケースが多い。 本研究では外部環境の分析手法を提案し、システムの信頼性向上を図る。 外部環境分析をガイドライン化して、外部環境クラス図を生成後、モデルを 形式手法により検証する。 形式手法には、機能的側面からの検証に長けるVDMを用いる。 ○展示状況 導入として、電気ポットの外部環境による不具合の例を説明した後、概要を ポスターで発表していた。 さらにライントレーサのデモを行い、これも外部環境分析の例として提示していた。 ====================================================================== 「ライントレースカーの動作を確認するためのシミュレータの試作」 池田健太郎、片山徹郎 (宮崎大学大学院) ====================================================================== ○概要 組み込みシステム開発の生産性向上を図るため、動作確認、コード確認のための シミュレータを試作した。 今回は、SSEST2で製作したライントレーサを題材とした。 シミュレータ上でライントレーサが動作し、機体の内部状態の確認や、速度の 反映ができる。 今後はライントレーサの動作をより現実に近づけると共に、実際の組み込み開発 へ適用していく。 ====================================================================== 「九州組み込みソフトウェアコンソーシアム(QUEST)活動報告」 芦原秀一 (QUEST/ネットワーク応用技術研究所) ====================================================================== ○概要 QUESTとは、九州地域の組み込み技術者コミュニティ活性化、組み込み分野の 発展を目標とする、産学協同の活動団体である。 既存資源が豊富な九州の地域特性を生かし、国内に限らず、アジア地域との連携も図る。 これまでの活動は、組み込みソフトウェア研究会の開催、九州国際テクノフェア参加、 などがある。 ====================================================================== 「組み込み向け軽量仮想マシンモニタの設計と開発」 神田渉、湯村悠、杵渕雄樹、中島達夫(早稲田大学) ====================================================================== ○概要 従来の仮想マシンモニタの設計は汎用システム向けであり、高いリアルタイム 応答性が求められる組み込みシステムでの使用には適していない。 また、仮想マシンモニタ上で動作させるゲストOSの修正に必要となるコストや、 ゲストOSのデバイスドライバの実装量も問題となる。 本研究ではこれらの問題の解決を目指し、組み込み向け軽量仮想マシンモニタの 設計開発を行っている。 ○展示状況 ゲストOSの特権状態での動作の許可や、割り込みの単純化、一部のデバイスを 静的に決定するなど、問題解決のアプローチや実装を詳しく解説していた。 ====================================================================== 「モデル検査によるソフトウェアの実践研究」 篠崎孝一(関西電力 電力技術研究所) ====================================================================== ○概要 当研究会はモデル検査によるソフトウェアの実践に向けた研究を行っている。 適用事例、ノウハウの開発を通して、モデル検査の実務への導入を目指している。 モデル検査とは対象システムを有限状態遷移系にモデル化し、そのモデルが 時相論理式で表された性質を満足するかどうかを、モデルの取り得る全状態空間の 探索により網羅的に(全数検査)をする手法である。 ○展示状況 モデル検査の解説や、開発したモデル検査支援ソフトウェアのデモを行っていた。 デモはフローチャートを作成し、それをモデル検査用言語に変換するというもので あったが、GUIを用いており、非常に使いやすいものであるという印象を受けた。 ====================================================================== 「ものづくり教育システム」 石川知之(株式会社ソフィアシステムズ) ====================================================================== ○概要 SIP/VoIP携帯端末プラットフォームでの組み込みLinux開発システムの紹介と 組み込みソフトウェアによる二足歩行ロボット教材の紹介。 ○展示状況 携帯端末と二足歩行ロボット教材が展示されており、二足歩行ロボットは実際に 動作しているところを見ることができた。SIP/VoIP携帯端末プラットフォームにより、 携帯端末用アプリケーションソフトの開発を容易に行うことができるということを 解説していた。 ====================================================================== 「組み込みソフトウェア実践研修〜自律型ロボット制御システム開発を実体験」 株式会社アフレル ====================================================================== ○概要 自律型ロボットを使った物流システム開発を課題として、分析から設計、実装、 テストといった開発工程全体を実践体験する研修コースの紹介。 ○展示状況 研修に用いるロボットが展示されており、動作を見ることができた。 作成したプログラムの結果がロボットの動きとして直接表現されるため、 研修成果を体験することができ、”ものづくり”の達成感と感動が得られるものと 思われる。 ====================================================================== 「次世代自動車制御用プラットフォームを応用した模擬車両システムの紹介」 株式会社ヴィッツ ====================================================================== ○概要 TOPPERS/OSEKカーネルやCAN通信ミドルウェア、LIN通信ミドルウェアなど、 次世代自動車制御用プラットフォームの標準ソフトウェアを目指している。 