********************************************************************** セッションS45-c チュートリアル1 テーマ:Cyber-Physical Systemsチュートリアル & パネル 講師:加藤 真平(カリフォルニア大学サンタクルーズ校) 日時:2011/9/2 13:00〜13:20 参加人数:約50名 ********************************************************************** ■アジェンダ ○はじめに ○CPSの概要 ○CPSの意義 ○必要な要素技術 ○まとめ ■はじめに CPSとは,今後の組込みシステムがどう変わっていき, 社会インフラをサポートするためには,どのような技術が必要なのかを, 議論する中で,アメリカで始まったプロジェクトである. 日本では,この概念に対して,企業,大学で,どのようなことをしていけるのか, といった事をセッションを通して議論していく. ■CPSの概要 CPSとは,Wikipediaを簡単にまとめると,組込みシステムの次のジェネレーションである. もう一つのキーワードは,サイバー,つまりコンピュータに関する記述と, フィジカルエレメント,我々が住んでいる世界が, 強力に融合されているシステムの総称として定義されている. 視覚化すると(スライド),左側が組込みシステムの分野で,コンピュータや通信技術などである. これをいかに使い,右側の我々が住んでいる社会とつなげるかということ. 物理世界からの様々な情報をコンピュータに取り込み,計算し, 物理世界へ作用させてフィードバックをする. 適応分野は多くあり,アメリカでは,自動車や医療機器などで注目されている. 他にも,環境の監視や,スマートグリッド,スマートメディアなどがある. 昔,ナイトライダーというアメリカのテレビドラマで, 車がロボットになり,無人でも走行するというものがあった. そのように,世の中が全て知的になれば良い,というのがCPSが目指す未来である. 本当にそのようなことができるのか?と思うかもしれないが, 既にアメリカではいくつかのプロジェクトが立ち上がっている. 講師が在籍していたカーネギーメロン大学とGMとのプロジェクトで, 無人で車を運転するシステムを作った. 車の中でコンピュータが動き,今どこを走り,どのように走れば, 人間が運転するようなものができるのかということをコンピュータが考え, 実行するというものが研究レベルではできている. ただし,まだ研究レベルであり,問題は様々とある. しかし,実現できないレベルでは無い. 身近なところで言うと,グーグルカーがある. グーグルはインフラに近いような技術を色々と持っている. これらを使い,車にどこを走ればいいのか,大きなスケールで教えることができる. このように大企業もCPSに興味を持っている. 残念ながら,日本ではまだ研究が進んでいない. トヨタが研究レベルでやっているらしいが,実際に世には出てきていない. ただし,似たような研究レベルとして,本日のパネラの加賀美さんと講師が所属していた, 慶応大学と東京大学が共同でやっていたプロジェクトがある. これはロボットが人をサポートして作業するというもの. このように日本でも技術がないわけでは無い. ■CPSの意義 今アメリカでは,CPSの研究というだけで予算が取れる. 去年は5億ドル,今年は10億ドル程度が,CPSのコミュニティに注がれており, リッチなリソースを使って研究をしている. CPSでは,どういう問題が解決できるのか? 例えば,自動車や交通の問題がある. 交通事故で死亡者数は,年間120万人と,かなりの人が死んでいる. また,自動車のCO2,排出量は年間50億トンであり,これは地球の排出量の15%を占める. 環境問題としては減らさなければならない. また,北京で9日間続いた渋滞で,かなりの経済損失が起きた. これらは,CPSにより,車や交通システムのインフラが知的になっていれば防げた問題. このようにCPSは,事故,環境,経済に大きなインパクトを与えられる技術である. CPSのインパクトがどれだけあるかを考える. 今の時点では,そのような知的なシステムが無くてもいいかもしれないが, 20年後には,世界の人口の60%,資産の80%が都市部に集中するメガシティができると 予想されている. この時に,情報技術を駆使して,いろいろな物を知的化し, カオスな物理世界を管理できるのでは,と考えられる. 自動車に関することが多いが,電力,医療,環境,災害など, 様々なものに対しても適用できる. これは,実現できればかなりインパクトがある. ■必要な要素技術 では,CPSで必要な要素技術とは? まず,CPSは制御システムである. 制御対象は我々が住む物理世界であり,これを情報技術でにコントロールしていく. つまり,制御屋の人達が貢献してくれないと成り立たない. また,物理世界を適切な状態に保つということは,常に監視をし続けるということ. よって,リアルタイムシステムともいえる. 