=========================================================================== セッションF2準備講演: 会場 :約120席 参加者:約50名 =========================================================================== ====================================================================== セッションF2準備講演: 「組み込みシステム開発への統一プロセス(USDP)適用事例」 畑伸樹(オージス総研) ====================================================================== 組み込みシステム開発におけるプロジェクト管理の現状:  規模の巨大化に開発体制がまったく追いついていない。  開発の進め方が混乱し、各技術者の位置(どこまでやればいいのかなど) がはっきりしていない。 ありがちな開発:  要求分析がいまいちはっきりせず、設計でもポンチ絵を描いてしまう。  実装で本気になっても問題が残ったままなので難しい。  きちんと問題を抑えきれないので跡に問題が残ってしまう。  ⇒このタイプの開発をしてるとずっと忙しく、効率も著しくわるい。最初の   分析できちんと問題を抑えれていないことが原因にある。 なぜ開発プロセスを導入するのか?:  開発を容易、効率的にするため。  いつ、誰が、何の作業をするのか決めてくれる。  プロセスを開発メンバへの周知徹底できる。  標準の枠(汎用的なもの)からカスタマイズして利用できる。 開発プロセス選択の基準:  わかりやすいこと。  標準性を持ったものが良い。 採用している開発プロセス:統一開発プロセス  メンバーがわかりやすいように軽量化した。  XPのいいところを導入。  設計情報は失われやすいのでモデルにしてモデル中心の開発を行っている。 USDPの特徴:  大規模オブジェクト指向開発に対応したプロセス。  フェーズつきスパイラル型開発プロセス  作業者、作業、成果物、作業の流れがしっかりと定義されている  並列作業、分業を意識している フェーズつきスパイラル型開発:  フェーズつきスパイラル型開発はスパイラル型開発の進化したもので工程に 方向付けフェーズ、推敲フェーズ、作成フェーズ、移行フェーズがある。 方向付けフェーズ: システム要求の把握 推敲フェーズ: システムのアーキテクチャの確立 作成フェーズ: リリース可能な品質のシステムの完成 移行フェーズ システムの正式リリース コンサルティング事例:  約10万行のプログラム開発を技術者5人とコンサルタント2人で行なった。 開発スケジュール 反復名 |期間 |主な作業 |実際の期間 -------------------------------------------------------------------- 方向づけ |2ヶ月|ユースケース作成 |2ヶ月 | |分析モデル作成 | 推敲1 |6ヶ月|ベースアーキテクチャ設計 |6ヶ月 | |最重要な機能の実現 | 推敲2 |3ヶ月|エラー処理の追加 |3ヶ月 推敲3 |4ヶ月|重要な機能の追加 |4ヶ月 推敲4 |4ヶ月|同上 |4ヶ月 作成1 |3ヶ月|残りの機能の追加 |3ヶ月 作成2 |3ヶ月|同上 |3ヶ月 作成3 |3ヶ月|同上 |3ヶ月 移行 |1ヶ月|製品出荷のための作業 |1ヶ月 | |β版の評価のフィードバック等 | C:要求分析では要求を妨げる制約要因がそれぞれのプロダクトによって異なっ  ていて、それを回避する方法は制約要因で違う。だから要求分析に手法を導  入すればすべてうまくいくという考え方はよくない。(コメント) Q:(コンサルティング事例の開発スケジュールを見て)なぜ推敲フェーズを  こんなに長くしたのか? A:クライアントが納得するまで。推敲1は0からアーキテクチャを作るので時間  がかかる。 Q:具体的なアドバイスはあるか? A:実際にプロジェクトに入って開発していくなかでカスタマイズしていくと  良い。