===================================================================== F1: 組込みシステムで使う分散オブジェクトの標準プラットホームを作ろう ===================================================================== 参加者 13名 机を四角に配置し全員が向かい合う形態で、比較的少人数であったため各人 の 自己紹介からの議論が開始された。 ○自己紹介 以下に紹介内容だけ抜粋 ・ネットワーク上のサービス検索 現在はRTOSよりも上が主力商品 ・実装手法などに興味がある ・1394のEvaluationBoardなどを手がけている ・どこでもコンピュータ環境に興味がある Jiniに先にいかれたのが寂しい ・組込みリモート制御 アプリ開発 Servelet系 .NET HomeApplianceに興味が ある ・もともとは組込み屋さん オープンによってNDAフリーになることを期待 ・交換設備がメイン VoIPも ・標準化の方法と開発環境をどのように提供していくかに興味がある --- ○ 平野さん ポジショントーク 学生時代に組込み関連の仕事をしていたのがきっかけ。一時期はなれていた が、 現在HORBで組込みに近いところの業務を行なっている。 日本の製造業はなぜ強いのか -> 制御のKnow-howがあった (組込み分野に強い) この裏にはITRONの成功がある ネットワーク時代に対応できるのか ネットワーク技術の多くは米国製 -> 本当にこれで我々は大丈夫なのだろうか インターネットはパソコン主体から家電や情報機器主体へ <- IPv6 ネットワーク化は必然の流れ 組込みのJava化の流れ #期待していたよりもそうでないかも しかしJazelleのようなJavaアクセラレータが多く登場している 「遅いJava」から「速いJava」 -> アクセラレータを搭載しても1mm角くらいで済む 携帯電話にJavaが乗った意義は大きい ネットワーク技術は過激なバトルが繰り広げられている 大量の類似仕様と多くのコミュニティ (自分たちの仕様を標準にしたい) -> どれが出てくるのかまったくわからない (柔軟に対応できないといけ ない) -> 類似仕様を柔軟に受け入れる共通の基盤が必要 ・プロトコルに依存しない、機器に依存しない など 高度な情報家電はボタン制御できない -> 周囲との連携が必要 (例えばネット対応レンジとパソコン、携帯など) 各機器間のネットワークもプロトコルも全て異なる -> IPv6があれば、IPというレベルで統一化される -> いつまでもソケットプログラミングするの? (分散オブジェクト技術を 使えばもっと楽になるはず) イメージの図 +-----+----+----+----+---+ |CORBA|SOAP|HAVi|HORB|???| +-----+----+----+----+---+-------------+ << 様々なサービス (検索, DB, 操作など) |共通の分散オブジェクトプラットフォーム| |この部分が必要 | +--------------------------------------+ |JavaVM |C,C++ | ※ アプリはここにいる +--------------------------------------+ |RTOS | +--------------------------------------+ |いろいろなプロトコル (Ether, 1394, SC)| +--------------------------------------+ +--- 議論 | Q: ワークフローのイメージがないと... 実行環境のイメージがないとわ かりにくい | A: ネットワーク周りの部分は全て自動的に生成される。これをダウンロー ドして実行する。 | Q: ダウンロードする部分と実行する領域は同じなのか、違うのか (ROM?RAM?) | A: ROMに焼けば焼ける。簡単にRAMにダウンロードすることも出来る。 | Q: 利便性という意味でのプラットホームを狙うなら、ORBの上のサービス (Namingなど)を標準化 して | 提供するというのも手ではないか (注目しやすい) | A: サービス独立という立場で、利用者がアプリによって選択できるような 余地を残したい。 | Namingサービスに関しては簡単なものであればすでにある。 | 難しい技術を簡単な技術でラッピングしたいというのが動機 | Q: HORBは仕様書の難しさが実装に出て、実装が難しくなってしまうのでは ないか。 | A: いろいろ入れるCORBAに対して、HORBは多くをその内側に抱えているの で、利用者にとっては難しくない。 | ただHORB実装者が辛いのは確か。 | | 柔軟に仕様を変更できるアーキテクチャが必要 | | CやC++でダウンロードできるのか? | -> できる (VxWorksは多少の制限はあるができる)。 +--- HORBの概要 - 詳細はチュートリアル参照 高速なHORBプロトコル (CORBA,IIOP, SOAP) サイズが大きくなっている -> 機能の取捨選択の必要性 -> uHORB 提案 uHORBを組込み向けの基本プラットホームに出来ないか オープンコミュニティとして広くやっていけないか 実用性重視でどんどんリリースしたい 仲間作り(メーカ, ベンダ,実装協力者など) その他研究課題(分散オブジェクトでのリアルタイム, サブセット化 (Configurability) など) +--- 質問: センタサーバ以外のノードがHORB+http(Jasper)を持つという話 で... |Q: JavaにhttpにHORBも入れたらコストがとんでもないことになるのでは |A: もう数年で全ての機器がこのくらいの機能を持つようになると考えてい る | -> ホームサーバにhttp(Jasper)を持って、HORBプロトコルで通信し、 軽量化する手もある | # http <-> HORB変換を行なうブリッジ +--- --- ポジショントーク 終わり 実際に分散オブジェクトでシステム構築をしたいと考えている人間はどのく らいいるのか疑問 Javaの評価ボードみたいなものはどのくらいで手に入るのか -> いろいろなところから提供されている。 フリーのJavaに関してもいくつかある。多くはネイティブコードを生成 する。 -> eCosの上でKaffeを使うという手もある -> ターゲット独立のJavaが出てくるのもそう遠くはないが、それまで待っ ていられない -> 本当に興味があれば、こちらで提供することも出来る -> 導入はいいが、普及の段階まで来ると問題がある -> どこのボードであろうがJavaVMが乗ってしまえばおしまい ネットワークを介した工作機械の集中管理をしたいが使えるか -> これは簡単に出来る (この用途に対してはかなり有用) HORBの品質保証はどの程度行なわれているのか -> テストプログラムはある。フリーのものはソースが見えるので、テスト ケースも見える 自分たちが生成したコードが正しいことを保証することはするのか -> しばらく待つのがよいかも -> 他人がバグを踏む前に出荷してしまったら意味がない 今回の目的はプラットホームを作ることと捕らえていいのか -> もっと より周辺のものまでも含めてやっていこうと考えている ====== まとめ ====== 全体的に議論がJavaの開発環境や品質保証の面に流れてしまいHORB技術と言う 面では若干薄くなってしまった感がある。  やはり、まだ組込の世界では分 散オブジェクト技術と言う面よりはダウンローダブルなソフトウェア環境への 興味の方が大きいのであろうか。 しかしJavaを基とした技術への参入意欲や興味の高さは終始感じられた。 HORBでは勉強会や規格作りのための組織があますので、興味をもたれた方はぜ ひご参加ください。