周期的,非周期的に計画処理を行わないとうまく制御ができない. つめり,リアルタイムシステムの分野もCPSに貢献している. CPSは組込みシステムでもある. PCではなく,組込みシステムを使ってインフラを構成していく. そのため,組込みシステムの分野もCPSにカテゴライズ化される. しかし,ここまでの話だと今までの組込みシステムと変わらない. 違いとしては,CPSはセンサーネットワークであること. 組込みシステムはセンサーネットワークの一部ではなく,コミュニティも別である. センサーネットワークでは,車と車は当然だが,車とインフラとのやり取りも必要となる. 更に,CPSは必ず検証されていないといけない. インフラの技術のため,検証されていないと安心して使えない. CPSは1つの分野で収まるものでは無い. 制御,検証,組込みシステム,リアルタイムシステムの要素技術だけでなく, 物理工学,都市工学,宇宙工学,生物学など,他の分野の人とも情報交換するべきである. よって,今後は他の分野のコミュニティとも連携していく必要がある. 1つのシステムを作るには,インタフェースをつくる議論をしなければ, CPSは成り立たないと考えられる. ■まとめ それぞれの要素技術は,これからも変わらない. それぞれで求められるものは,少しながら変わるかもしれないが, 研究の対象は今までとは変わらない. ただし,技術を作ったときに,他の分野の人達がうまく使えるように情報共有したり, インタフェースをしっかりと作っておく必要がある. そして,そのためのコストがかかってはいけない. 交流のなかった他の分野の人たちと,いかに情報共有して1つのシステムを作っていくか, ということが重要となる. CPSが必要な理由は,情報技術を使い,物理世界を適切な状態に保つこと. CPSをコンピュータシステムの観点から見ると, 制御システムでもあるし,組込みシステム,リアルタイムシステム, センサーネットワーク,検証でもあると言える. 実際にシステムを社会に出すには,異分野間の交流,情報共有をできるように, 連携していかなければならない. ■質疑応答 質疑応答はパネル時にまとめて行う. (この後,続けてチュートリアル2へ) ********************************************************************** セッションS45-c チュートリアル2 テーマ:Cyber-Physical Systemsチュートリアル & パネル 講師:安積 卓也(立命館大学) 日時:2011/9/2 13:20〜13:40 参加人数:約50名 ********************************************************************** ■アジェンダ ○はじめに ○組込み屋と制御屋の交流 ○制御屋の考え方 ○まとめ ■はじめに パネルの前段階として,組込み屋からの視点で, 制御屋と組込み屋の考え方の違いについて解説する. 講師が最近,制御屋と議論する中で,組込み屋がどれだけ制御屋のことを 分かっていないかが分かった. そこで制御屋の考え方を話したい. カルフォルニア大学バークレー校の先生が書いている, "Introduction to Embedded Systems, A Cyber-Physical Systems Approach" というCPSの本があり,制御と組込みシステム,あと検証について書かれている. ネットからPDFがダウンロードできるので参考にして下さい. (http://LeeSeshia.org) ■組込み屋と制御屋の交流 組込みやと制御屋が話をする時には,まず言葉が通じないということがある. 同じ言葉だが,それぞれの研究分野で定義が違う. 「モデル」や「環境」,後述するが「周期」という言葉が2つの分野で違った. また,暗黙的な知識,その分野では当たり前の知識が違う. 制御で使われている有名な関数(リアプノフ関数)があるが,組込み屋には分からない. そして,考え方も違う. 制御では,連続世界,アナログで考えていて,入力も出力も連続である. 組込みでは,コンピュータなので離散世界,デジタルで考えている. それぞれは全く違う. なぜ,そのようなことが起こるかというと,バックグラウンドが全く違うため. 組込み屋はコンピュータサイエンスが基本だが,制御屋は制御理論を基にしている. 企業では,興味の違いもある. 組込み屋が気にすることは,いかに仕様に忠実に実装するかである. 一度検証したソフトには,なるべく手を入れたくない. これは新しい制御理論を考えても,既存の製品にはそれを取り入れたくないということ. 一方,制御屋は制御モデルが安定しているかを気にする. モデルには数式を使うが,それが人や飛行機,自動車の世界に適応できるという 汎用性に興味がある. 前述した,言葉の違いについて. 性能について言うと, 組込み屋はスペック的なもの,プロセッサやメモリなどを考える. 一方,制御屋は安定性やロバスト性(外乱の強さ)などを考える. モデルについて言うと, 組込み屋は,ソフトウェアの一側面を表した,抽象度を上げた残りの部分のことを考える. 例えば,ユースケース図やコンポーネント図,シーケンス図,周期のモデルなど. 