********************************************************************** セッションS3-a テーマ:SWEST/DAS共同特別セッション - システム設計技術の現場と今後の展望 講師:田中輝明 氏(三菱電機),    山下浩一郎 氏(富士通研究所),    高田広章 氏(名古屋大学) 日時:2014/8/29 10:30〜12:00 参加人数:約60名(終了時) ********************************************************************** <議事録本文> 1.田中輝明 氏(三菱電機) (主に資料に載っていない講義内容) ・システム構築技術についてのお話. ・三菱電機,先端技術総合研究所について. ・ブランドロゴを統一はグローバル事業競争力強化を目的としている. ・基盤技術から,新製品の開発,新事業の芽となる研究開発,幅広く取り組み,  三菱電機の持続的な成長を目指す. ・システム構築技術の役割は,さまざまな要素技術を組み合わせ,問題解決の ための具体的な手段となるシステムを設計. ・その支えとなるのが各種半導体デバイスとなる. ・重電システム,産業メカトロニクス,情報通信システム,電子デバイスなど  さまざまな製品を対象にする. ・システム設計の主目的は「製品を成立させること」. ・魅力を生み出すための開発が必要だが,それにはリスクもある. ・品質や信頼性の確保のため,要求分析,トレーサビリティ確保の高度化に  取り組まなければならない. ・製品の基幹となるLSI. (質疑応答) Q.抽象度をあげたいとおっしゃっていた.  さらに前半では価格が高いと得意だとおっしゃっていた.  では価格が高い場合には抽象度をあげることができる?手法の問題? コストの問題? A.手法の問題であるという認識でいる. 2.山下浩一郎 氏(富士通研究所) (主に資料に載っていない講義内容) ・アーキテクチャ,システムの観点を,一層上のレイヤで考える. ・現在の興味対象,IoTとよばれるインターネットの分散処理,  アーキテクチャの研究,M2Mアーキテクチャなど ・IoTへの考察:電源供給の問題,通信の問題,配置の問題. ・いろいろな分野のエンジニアが協調的に取り組まなければならない. ・MAS(マルチエージェントシミュレーション)&ESL(上流設計シミュレーション) ・上記2つを組み合わせ,簡易WSNシミュレータを開発した. ・従来の設計はボトルネックを調べる ・提案は,既存デバイスをベースにまずは組む.シナリオを調整して追い込む. ・Trillion,新たな現象,課題をキャッチアップ.  従来の提要レイヤの枠を超えたアーキテクチャを考察. ・アーキテクチャ:コスパのよい後発デバイスに駆逐される. ・MAS&ESL:広範囲,領域横断 (質疑応答) Q.マルチエージェント,ESLを組み合わせる目的は? A.一つのノードのうごきかたはデバイスをやっている人たちの興味対象であり,  発電して動く,電力を消費する,また,蓄電をする一連のサイクルを再現 しないと動きかたはわからない.どうしてもESLみたいなイメージを組み込 まないといけない.  これを詳細なシミュレーションでやってもよいが  そうなるとガタガタになって動かなくなってしまう.  何千,何万のノードになってくるとそれなりの抽象度をあげていかないと  いけなくなる.そうなるとESLという言葉が出てくる. Q.要するに電力の収支が合うかということ? A.一つ目は電力である.他にもいろいろ要素はある. Q.電力以外の要素は? A.ワイヤレスの話がある.帯域,スループット,接続切断,ノイズの影響など. Q.土砂災害の検出だけ? A.土砂災害を含め,他のいろいろなセンサを用いるシミュレーションにも  応用することができる. Q.今回の土砂災害のような発生した瞬間をつかまえたい意図がもしあるとすると,  分散系だとデッド対応は厳しい? A.今回のアプローチは予兆検出である.実際にはプレッシャーで地下水域の 上昇を検出していて力学的に滑り出すぎりぎりの状態を検出する.  滑り出した後にはもう遅い.  あと何時間で壊れるという情報を検出するのが現状. Q.センサー一個あたりの予算は? A,1個1ドルが最終的.実際には数ドルくらいだろう. 3.高田広章 氏(名古屋大学) (主に資料に載っていない講義内容) ・システム開発側から見たときの半導体デバイスに要求することは何かという 観点で話しをしてほしいという依頼であったが,私には難しいテーマである  ため,そこから外れた話しをする. ・プラットフォーム設計は日本が弱い分野. ・日本は目的が明確でないものを造るスキルが低いのでは? ・お客様を大事にしすぎ.決めるひとがいない. (質疑応答) Q.プラットフォーム設計.システム設計そのものではないかなという感じも するし,システム設計をするための共通基盤であるような感じもする.  共通なものと,特徴的なところをどのように大事にする?  共通部分と差別部分の組み立て方. A.チップにしてもOSにしても,その特徴となる点は出していきたい.  それは早い段階で決めて,しっかりと造りこめばよい.  多くに使ってもらうプラットフォームというのは共通に造りこむ.  車載のAUTOSARのように大体は共通だが,ある特定モジュールは自動車 メーカによって異なり,そこだけ取り替えるといったこともある.  LSIだと取引先によって使うモジュールを変えることなどを行うこともある. Q.プラットフォームをいろんな意味でつかっているひとがいる.  かたいものをプラットフォーム化するのは難しい? A,本講義ではそのかたいものやわらかいものは議論の対象にしていない.  かたいものをプラットフォームにするのは可能であると思う.  そのかたいやわらかいものとは独立して,設計の段階のプラットフォームの 話をした. ■まとめ SWEST/DAS共同特別セッションということで,システム設計技術の現場と今後の 展望というテーマで田中輝明 氏(三菱電機),山下浩一郎 氏(富士通研究所), 高田広章 氏(名古屋大学)の御三方から講演が行われた. 以上.