********************************************************************** セッションs4b チュートリアル テーマ:IoR (Internet of Robot):ネットワークにつながるサービスロボットの可能性 講師:菅谷みどり(芝浦工業大学) 日時:2016/8/26 13:00-14:20 参加人数:約60人 ********************************************************************** 目次 ・背景 ・今後必要とされるロボットや技術 ・なぜIoRか? - IoRのアイデア - IoRの基盤技術について **背景** わたしたちが思い浮かべるロボットって? ドラえもん、アトム … → AIなどの技術によって実現されるかもしれない 現在の情報システム基盤 巨大な計算機をコアとしたエッジコンピューティングによるサービス 大規模広域分散環境、様々なコンピュータがネットワークにつながる=情報の融合 これからの情報システム Internet of Things:様々なものがインターネットにつながる ものづくりから+サービスへのシフト=>出荷・販売した後も各種情報をもとに製品サービス・サポートを向上する モノを作った後にサービスを向上させる必要がある:新しいサービスモデル **本題:ロボットもネットワークを介して繋がっていく** ロボットが必要とされる日本の現状 ・超高齢化社会 ・労働人口の減少 ロボット革命宣言 ・現状はロボット大国:日本は産業用ロボットのが非常に発達している →産業現場だけではなく日常生活にも積極的にロボットを活用する 今後必要とされるロボットとは?  ・知的コミュニーケションが可能なロボット  ・人間と直接相互作用する 菅谷先生の研究紹介 人と能動的なロボットとのインタラクション設計及び印象評価 ・ロボットと被験者のコミュニケーションをとらせどのような印象をもつかアンケート調査 ・日常生活においてロボットの印象をよりよく向上させるためには… 人間とロボットがお互いに接近し合うことで、ロボットの印象を向上することができる ここで参加者への課題:Q.どのように「ロボットに興味ある人」を見分けるか実現方法を考えてみよう A:何度ロボットのことを見たかで判別 A:パーソナルスペースの関係でロボットにどれだけ近づくかログを取る A:話しかけてくるかどうかで判別 A:瞳を画像認識して瞳孔が拡大するかどうかで判別する A:ロボットとのインタラクション時間が長い人 A:壊れかけのロボットおいて直してくれるか A:音を出してみて応答があるかどうか 生体センサ:人間の認知に関するセンサ ・生体情報をもとにロボットへの興味を判別する 快/不快を察するロボットの実験システム ・ロボット読み取った生体情報をもとにした判定と人間の主観には相違がある 感情分析のモデル→脳波センサーと心拍数の測定を用いて行う 脳波センサー:集中状態とリラックスした状態の判定 心拍数:快/不快の判定 これからのロボットに必要になること ・人の状態を知るための技術の開発 ・分析情報の活用、方法、基盤 これからのロボットの役割 第一段階:仕事の代理 第二段階:技術の代理 第三段階:存在の代理 第四段階:??→新しいロボット:代理ではなく、独立した機能を持つ役割を持つ存在 **なぜInternet of Robotか** ネットワークに繋がることが必要とされるのはなぜか 組織的かつ高度な情報処理とその活用が必要:サービス向上のため リハビリ支援ロボット(菅谷研究室で開発中) 第一段階;個人情報の把握、制御→情報の分析 第二段階:個人情報の蓄積、共有→ネットワーク、データベースの活用 第三段階:組織的な情報の共有→組織的な取り組みの改善 分散ロボットシステムを支える基盤技術 ミドルウェア ・マシン内部のミドルウェア:ロボットのアプリーケーション同士の通信を担うフレームワーク ・マシン間のミドルウェア:ロボット同士が協調して動作をするためのフレームワーク 分散システムの定義:ユーザに対して単一で首尾一貫したシステムとして独立したコンピュータの集合である まとめ これから、人と関わるロボットについてのシステムやサービスを向上していくためにもロボットを活用するコミュニティを活発にしていきましょう。 またIoR、すなわちネットワークとロボットをつなげることで、高品質かつ漸進的なサービスを実現していきましょう。 質疑応答 Q:生体情報をセンシングして人間のを感知するモデルがあったが、脳波や心拍数以外に 人間の感情をセンシングする要素はなにがあるか?? A:サーモグラフィティによる体温感知や音声認識・解析などがあります。 また、感情による発汗量や唾液の分泌量なども研究されています。 Q:ロボットを扱うと様々な分野における研究者との共同プロジェクトを想像します。 そこで、今回は組込み系の学会ですが、他にもオススメの学会などはありますか? A:実はそれは私(菅谷先生)も開拓しつつ、探しつつです。 例えば、電子情報通信学会のクラウドネットワークロボット研究会、組込み研究会、HAI(ヒューマンエージェントインタラクション)、ロボットコミュニティのSI(システムインテグレーション研究会)などがあるかと思います。