一方,制御屋では数式のことをモデルという. ■制御屋の考え方 ここからは制御の考え方について話していく. 制御とは,ある目標を立てて,それを達成させること. 例えば,フィードバッグ制御では,ある目標値が与えられ, コントローラで計算して,実際のモータにどれだけの電流を流すかなど, 適切な操作量を操作対象に与えるのが制御の基本である. 次に,制御の捉え方について. 組込み屋にとってはコンピュータに制御対象がついたもの. そして,コンピュータ以外の世界を環境と呼ぶ. しかし,環境の中に制御対象があることに制御屋は驚く. 一方,組込み屋が驚くことは,制御屋はコンピュータが思い通りに動くと考えている. 例えば,処理時間が0と考えたり.遅延が0と考えたりする. では,制御屋が実際にどう制御理論を作るかについて話す. まず,実世界にある制御対象(プラント)をモデル化(数式化)する. そして,プラントとコントローラを合わせてモデル化(数式化)する. 次にモデルの数式から実装を行う. 実装では連続世界をデジタルで扱えるよう離散化する. 学問だと制御屋はここまで,実装にはあまり興味がない. 「周期」が違うという話だが, 制御屋が式を出し,周期がどれくらいなら安定すると行った場合でも, 実際には,短い時間で実装しないと安定しないということがある. これは周期の捉え方が違うため. 制御屋のイメージでは,10ms周期で安定すると言う場合, 0,10,20,…で実行されると思っていて,0で実行したら0で終わると思っている. しかし,組込み屋は0で起動したら,10までに終わればデッドラインミスしないので, リアルタイム的にはそれでいいと思っている. このように,同じ「周期」という言葉でも考えている意味が異なる. ■まとめ 学問的に見ると,組込み屋としては,数式→離散化→アルゴリズムの流れにおいて, どのようにプログラムにしているのかが知りたい. 制御屋としては,作成した式がどのように実装されるのか, また,数式のパラメータがいつ決まるのかが知りたい. ■質疑応答 質疑応答はパネル時にまとめて行う. (この後,10分の休憩を挟み,パネルディスカッションへ) ********************************************************************** セッションS45-c パネル テーマ:Cyber-Physical Systemsチュートリアル & パネル コーディネータ: 安積 卓也(立命館大学) パネラ:高田 広章(名古屋大学),鈴木 達也 (名古屋大学),     加賀美 聡(産業技術総合研究所),佐藤 洋介(デンソー),     加藤 真平(カリフォルニア大学サンタクルーズ校) 日時:2011/9/2 13:50〜15:50 参加人数:約50人 ********************************************************************** ■はじめに 各分野の立場のパネリストにより,CPSの流れを踏まえたこれからの組込みシス テムのあるべき姿について議論していく. ■進め方 ・パネリストからのポジショントーク(10分程度×4名). ・チュートリアル,ポジショントークを踏まえたパネル討論. ・時折,会場からの質疑・意見を交えての議論. ■パネリストの立場紹介 高田氏 :組込みシステム分野に従事 鈴木氏 :制御工学分野に従事 加賀美氏:ロボット工学分野に従事 佐藤氏 :自動車工学分野に従事 加藤氏 :アメリカのCPSとしての立場から ■高田氏のポジショントーク 組込みシステムの立場からCPSについて考えることを述べる. まず,CPSに対するスタンスとしては,米国の研究コミュニティが, 予算を取るために作ったキーワードという気持ちが拭えない. CPSのコミュニティには,リアルタイムシステムの研究者,システム制御の研究者, 形式手法の研究者などがおり,これらのコラボレーションからなにが生まれるかは興味深い. 今回は2題,話題提起する. 1つは,CPSに関する問題意識〜制御と組込みシステムのギャップ〜について, もう一つは,組込みシステムの今後の変化と統合システム(CPS)について. 以前,エンジン制御システムをマルチコア化する研究をやっている時に気づいたこととして, ソフトウェア屋として驚いた事は,制御システムの正しい振舞いが定義されていなかったこと. エンジン制御のプログラムを動かして,結果が正しいかを確認する手段がなかった. 制御システムでは,入力に対して出力は一意でなく,どの出力も許容される場合もある. そこで,制御屋さんには,制御システムの正しい(許容される)振舞いが, 何であるかを定義して欲しい. また,許容される遅延や誤差を明示してくれると嬉しい. しかし,実際にはそれは難しい問題である. 例えば,制御周期を一つに決めた場合,仕様に柔軟性がなくなる可能性がある. また,許容される動作を明確化するのは難しく, 実際に動作させてその性能を見るしかないという意見もある. そこで,目標性能を満足しているかの基準が明確になれば,正しい振舞いが定義されたと言えるので, この点からやってみるのはどうかと思う. 