********************************************************************** セッションs3d ワーク テーマ:教育をソフトウェア開発実務に実装せよ! 講師:米島 博司(パフォーマンス・インプルーブメント・アソシエイツ) 日時:2016/8/26 10:30〜12:00 参加人数:13名 ********************************************************************** 10:30〜 ■ ワーク2,3 (1) ○ソフトウェア製造工程の中で若い技術者を育成するにあたって 各々が抱えている課題を書き出す ○各工程の項目に対して,自分自身の現状と「どうあるべきか?」を ワークシートに記入 10:30〜 ■ ワーク2,3 (2) (1)で書き出した内容を3〜4人のグループ内で共有する ○ ナレッジマネジメントの仕組み 業務上で必要な情報以外に,ベテランや先行者が得たノウハウ・知識・経験値を 共有したり活用できる仕組みがあるか? ・課題1:熟練のエンジニアの知識・ノウハウのシェアが十分になされていない, 属人的になっている 原因1:教育活動を振り返る機会がない 結果として,熟練者が経験した轍を踏むことになる 原因2:病気などの不慮の事情により共有なされない 原因3:組織全体に共有するスキルがない 出張報告,メーリングリストレベルに留まっている.どうしたらいいだろう? 自分のテリトリーを守るためにあえて共有しない人もいる… ・課題2:教育を受けてきた人,受けてこなかった人の差が大きい --以下,時間内に議論はできなかったが,ワークシートで提案されていた各工程項目-- ○開発環境(実務支援システム) 開発環境は最新,最適なものに整備されているか? それらの使い方に習熟するためのマニュアルやチュートリアルは最低限用意 されているか? 人によるサポートは最小化されているか? ○実務アサインの方法 実務体験学習可能なスキルと公式教育の場でしか学習できないスキルが 分けられているか? 上流から下流までで,育成・自律的成長を考慮して,実務体験学習可能な 工程・作業分担・アサインがされているか? ○実務指導の方法 実務指導がチーム全体のミッションであることが周知されているか? 実務指導の計画,進捗管理,評価の粒度が決められているか? チューター,メンターの主担当が決められているか? いつでもなんでも誰にでも聞きやすい雰囲気になっているか? 実務指導中の内容が共有される仕組みが整備されているか? 11:30〜 ■ 決意表明 ワークで提示されたテーマのうち,自分自身が抱えている課題に近いものは何か? 今後その課題をどのように解決していこうと思うか?をひとり30秒程度で発表する ○組織マネジメント ・成長システムを示す必要があるという気付きを得られた ・評価する対象(長になる人)に組織の方向性を示し,気付きを与えることを目指す ・まず自分たちが持っている技術はどういう種類か理解することが必要と感じた その技術は外部から買えるものなのか,組織内部にしかないものなのか ○ナレッジマネジメント ・ナレッジを共有するスキームを作って共有していくことにする ・お客さんが求めるものを共有して仕様に落とし込むノウハウが難しい 属人性が高い,全体把握が難しい ノウハウを共有する施策がなく,人事異動も難しい状態 前時代のスタッフが解決してきた課題,解決策を残すプロセスを作る ・まずは組織が仲良くなることを目指す.それを通して,知識の共有を図る ・誰もが相談しやすい環境・雰囲気づくりから始めることにする ・会社に教育の選任者を置く 技術者はどうしても現場優先になってしまうため ○実務アサインの方法 ・スキルを振り分けられることそのものが理解できていなかった ・まず分かっていないことを分かるようにすることを目指す 11:50〜 ■ 動機づけの方法を紹介 ARCSモデル…学習者の動機づけを高める方法をモデル化したもの ・注意 Attention 「これやったことないな,面白そうだな」という注意を喚起すること ・関連性 Reievance 「これは近い将来自分の役に立つぞ」と思わせること ・自信 Confidence やってみた結果つく自信,あるいは「これくらいなら僕もできそうだ」という 自信をつけさせること ・満足感 Satisfaction 学習の結果として満足感を与えること ■ まとめ ○米島さんによるオリエンテーション ・実務と離れたフォーマルな教育と,実務遂行の中で学ぶインフォーマルな教育の比較 ・実務の中でソフトウェア技術者を育てる上で生じるギャップの説明 ・教材作成のためのインストラクションデザインの紹介 ○技術者教育の分野で参加者それぞれが抱える課題の洗い出し,共有 ○決意表明 ○学習動機づけの方法の紹介 以上。