F1 「組込みソフト開発で持続可能な開発プロセスとは?」 【パネラー】奥村 洋(ナレッジ・エッジ), 佐藤 洋介(デンソー), 佐藤 啓太(デンソー), 杉浦 英樹(富士ゼロックス), 西 康晴(電気通信大学), 橋本 隆成(ソニー) 【座長】 川口 晃(ガイア・システム・ソリューション) 【会場規模】90席 【参加人数】30人 【講演内容】 ・開発プロセスが持続可能であることは本質的な課題か? ・経営側の人間からするとプロセスを変えることに採算はあるのか,価値はある のか? プロセス定義にかかる工数をテスト実施振り向ければ,少しは品質は上がると思 うがこれでは先がない,という意見が多い プロセスを導入する目的は?なにを解決したいのか?明確化したその上でどう構 築するか議論すべきである. 要求定義における開発プロセスの持続可能には意味があると思うが,設計におけ るプロセスで持続可能であることはあまり意味がないように思える. 開発者としてはいったん導入したプロセスがころころ代わってほしくないが,必 要に応じて変える必要はある. 品質改善上,同じプロセスを使いつづけているところは問題である.持続可能と いうよりも継続的に改善していく必要がある. 経営側から言うと,競争に勝つには常に最適なものにしておく必要がある. 開発側するとプロセスを変えることは,ラインを変更することにも繋がる可能性 があるので同じプロセスを比較的長いスパンで使いたい. 同じプロセスを使いつづけると2〜3年でちゃんと守らなくなってくるのでよく それはあまりよくない. 導入したプロセスはジャストフィットしたものではなくまだ暫定版であれば,継 続して改善していく必要がある.むやみに新しいプロエスを導入するのではなく, 目的を見極めてそれに合ったプロセスを導入すればプロセスの変更は小さい. 持続可能かどうかには閾値があり,それを大きく超えるとプロセスを新たに導入 する必要があるが,範囲内の小さな変更,ブラッシュアップ程度であればそのモ デルは持続可能であると思う.メリット,デメリットを見極める必要がある.プ ロセスの問題点を解決するのにブラッシュアップ程度で済むのであれば持続させ る.それよりも良いプロセスが見つかり,導入に伴うコスト(オーバヘッド,学 習など)を十分に考慮した上でなおも色々な局面でメリットが得られる部分が大 きい場合は導入する価値はある. 自分達の要件定義でうまくいっていない実感はあるがどうしたらいいのか分かっ ていない.目的も考えずに新しいプロセスを導入するのはよくない. 自分達でなにが問題でプロセスをどう変えれば良いのか見極める力を身につけな ければ持続していかない.現場の状況をよく知らない人がプロセスの改善や構築 にあたるととんでもないものを作ってしまう. 常に最適化していく場合もあるが,どうすれば最適化すればよいのか分からない ときもある.そういう場合はCNNやアジャイル,UPや他の人がいいプロセスであ るというものを参照して自分たちのノウハウを蓄えていけばよい.プロセスの適 用にあたっては外部の知見を取り入れながら自分達のやり方を修正していく. ------------------------------------------------------------------------- まとめ 自分達のやっているアクティビティを自己分析できなければならない.どこをど う変えていけばよいのか見極めていけるようにならないと持続可能なプロセスの 議論は出来ない.自分達のアクティビティを自己分析をする能力を身につける必 要がある.それには自分達の力だけではなく,外部の知見を取り入れるなどして, 自分達の問題点を見出す必要がある.