以上から,見えてくるCPSの課題は,制御と組込みシステムの協調設計だと思う. システム全体でパフォーマンスを向上させていくのが良い. 次に,組込みシステムの今後の変化について. 現在,スマートグリッド,エネルギーITSなどのように, 情報通信技術と組込みシステム技術を活用したスマート社会を構築することが世界的な流れであり, 持続可能な社会を作っていくためには普遍的な流れ. 経済産業省の委員会では, 組込みシステムと情報システムを統合した大規模なシステムを統合システムと呼んでいた. これをCPSと呼ぶといいのではないか. 統合システム開発上の課題としては,異なる開発文化のすり合わせが必要となる. また,組込みシステムが社会インフラ化し,物理的な世界と繋がることで, より高いディペンダビリティが要求される問題がある. 具体的には安全性(セーフティ)とセキュリティの両立などがある. セーフティ分野では厳密なリスク評価をする. 一方,セキュリティ分野でも,リスクの考え方はあり,評価式もあるが, 脆弱性と脅威の評価手法が難しく,確立はしていない. また,脅威は時間とともに変化するという問題もある. これらを解決しなければ,セーフティとセキュリティの両立は難しい. これらが今後の大きい研究チャレンジだと思う. ■鈴木氏のポジショントーク 制御工学の立場からCPSについて話す. パネラ自身は組込みシステムに関してあまり知識はなく, 実装にも余り興味は無い. 制御システムはCPSそのものだと思う. 今回は,制御器設計とソフトウェア実装の繋がりについて, 制御屋とソフトウェア屋の折り合いの話を紹介する. まず,制御器の開発フローから話す. 対象のプラントからモデルを作るが,1種類のモデルだけではない. 制御設計用のプラントモデルを直接つくる場合もあるが, プラントシミュレータと呼ばれる近似的なシミュレータを作ることもある. プラントの数理モデルを作ったら,要件のモデル化も必要となるので数理モデルを作る. そして,プラントの数理モデルと要件の数理モデルから,コントローラの数理モデルを作る. その後,プロトタイプコントローラをコーディングし,上手くいけば実際の実装を行う. 制御屋と組込み屋の橋渡しとなるコントローラの数理モデルから, プロトタイプコントローラのコーディングをいかに上手く繋げられるかが重要な問題である. これがCPSの課題だと思う. 制御器設計は,閉ループ系に対する動作仕様の数理モデルなどに基づいて, 安定性やロバスト性などの観点で設計する. 制約条件付きの最適化問題として,設計問題を定式化する. 対して,制御ソフトウェア実装は,ソフトウェアの動作仕様に基づいて, 信頼性,リアルタイム性などの観点で設計する. そして,製作と検証を繰り返す. 制御器の場合,ソフトウェアの動作仕様の策定が容易ではない. 組込みシステムは制御型とインタフェース型に分類できる. 仕様記述の違いとして, インタフェース型は,入出力の仕様記述が比較的容易. 制御型は,入力信号が出力信号の関数となり,テスト信号を独立に設計できない. また,リアルタイム計算の速度が物理系の持つ時定数に依存する. 他にも.必要となる計算速度が閉ループ系の感度による,などがある. そのため,対象の物理モデルが必要となる. システマチックな検証を行うには,抽象化したレベルでの,統合化数理モデルが必要になる. 状態の概念として,制御系設計時では連続変数,ソフトウェア実装時では離散変数を使う. CPSでは,これらを合わせた,連続/離散ハイブリッドシステムが出てくる. 統合して,一般化した性質を捉えて定式化すると良いのではないかと考えてる. ハイブリッドシステム表現方法の例として, 離散モデルからハイブリッドシステムを表現する場合は, 連続状態の集合を持ったハイブリッドオートマトンなどを使う. 連続モデルからハイブリッドシステムを表現する場合は, 区分的アファイン,混合論理動的,線形相補性などを使う. 最後に,CPSの学術的視点によるブレークスルーとして, 1つ目に,システム科学からの視点として, ハイブリッドシステムと分散システムを融合したモデルベースのシステム. 2つ目に,アーキテクチャからの視点として, CPSでは人間が必ず関係してくるので, 人間をコンポーネントトとして,明示的にシステムに入れるべきだと思う. ■加賀美氏のポジショントーク ロボット屋として,産業技術総合研究所のデジタルヒューマン工学研究センターで研究している. CPSでの,ロボット構成法のクラシカル考え方は, 認識する機能,計画する機能,制御する機能,更に組込みシステムとリアルタイムシステムからなる. CPSの概念を詳しく知らなかったが,この構成法は近いものだと思われる. 今やっているのは,カメラ画像からジョイスティックで操縦するロボット. 従来,先程の3つのコンポーネントを基にやってきたが, 今起きている問題は,デバッグをどうするのか. どこが悪いのか,ログをとっても分からない, 物理世界に何があったかは分からないため. そこで,システムのデバッグ・ログ用MRシステムというものを作った. ロボットが見たもの,どう考えたか,どう動いたかの全てのログを取り, 時間を合わせて可視化する. これにより,独立の検証ができる. 