********************************************************************** SWEST/DAS 共同基調講演 テーマ:「現場力を高める見える化手法プロジェクトファシリテーション」 〜モチベーションアップのツールと場づくり〜 講師: 平鍋健児(チェンジビジョン) 日時:2007/8/30 13:10〜14:30 聴講者:200名程度 ********************************************************************** こんにちは、 あれ、もう一度、こんにちは、 今日は、ソフトウェア開発の話ですが、人間系の話をしようと思います。 プログラムを書いていると、プログラムはなぜ、要求仕様の変更に なんで弱いんだろう?と考えています。 プログラムの分割にクラスを使うと、 変更に強いソフトウェアを作るにはどうするか? 手順を明確にします。 2000年からXPというものが拡がってきました。 XPの中には、チーム作り&ペアプログラミングのように、 人に関するものが含まれています。 お客さまと信頼関係を作ることが大事だということ最近わかりました。 人との関係が5割を超えて大事だということ。 そこに、チームワークと信頼性がないとだめだと思っています。 また、最近アジャイル開発というのが、知られてきています。 アジャイル開発はハードが絡むと難しくなります。 アジャイルカンファレンス2007に参加してきました。 今年はワシントンDCで行なわれました。 参加者1100人で、1週間ぶっ続けで、色々なアジャイルの会議が行われました。 XPは解りやすくて、結構使われています。 最近では、TDDが広がりを見せていますね。 テストドリブン、テスト自身を中心に考えるもの。 リーンソフトウェア開発をとりいれる動きがある。 企業がムダをとっていく。 企業として、どうやってこれを取りいれていくか? 人間関係をどうやってうまく保っていくか? アジャイルとは、企業側の視点でみると ・投資効果がある:ビジネス価値 ・ちゃんと動く:テストで駆動 ・期待される期間に提供 ・維持効果変更し続ける:繰り返し方開発 となります。 アジャイル開発の中には現場活性化のヒントがたくさんあります。 これらは、ウォータフォール、繰り返し型に関係なく使えます。 さらに、これらの工夫は生産革新の現場で行なわれているトヨタ生産方式と 本質が同じもので、見える化を基本にしています。 私の関係するプロジェクトの現場で、実際に行なわれている見える化の例を 写真を交えてお話します。 さらに、その背後にある、原則、価値をお話します。 これらを私がミッションとしている開発現場の活発化手法として、 プロジェクトファシリテーションという名前をつけ、体系化しています。 今日は、プロジェクトファシリテーションについて話たいと思います。 皆さんの開発の中でも、利用できるものがあったらぜひ使ってみてください。 現場の開発にヒントが含まれています。 何か事例があれば、教えてください。 なぜ見える化か? プロジェクトの成功は、Moving Targetです。 時間 要求 最初は、要求がはっきりしていません。 実際の開発は要求とシステムが追いかけているので、 始めの計画通り進みません。 りんごは、木の上でゆれていて、人がはしごの上にいる。 ソフトウェア開発は、はしごの上でりんごを採るようなものである。 今の現状をみて、フィードバックをかける必要がある。 そのために、見える化をする必要がある。 見える化 最新の正の情報が、一箇所に、大きく書かれていて、コピーされていない。 それを、両チームのメンバー、審判、観客が見ている。 次の行動が決まる。 現在の情報をとりいれることが大事です。 実践例を紹介しましょう。 ○タスクかんばん 一枚一枚のポストイットが一つがタスクを表しています。 ポストイットを移動することで、タスクの管理ができます。 1〜2週間でやることが重要。 短すぎても長すぎてもダメ。 自分で動かすことが重要です。 