********************************************************************** ワーク S5-c テーマ:テスト技法はじめの一歩 講師:森貴彦、名野響 (JaSST Tokai実行委員会) 日時:2012/8/31 14:30〜15:50 参加人数:17名 ********************************************************************** (議事録本文) ■道具の配布 最初にワーク内の演習で使用する道具が配布された。 道具:   ・資料「テスト技法の全体像」、「話題沸騰ポットの状態遷移図」   ・プリント「演習回答欄」   ・白紙のプリント   ・付箋 ■ワークの進め方 ・前半を名野氏が担当(40分)、後半を森氏が担当 ・前半部分でテスト技法の概要について名野氏が解説 ・後半部分でテスト技法のひとつである、状態遷移図に基ずくテスト技法を演習を交えて解説 【前半】 ■自己紹介 (名野) ・自動車関連のソフト開発 ・テストの「技」の勉強 技とは ・特定の目的を持ち、その目的を果たすための手段・手法である ・ドラゴンボールの例がわかりやすい ■ポジショニングマップ ・重要な2つの要素を軸に置く ・客観的に分析 (ドラゴンボールの技を例にして、ポジショニングマップの図を解説) 例えば:かめはめ波 ・体内の内在エネルギーを凝縮させて一気に放出させる技 ・(技法としての)手順がある ■本日の目的 ①テスト技法を浅く、広く理解する -> テスト技法の全体像 ②1つのテスト技法をちょっと深く理解する -> 状態遷移のテスト技法を理解 (ここで、参加者が普段どんなテストをしているかのディスカッションが行われた) ・2,3人のグループに分かれて、議論が行われた 例: ・○○テストって言葉は知っていますか ・お仕事でどんなテスト ・テストってどんなイメージですか ■テスト技法の全体像 ・さまざまなテスト技法について、そのポジショニングマップが提示された 縦軸:ブラックボックステストとホワイトボックステスト 横軸:ピンポイントと網羅的 【演習①-1】テスト技法の抽出 ・自分の知っているテスト技法の抽出 (付箋が配布され、各自その付箋に知っているテスト技法名を記入) 【演習①-2】マップの作成 ・知っているテスト技法のポジショニングマップへのマッピング (配布された紙に付箋を貼り付けて、ポジショニングマップを作成) (演習とディスカッション) ・5分ほど時間がとられ、演習①が行われた ・5分経過後、近くの人とグループが作られ、自分の作ったポジショニングマップ について、フリーディスカッションが行われた ・講師も部屋をまわって、参加者といっしょにディスカッションを行った ■テストの用語について解説 ・テスト技法 ・テストケースを作成したり選択したりするための手順 ・テストタイプ ・コンポーネントまたはシステムをテストするためのテスト活動をまとめたものであり、  特定のテスト目的に焦点を当てている ・テストレベル ・系統的にまとめ、管理していくテストの活動のグループ。各テストレベルはプロジェクト  の特定の義務と対応付けができる。 補足: 各自が上げた、テスト技法は実はテストタイプ、テストレベルに分類できるかもしれない ■テスト技法を理解する上でのポイント ・技法の位置づけを理解すること ・テスト技法の特徴は? ・実際に使ってみること 【後半】 (ここで講師が森氏に交代) ■自己紹介 ・自動車部品関連のソフトウェア開発プロセス改善 ・参加の目的 ・テスト技法、テスト設計をさらに深く学ぶため ・ソフトウェアテストで興味があること ・派生開発におけるソフトウェアテスト ■これなんでしょうか? ・シーリングライトの振舞いについて、状態遷移図を用いて例示がなされた ■状態遷移図とは? ・システムを「状態」と「遷移」でモデル化したもの ・図で表したものを状態遷移図 ■状態遷移テストの位置づけ ・前半で示したテスト技法のポジショニングマップを示して、状態遷移テストの位置づけ  について説明 【演習②】状態遷移表をつくってみよう ・配布されたプリントに話題沸騰ポットの状態遷移図が書かれており、  その状態遷移表を作成する演習 (補足説明) 状態遷移表の「N/A」について講師から補足説明がされた N/Aには2つ意味がある ・仕様としてありえない ・イベントが発生しても何も起こらない (演習と答え合わせ) ・数分時間がとられ、参加者は各自演習を実施 ・数分経過後、スライドにて答えが提示され、各自答え合わせがなされた ■網羅(カバレッジ) ・網羅とは? ・テスト可能なアイテム数のうち、実際にテストを実行アイテム数の割合 ・網羅にはレベルが存在 ・状態遷移図の場合 ・ある状態から、ある状態までのつながり=パス ■状態網羅 ・すべての状態を通るパス ■遷移網羅 ・すべての繊維を通るパス ■遷移2回網羅 ・2つの繊維と3つの状態を組み合わせた網羅基準 【演習③】遷移2回網羅 話題沸騰ポットの状態遷移図の、遷移2回網羅テストケースを作成する演習 (演習と答え合わせ) ・数分時間がとられて、参加者各自で演習が行われた ・数分後、答え合わせが行われ、その解説が行われた ■まとめ 目的:テスト技法の存在を知ってもらう ・浅く広く:テスト技法の全体像 ・テスト技法とは ・ポジショニングマップ ・ちょっと深く:状態遷移テスト ・状態遷移表の書き方 ・状態遷移の網羅性 ■次のステップに向けて 最後に、講師からさらにテスト技法を学ぶためのステップについて述べられた ・書籍を読んでみよう ・TEF(ソフトウェアテスト技術者交流会)に参加してみよう ・JaSST(ソフトウェアテストシンポジウム)に参加してみよう ■質疑応答・意見 Q. 遷移2回網羅の演習で何が得られたのか? A. テストケースを作成し、実機で動かすことで、網羅性を確認できる。   遷移2回網羅では、2回の遷移させた場合でも仕様通りに動作することが確認できる。 ■ワーク全体のまとめ 前半で、テスト技法の全体像を知るために、さまざまなテスト技法の基礎 知識についての説明が行われた。後半では、より深い内容として、テスト 技法のうち、状態遷移テストを対象として、状態遷移表の書き方とその網 羅性について演習を交えたワークが行われた。 以上。