他に今は,ART-Linuxという,実時間組込みOSを作っている. Linuxカーネルを修正したユーザ空間実時間処理システムコールを備えた実時間組込みOSである. 日本のロボットの研究ではよく使われている. 一方,世界では,グーグルカーが話題. 屋根に付いている全方位型の距離センサから, 他者の存在を認識し,自身の位置を判定している. 他者を監視し,それらが次にどう動くか予測するところは凄い. 計画の部分が良くできている. 他にも,HERB(intellab@pittsbugh)の物体操作や Justin@DLRの物体操作などを紹介. 指の操作はハードルが高い. Google Cloud ROBOTICSというアイデア提案があり, ロボットが使えそうなサービスが既に多くある. グーグルマップや,ストリートビュー,ゴーグルなど. 最後に,現状認識と問題提起について. 物理世界を記述するための言語が全然違う. フルソースは全てC++とLinuxだったり,CPUリソースも恐ろしく高い. 組込みではありえないかもしれないが,論理検証や機能安全は考えていない. とりあえずは動くけど,安全かどうかは分からない. そこが問題点としてある. ■佐藤氏のポジショントーク CPSの専門家でも何でもないが,担当製品がCPSに近いということで今回呼ばれた. 仕事は,エアコンECUのソフトウェアを作ること. Simulinkで記述された制御モデルとその他の部品仕様などを受け取り,それを基に開発を進める. 製品は,ヒューマンインタフェース,ステートマシン,連続系で モデル的には,ハイブリッドな製品となっている. センシング情報を車内の様々な所に付けられたセンサー群から取得して,操作量を決める. 自身の周囲には,制御屋回路や筐体屋などがいる. CPSの第一印象については,胡散臭かった. 予算取りのラベルではないか? 教科書を読んで調べたが,やはり胡散臭かった. しかし,教科書が硬派だった. どんな印象を受けたのかを説明する. まず,本題に入る前に,バッググラウンドとして,車両開発のイメージを説明する. 車両開発では,先行開発と量産開発の2つが走っている. この2つには大きなギャップがある. 先行開発は機能優先だが,量産開発では処理負荷,ROM/RAM,スケジューリングなどの考慮が必要である. 先行開発は,MATLAB,Simulinkでモデルの設計をして,RDS-Fitと呼ばれる適合・計測ソフトを使い制御の仕様を作る. モデルはオートコード生成で生成される. 仕様の流れとしては,バリエーション毎にファイルを送ってくる. パラメータを変えたと言って,毎日新しいモデルを送ってくる. どうしたらこのギャップが埋められるかを調べている時に,ある教科書に出会った. (安積氏が紹介した本と同じもの). 広く浅く勉強する機会を持つことで,自分の弱点を知ることができた. 組込みプロセッサなどすらすら読めるところもあったが, モデル関連のところは大変だった. そして,大変だった所が自分の足りない所だと分った. みなさんも頑張って読んで下さい. CPSは胡散臭かったけど,教科書は硬派だったというのが結論. 教科書では良い製品を作るためのエッセンスが効率的に分かる. ただし,ソリューションの話に限定されている. ■パネル討論 安積氏:  加藤氏への質問.  CPSの流れで,大学での研究にどのような影響があるか?  また,企業での開発にどう影響するか? 加藤氏:  研究者の立場からの意見としては,CPSは研究者をハッピーにできるものだと思う.  日本でもアメリカでも,先輩の研究を引き継いで研究することが多いと思うが,  自分の研究がCPSと関連していれば,社会インフラなどに対して,  自分が貢献できていると思えるようになる.  技術的にも難しい問題なのでやりがいはある. 安積氏:  高田氏,鈴木氏への質問.  CPSで変わったことや変わらないと予想されることは? 高田氏:  まだCPSを良く分かっていないが,  ポジショントークで話した点が変わるのではないかと思う.  また,変わっていく必要があるのではないか. 鈴木氏:  CPSでハイブリッドシステムが可能的になると思う.  ハイブリッドシステムには残っている課題が多く,  分散的な部分を取り込んだアイデアが必要.  これらをCPSが示してくれているのではないかと思っている.  ただし,すぐに何かができるとは言えない. 安積氏:  ポジショントークで,人間をシステムに絡めるとあったが? 鈴木氏:  人間もCPSの一部だと思っている.  例えば,人間の特性を無視した良い車はありえない.  人間というコンポーネントを明示的に取り出して,  システムの一部とすると,欧米とは違うものができるのではないかと思う. 安積氏:  加賀美氏からは何かありますか? 加賀美氏:  ロボットの観点から言うと,  ロボットから見て,人の形や動きなどを記述する方法が無い.  また,人を認識するセンサーもルールも無い.  システムを使う人の概念が必要. 安積氏:  佐藤氏への質問.  CPSの流れを受けて,企業は変わるか? 佐藤氏:  変わる変わらないより,お互い協調することでギャップが埋まり,  副次的にいい製品ができることはあるかもしれない.  