紹介されていた模擬車両システムの構成は以下のとおり 車両(スープララジコン) 操作リモコン(GBA) TOPPERS/OSEKカーネル TOPPERS/OSEKカーネル CAN通信ミドルウェア LIN通信ミドルウェア LIN通信ミドルウェア 操作アプリケーション モータ・ステアリングアプリケーション {速度・方位・ボディ系情報表示} ボディ系アプリケーション ○展示状況 ラジコンカーが展示されており、自由にコントローラで操作することが可能であった。 実際に動かしている人もいるようだった。 ====================================================================== 「CoMET/Solidifyを用いたHW/SW検証」 株式会社ガイア・システム・ソリューション ====================================================================== ○概要 検証環境として、CoMETを使用した動的検証環境とSolidifyを使用した静的検証環境 の両方を提供する。CoMETは50〜120MIPSの速度でターゲットコードを実行する、米国 VaST SystemsTechnology社の超高速システム・シミュレータでクロックサイクル レベルでタイミング検証を行える。CoMETの高速シミュレーション環境を利用して RTL資源を有効活用する。 ○展示状況 SCMLのモデルをCoMET環境に結合し、Debugポートも接続し、デバッガによる値を 更新するというデモと、CMOSカメラの画像をFPGAからCoMETへ転送し、 CoMETのCPUモデル(ARM926E)が画像を高速に処理するというデモを行う。 ====================================================================== 「新刊書籍の紹介と販売」 株式会社翔泳社 ====================================================================== ○概要 「組み込みエンジニア教科書」シリーズ、「組み込み基礎講座」シリーズ、 「SEC BOOKS」シリーズ、「ソフトウェア開発の課題」シリーズなど組み込み ソフトウェア開発関連書籍の紹介と販売を行う。 ○展示状況 特別価格(20%OFF)ということもあって実際に手にとって購入に悩む人の姿が 見受けられた。 ====================================================================== 「組み込みシステムの設計開発で便利な機能のご紹介」 スパークスシステムズ ジャパン株式会社 ====================================================================== ○概要 UMLモデリングツール「Enterprise Architect」の機能の紹介。 ステートマシン図と状態遷移表の変換機能、クラス図からC言語のコードを生成 する機能、SysMLなどの機能が紹介されていた。 ○展示状況 各機能について、図を用いて分かりやすく丁寧に解説していた。多くの人が 足を止め、発表者と質疑応答している場面が見られた。 ====================================================================== 「プロジェクトファシリテーションをサポートするTRICHORD」 株式会社チェンジビジョン ====================================================================== ○概要 TRICHORDは、とき、こと、ひとの3つの視点でプロジェクトの状況を直感的な 表現と操作感で見える化する、開発者のためのプロジェクト見える化ツールである。 具体的には、チーム全員が共有し視覚的かつ直感的操作が可能な3種類のかんばん、 期限内の作業の完了見通しを直感的に把握することができる2種類のバーン ダウンチャート、チームメンバーの気分や調子を見える化しコミュニケーションも サポートするニコニコカレンダーから成る。 ○展示状況 実際にツールを使ったデモと解説を行っていた。展示場所には人だかりができており、 多くの人が関心を寄せているようだった。特にプロジェクトを管理する立場にいる人 が多かったのではないかと思われる。 ====================================================================== 「FPGA&H8マイコン搭載トレーニングボードMU200-EKと教材のご紹介」 三菱電機マイコン機器ソフトウェア株式会社 ====================================================================== ○概要 FPGAを使ったデジタル回路設計教育の入門として、またはマイコンを使った 組み込みソフト教育の入門として利用可能なトレーニングボードと教材の紹介。 トレーニングボードには、ALTERA社FPGA CycloneⅡ EP2C5とH8/HD64F3664FPを 搭載している。 ○展示状況 実際にトレーニングボードが置かれ、ストップウォッチのサンプルプログラムの 動作を、FPGA(デジタル回路)で実現する場合、H8マイコン(ソフトウェア)で 実現する場合、パソコン(アプリケーション)で実現した場合、それぞれで動作 するデモを行っていた。 ====================================================================== 「組み込みシステム開発者のための書籍・雑誌のご紹介」 CQ出版株式会社 ====================================================================== ○概要 「Interface」、「Design Wave Magazine」など組み込みシステム開発者のための 書籍や雑誌の紹介を行う。 ○展示状況 多くの人が立ち止まって見ていた。担当者は「スタートアップ」シリーズが よく売れていると語っていた。また図書目録の無料配布や、書籍購入者への 小冊子のプレゼントなどのサービスも行われていた。