チームで共有。 仕事がアサインされるのではなく 自分でアサインされにいくことが大事なんですね。 ○バーンダウンチャート タスクかんばんと組み合わせると、 最初はタスクが64あったものが、どんどん減っていきます。 青が計画線、赤が実績線を引きます。 アナログじゃないと、人は見ません。 例えば、サーバにあるEXCELを毎日見ますか? 早めに、遅れをみんなが気がつく。 壁に貼ってあるだけで、全然違いますよね。 行動誘発のための、見える化が大事ですね。 ○ポータブルかんばん チームの開発をすることがよくあります。 CCSさんと一緒にやったものです。 ダンボールでやっています。 まな板立てで、現場が明るくなりますよ。 さすが、工場を持っている会社ですね。 カードをまわしている。 ガントチャートでやっているので、 行動喚起力が全然違う。 工程って、本来目に見えないですね。 それを見えるようにすれば、どうですか。 物理的に見えるものに置き換えてみれば、どうですか? 人間は論理的な思考になります。 見える化にすることによって あれ、これ、それと言えて、コミュニケーションのし易さが全然違います。 ○朝会 作業の明確化 -自発的なサインアップを 昨日やったこと 今日やること、 問題点、の3点のみ -かんばんの前で、行なう -朝の仕事はじめが重要 -スタンドアップで15分 -定時刻、定位置、短時間 これが、続けるコツですね。 朝時間がルーズになりませんか? 朝、ちゃんと、あいさつしてます? 「今日もお願いします」 みんなが、同期をとることが、PMの仕事だと思うんですね。 エクセルを見ても、進捗がわからないんですね。 プロジェクトを見て回る。 メールでは、ダメですね。 メンバーは、見ててくれると思うことが大事ですね。 ○あんどん 異常の見える化 -受け入れテストを自動化 -毎時パッチで流す。 失敗があれば、即表示。 原因追求。 -欠陥のムダを排除。 -自動化とあんどんに対応 -欠陥の長期滞在を排除 これは、スルーし難いですね。 *欠陥のムダ=欠陥の大きさ×プロセス中の滞在時間 どんな大きな欠陥でも、すぐに対処できれば、0に近い。 どんな小さな欠陥でも、処理までの時間が長ければ、大きなムダになります。 ラインを止めるより欠陥は出した方が、損失が多い。 関係があるリーダーが呼ばれる。 ムードを共有する。 現在状況を共有することで、行動は発生する見える化です。 ○Myボード ペアの討議内容の見える化 -UMLなどを使って二人の討議を見えるか -議論が空中戦になるのを避ける -他人を巻き込みやすくする。 -ノートを捨てる(蓄積→表現) -記録は、必要ならそのままコピー -問題vs私たちの構図を作る 問題について話すときに、あなたvs私ではなく 問題vs私たちの構図を作ることができる。 ○色つきUML ソフトウェア構造の見える化 UMLを使って、全員意識する構造 色が重要だと思っています。 ソフトウェアは、目に見えない。 全体像を持っていると、指をさすことができる。 ここが悪いから、あいつに聞いてみよう。 ソフトウェアに色形をもっと持ち込まないといけないですね。 問題の解決時間が格段に速くなります。 空間的に配置されていれば、どんなものでもいいです。 ○ふりかえり(1) カイゼンの気づき Keep(良い点) Problem(悪い点) Try(次回挑戦)を出す。 これは、改善になります。 全員で意見を出し、暗黙知の共同化と形式知化を行なう。「名前付け」 ○ふりかえり(2) 自分たちのやり方をつかむことができます。 やってみて考える。 机の上の議論ではダメ。 成果をすぐ求めたらダメ。 ○マインドマップ 空間の感覚にすることで、直感でわかる。 あまり時間が無いため、今日は省略します。 ○にこにこカランダー 今日の気分をシールで張る。 幼稚園児と思われるかもしれませんが、 ムードを感じとることが大事です。 工夫をすることを忘れていませんか? ひとりひとりの顔が見えていることが大事。 見なければ行動ができない。 プロジェクトファシリテーション(PF)とは裏にある考えて方、職場で定着するものです。 