社内では,モデル,設計,解析の3本柱を分断して教育しているが,  全てをやるようにすれば,いい空気が生まれるのではないか. 安積氏:  加藤氏からは何かありますか? 加藤氏:  皆さんへの質問.  今後日本は,世界の標準に合わせてやっていくのが良いか.  それとも,日本の技術を使い,世界に対抗できる独自のものを作るのが良いか? 高田氏:  どっちも正解だと思う.  標準には乗らないと効率は悪い.  なので,難しいが,日本が標準を作らないといけない.  日本で,どこが強みとなるかは難しい問題.  ものづくりは強いが,コンセプト作りは苦手な所があるので,  コストパフォーマンスがいい所を作り込むのがいいと思う. 鈴木氏:  WindowsもMATLABもSimulinkもアメリカ発.  日本はアプリケーションで競争している感じがする.  やはり,標準を持っている方が強い.  日本でも違う視点を打ち出し,標準を作らないといけない.  ただ,人間の要素をシステムに入れることが,標準となるかは分からない. 加賀美氏:  ロボットやOS,検索エンジンなど全てを牛耳られている.  日本では認識や計画が大きく遅れていた.  ただ,持っている道具は一緒なので,新しい物を作る努力をするかどうか. 佐藤氏:  CPSという共通言語を手に入れ,新しいコミュニティができ,  そこで,グーグルなどに新しいアプリケーションが企画されて,  また,ビジネスチャンスを失うのではと危惧している. 加藤氏:  日本の車産業は,まだ強いと思うが. 佐藤氏:  グーグルは従来の発想と違う.  自動車制御の発想では,グーグルのような,  膨大なデータを収集し,データベースを蓄積して,とはならない.  平然とやってのける力は凄いと思う. (ここで会場からの質問) T氏:  日本で,CPSの大規模なコミュニティができない理由はなぜか?  なぜ,アメリカではそれができたのか? 加藤氏:  アメリカでは,常に世界で1位になろうというのが共通認識.  そして,CPSは世界が取れそうなキーワードだった.  アメリカでは,新しいものが出てくると,それを作ろうという意気込みが凄い.  理解出来ないところは結構あれど,勝ちたいと思っているのは皆一緒.  なので,皆が共通認識をすぐに持つのがひとつの要因.  あと,アメリカでは法律が緩い.グーグルカーを日本でやったら違法. 加賀美氏:  グーグルは,地元には認めてもらっている.  ただ,アメリカのグランドチャレンジなどは無許可.  いい事しているのだから,やってもいいだろうというのが結構ある.  日本人は,コンプランス意識が高いので,いい事をやっていても何も出来ない.   加藤氏:  補足すると,グーグルは申請してやっていた.  そして先日,ネバダ州では,正式にやっていいと法律が変わった.  アメリカでは,イノベーションがある時に国が柔軟に対応してくれる.  ここは日本と大きく違う所.  CPSの大きな波としてスマートグリッドがあるが,今アメリカでは,  電力網が重大な問題となっているため,電力会社も協力している.  日本でも,このような産学官の連携が必要.  この事に関して,どなたか意見はありませんか? 加賀美氏:  アメリカでは,高齢者でも頻繁に車を運転する.  そのため,高齢者でも運転できるような車を作ることは社会的使命.  一方,日本では,高齢者は運転を控えろという社会.  このように,自動車運転に関する意識の違いが大きい.  あと,DARPAのプロジェクトでグランド・チャレンジがあるが,  戦地で偵察する車を作るのが目的にも関わらず,  賞金を出してたことで,多くの大学が参加した.  軍事目的なのに,結果としては学術が盛んになった.  日本では軍事予算少ないし,そのようなことはしない. (ここでT氏の質問への回答は終了) 安積氏:  他には何かありますか? 高田氏:  鈴木氏の人間をモデルに入れるべきという意見は,私も以前から思っていた.  例えば,スマートグリッドでは人間のエネルギー消費行動がモデル化できていないと,  良いシステムは作れない.  以前聞いた海外のCPSの話では,この考え方が抜けていた.  では,人間の行動モデルはどう作るのかという話だが,名古屋大学でそれをやっている研究室がある.  方法としては,データセントリックモデリング,ひたすらデータを集めそれをモデルと主張する方法.  それをモデルと言っていいのかは微妙だが,行動を確率で予測できれば良いので,広い意味のモデルと言える.  グーグルはそれが得意で,グーグルが世の中を変えたのもそこだと思う.  量により質的変化が起こる.柔軟に考えていかないといけないと思う. 鈴木氏:  同感.ただ,闇雲に集めるのではなく,統計量など意味のあるデータを集めるためには,  ある程度仮設を立てたり,データの集め方に工夫がいる.  モデルからのトップダウン的なやり方と,データからのボトムアップ的なやり方を融合して,  CPSに対応できるようなものを作る必要がある.  明示的にシステム設計に組込みのはハードルが高く,人間の行動予測とは精度が悪い.  安全性とかを保証するためには,違う数学的な枠組みが必要.  期待値を上げれば良いというものあるかもしれないが,ワーストケースだけだと駄目だと思う. 加藤氏:  皆さんへの質問.  今回のパネル討論の話があった時に,初めに思ったのは,  はたして日本はCPSが欲しいのか,ということ.  CPSの概念を使って,日本にどのようなアプリケーションがあればいいと思うか?  あと,自動運転は必要と思うか? 佐藤氏:  自動運転は必要だと思う,というのが個人的にも会社的にもの意見.  もう一つの質問に対しては,少しずれるかもしれないが,  CPSはプラットフォーム間やネットワーク接続連携に価値がある.  車はネットワークと繋がる線が細く,携帯電話回線でしか繋がっていない.  仮に強力な回線ができた場合,グーグルは既に多くの要素技術を持っているので,  かなり攻め込まれるのではないかと危惧している.  一見,無価値なものに価値を持たせるのは凄い.  ネットワークの線が強力になると意外なサービスやデバイスが連携して,  凄い価値が出るのではないかと思う.  日本がやるべきことは,もっとディスカッションをするべき. 高田氏:  (スライドのCPSの例図を示して)この絵は狭いと思う.  両方とも組込みシステムで,制御がない.  上にクラウドコンピューティングが付いていると,  将来の組込みシステムとの違いが明確になって良いと思う. 加藤氏:  でもクラウドコンピューティングをつけてしまうと問題が難しくなる.  システムを作るときに,他の分野との繋がりを先に持つべき. 高田氏:  今回紹介されたものが,クラウドなしで実現されるとは思えない.  情報システムなしのスマートグリッドはありえない. 加藤氏:  情報システムをつけるというのは同じ認識だが,それがクラウドとは言えない.  個人的には,クラウドはデータサービスという認識.  クラウドが入るとラージスケールコンピュータになってしまう.  より問題が難しくなり,ディスカッションが収まらなくなると思う. 高田氏:  難しいとは思うけど,そういう流れになる.  メディカルなどのアプリケーションとクラウドは相性がいい.  例えば,多くの人の過去の健康状態から,自分の健康状態が分かるものとか. 加藤氏:  自分のクラウドの印象はデータセンタ. 高田氏:  先ほどの例だと,多くの人の健康状態を集めて,というのはまさにデータセンター. 加藤氏:  CPSの観点から言うと,今のメディカルデバイスは,  多くのところが作っていて,連携できていない状態.  まず,それを1つのシステムとして1元化したい.  データセンターと繋がっていると嬉しいが,それはまた別の話.  まだ,そこまでできていないので,そこができてからの話だと思う. 高田氏:  今からそこまで考えていないと負ける.  グーグルの発想はそういうところ.  難しいのは分かるが,やらなければいけない時代. 加藤氏:  海外と競争するにはそういう発想も必要だと思う.  では,どうやって横のつながりを持ち,皆でまとまってコミュニティを作っていくのか.  また,誰がリーダになって分野間の橋渡しをするのか?  組込みが制御を理解するのは無理だし,やる必要はないと思う.  共有する情報をいかに最低限に抑えるかが問題になる. 佐藤氏:  SWESTはDAシンポジウムと共同開催している.  だけど,うまく融合できなかった.  HW屋の心をSW屋が知ることや,その逆を期待したが上手くいかなかった.  でも,CPSがあったから今回他分野の人の話が聞けて繋がりができた. 加藤氏:  本日のパネラの中だと加賀美氏がCPSに一番近いのではないか.  ロボットは,コンピュータが周囲を認識して行動を決めていく.  かつソフトウェアやネットワークを使う.  驚いたのは,加賀美氏が紹介したロボットが,  昔共同でやっていた時よりも,かなり規模が大きくなっていた.  どのようにして,規模の大きいシステムを作れたのか? 加賀美氏:  今プロジェクトには,制御屋,メカトロ屋,ソフトウェア屋,ネットワーク屋,  デバッグ屋,など多く分野の人達がいる.  異分野間で言葉が通じなく,お互いに仕様が出せるかなど,最初は大変だった.  次はこうしようなど,前回をベンチマークとして改善していった.  一発では難しいと思うが,やるはめになったらやれるのでは,と思う.  DARPAのプロジェクトが羨ましいのは,成果を出したら賞金がもらえること.  もう一つ,DARPAのプロジェクトにリトルドックプロジェクトと言うものがある.  56の機関や企業が採用されて,皆が同じHWで,同じSWを開発する.  2ヶ月に1回のコンペティションをやって,成果を競う.  そして,勝者はコードを公開するということを繰り返す.  これをやると全体が良くなる.  競うけど技術を共有することが必要だと思う. 佐藤氏:  ETロボコンがあります. 加賀美氏:  ロボコンレベルだとありますね.  何か共通のことを決めて,競い合うことが日本でも必要だと思う. 鈴木氏:  皆さんへの質問.  教育の仕方として,制御系と情報系をどう両立させるか?  良い順番や行程があるのか?  大学がしっかり考えてカリキュラムを真剣に作るべきだとは思うが. 加藤氏:  制御器のプログラムは誰が書くのがいい?  