ファシリテーターとは、ファシリテーションは場をつくる、会議の司会者など 会議のデザインもファシリテーターの仕事です。 1+1が2以上になることを目指しています。 ファシリテーションの多くは、アジャイルから取って来ている。 アジャイルの実践(例XP) アジャイルの原則 ・顧客価値の優先 ・変化に対応 ・短期リリース ・全員同席 ・モチベーションと信頼 ・会話 ・動くソフトウェア ・持続可能なペース ・技術 ・シンプル ・自己組織チーム ・ふりかえりと改善 ○リーンソフトウェア開発 トヨタ生産方式 ムダのない生産方式 多くの企業がアジャイルを選択している ○リーン思考の7つの原則 ・ムダを排除する ・学習効果を高める ・決定をできるだけ遅らせる ・できるだけ速く提供する ・チームに権限委譲する ・統一性を作りこむ ・全員を見る ムダを認識する アジャイルプロジェクトマネジメント トヨタ生産式からのヒント PFのなりたち アジャイルソフトウェア方式、トヨタ方式に人間に着目しているものがあります。 目的:なぜPFが重要か プロジェクトを成功させるために どうやったら、成功させるか? ひとりひとりのモチベーションに焦点をあてる。 エンジニアとして、よりよい人生の時間をすごすために。 仕事は、人生の中で多くの時間を占めます。 やりがいのある仕事を増やすことが大事。 時間の質を上げることを考える。 お客様に感謝される。 3T 定時に帰れる 楽しい 高い給料 ○PFの5つの価値 みんなで合意してプロジェクトを始めたらいいかな。 見える化 -リズム 毎日9時に朝会 - 名前付け うまくいった事に名前をつける チームで愛着がつく。 人間の理解と、名前、概念、モノ・コト、見える化 概念=名前の付いたもの モノ=概念 今日話した内容をそのまま使っても、 コンテキストが違うと、会社によって効果は違う。 自分たちで工夫することが大事です。 未概念に名前を付けて概念にする。 問題対私たち 対面に話すと人と人との争いになってしまいます。 問題と人間を分離する。 問題を出す。 相手を指さして、議論することはやめた方がいいですね。 そうしてしまうと、人と人との争いになってしまいます。 ○全体構成 1週間でやることをタスクに分割します。 1週間でやることがリズム化します。 問題を外に出す。 問題と私たちという構図にすることができます。 ○ツール 先ほどは、アナログにした方がいいといいましたが、 どうしても、遠隔地などで、実現が難しい場合があります。 その場合にも、使えるように、 JUDE(ジュード)とTRICHORD(トライコード)があります。 無償版もあるので、一回使ってみてください。 組込みの現場を明るく生産性のあるものにしたいものですね。 何か質問はありますか? Q1:プロジェクトが危機的になると、チームがまとまるが、 プロジェクトが平坦になると、なぜかできていたことが、できなくなること が良くあります。どうしたらいいでしょうか? A1:危機的なる前は、作ったものをプルする力がない。 その辺りを考えてみては、どうでしょうか? Q2:遠隔地で作業する場合のワンポイントアドバイス。 A2:JUDOとか使ってみるのもいいかも知れません。 最初に作るものは、信頼関係。 一回も合ったことのない人と一緒に作業するのは、難しいです。 お互いの状況を見ながら考える。 遠隔地でも、なるべく一緒にいるものと同じ環境をつくる。 Q3:カウンセラーと近いですね? A3:はじめての指摘ですね。 近いかもしれませんね。 最近産業カウンセラーって多いですね。 Q4:経営サイドの視点だと、他の会社との ファシリテーションを阻害する要因がある場合の打開策はありますか? A4:よくあるんですよね。セキュリティの関係上阻害されることが... 経営側は、どっちが大事なんでしょうかね? Q5:改善とかすると、上がダメにする せっかくいいことやっているのに... A5:3年やって、3年やって私もノーアイディアです。 常に、新しい驚きを取り入れる。 定常になったらダメ。 つっこまれリビティが高い方がいい。