制御屋が書くのがいいのか,制御屋からモデルをもらって,組込み屋が書くのがいいのか? 高田氏:  一人の人間の能力で勉強できることは限られている.  制御でも情報でも両方研究者になるのは難しい.  制御の基本くらいは勉強して,制御屋さんが言っていることくらいは,  分かるようにならないといけないと思う.  そうしないと分野を跨いだ良いものはできない.  何か良いゴールがあるといい.  ゴールに向かって,お互いの分野を勉強して,  何年か議論しているといいものができるのではないか.  時間掛けて,お互いのことを理解する必要がある. 加藤氏:  他の分野をどこまで理解したらいいか,そこを上手くフレームワーク化するといい.  そういう抽象化を日本から出せれば,競争力がつくのではないか. 高田氏:  そうなれば素晴らしいと思う.  ただ,どこまで知っていれば良いのかは,長く議論して相手のことを知らないとできない. (ここで会場からの質問) 質問者:  先程,加藤氏から誰がリーダとなり,どう協力し合あうのがいいか,という話について.  アメリカではロボットに対するイメージが良くなかったと聞いたことがあり,  一方で,日本では鉄腕アトムのように,印象が良い思想が漫画家によって広まった.  そこで,漫画家がリーダになるのはどうでしょうか?  ターゲットだけを明確に持った人を頭に据えて,  各分野を専門家がソリューションを提供できるように話しあう.  更に,他の分野の専門家には口出ししないというスタンスで話し合いを始める.  そうすることで,入力と出力が限定できる.  相互の理解ができない部分のみを共有理解できるように勉強する.  個々のエンジニアが全てを理解するのは,やはり難しいと思うので,  誰かが明確なターゲットを作り,作った上で皆が解決していく.  解決する人たちが相互理解をしないままでも,始めることがあっていいのでは?  その場合,問題が多くあるのか? 加藤氏:  それぞれの分野の人が相互関係を持たないままで,  各々研究することは,もうやってる人はやっている.  リーダがいると言ったのは,最終的に1つに組合わさないといけないような,  スマートグリッドや自動運転などのシステムのこと.  誰がリーダをやるべきか,などはまだ勉強段階なので分からない. 高田氏:  ターゲットを決めれば,というのはいい.  ターゲットがある中で議論すれば,割と相互理解できると思う.  ただ,お互いの分野に踏み込まないというのは反対.  踏み込んで,融合ができてインタフェースを作る. 鈴木氏:  スタートとしては,相手のことを分かっていなくてもいい.  お互いの分野が積極的に干渉して,段々と育っていくのではないか. 加藤氏:  それを実際にどうやるのがいいのか?  定期的に集まるのがいいのか,  各自が勉強して,分からないところをメールなどで積極的に聞くのがいいのか? 鈴木氏:  スタート時点は知識がなくていいと思う.  夢を持つ人がターゲットを追いかけるのはいいと思う.  知識は無いけどこんなことできませんか,と言える場所があるといい.  歩み寄りをして,整合性をとる流れを作ることが重要.  そこがリーダの仕事だと思う. 加藤氏:  誰が初めの音頭取りを持つのがいいか.  それは今インパクトを持っている人がやるのが良いと思う.  私がここでやっても誰も付いて来ないと思う.  誰かインパクトのある方,やってくれませんか? 高田氏:  安積氏が呼びかけてやっている研究会がある. 安積氏:  関西で,制御系の研究会を立ち上げた.  今の段階は,制御系の人と情報系の人が集まって,  自分たちには何ができる,という事を教え合っている.  興味が結びつけばいいと思ってる.  9月まで教え合って,それ以降でどう融合させるかを議論する. 加藤氏:  1つのシステムに持っていけるような感じは? 安積氏:  どんなアプリを作るかは今からしていくので,まだ分からない. 高田氏:  物作りにはお金がいるので,集まった人で国に予算を請求したり,  うまく運営すれば良いのではないかと思う.  若手がやってくれても全然いいと思う. 加賀美氏:.  研究者同士がお互いの役に立つのは難しい.  自分の研究でないところは知らない.  昔のプロジェクトが悪夢のように蘇る.  以前,プロセッサ屋とOS屋とロボット屋が集まって,  そのプロセッサを使って最先端のロボットを作るCRESTのプロジェクトがあった.  1段目は失敗して,2,3段目はアイドルしているだけで5年間が終わった.  ロボット屋は,プロセッサは買ってきたら動くと思ってた.  デバックするスキルもなかったし,何にどれくらい頼れるのかが分からなかった.  道具は信頼できるか,できないかというのが重要だった. (ここで時間になったため終了) ■本セッション全体のまとめ 加藤氏: 最近,欧米で注目されている新しい概念のCyber-Physical Systemsについて, 簡単なチュートリアルをした後に,パネラを交えて6人でディスカッションを行った. 結果として,これから日本を世界に持っていくために,皆で頑張っていこうという 共通の認識を持つことができた. これを土台に,異なる分野間で共同研究などが出来れば良いと思えることができた.