*********************************************************************************************** ワーク: S1-a  テーマ: みんながプログラミングする日 講師:  原田 康徳(NTTコミュニケーション科学基礎研究所) 日時:  2011/9/1 21:00〜22:30 参加人数:終了時 約17名 *********************************************************************************************** ◇セッションの雰囲気───────────────────────—─────—─────── │ −参加者のほとんどが各自,自分のPCを持参し,それを利用してプログラミングを楽しみつつ │  他の人と作品を共有しながらワークショップが進行 │ −お酒やおつまみに気軽に手を伸ばせる環境で,なおかつ講師や隣の人と気軽に会話ができるムード │ −終始雑談・談笑が聞こえるが,各自プログラミングに夢中になっていた ◆─────────—───——─────────—───——─────────—───——─ ◇セッションの諸準備───────────────────────—─────—─────── │ −各自,自分のPCを持参してそれを用いて作業を行う │  ・WEBブラウザ+Flashの環境が必要 │   −OSの種類,WEBブラウザの種類は問わない │  ・講師のPCをサーバとして接続し,サーバにあるアプリ(Viscuit)を使用 ◆─────────—───——─────────—───——─────────—───——─ ◇セッションの内容───────────────────────—─────—──────── │ −Viscuitを用いた教育活動について(10分) │  ・なぜこんなことをやっているのか │  ・講師の自己紹介 │  ・本日やることを紹介 │ −Viscuitを用いて各自実際にプログラミング(50分) │  ・ツールの紹介と使い方の説明 │  ・プログラミング │ −作品紹介(20分) |  ・受講者の作品紹介(5分) │  ・小学生の作品紹介(15分) │ −質疑応答とViscuitに関する感想・コメント(10分) ◆─────────—───——─────────—───——─────────—───——─ ◇Viscuitを用いた教育活動について ───────────────────────—─────— │  │ ○なぜこんなことをやっているのか │ │  −文化的で豊かな情報化社会を作りたい. │   ・そのためには,ITを使用するずべ手の人はプログラミングをするべき │ │  −情報の世界に存在する2つの谷 │   1.デジタルデバイド │    −IT機器を使いこなす │    −IT機器を使わない・怖い・嫌い │   2.プログラミングをする │   ⇒1は見えている人は多いけど,2は注目されていない │ │  −小学校にデジタル教科書を導入する案 │   ・1は見えている人は多いけど,2は注目されていない1つの例 │ │  −料理・文学・音楽などにはこんな谷はない │   ・音楽も料理も文学も誰もが一度は触れる │    −誰でも一回くらいはじゃがいもの皮くらいは剥いたことがある │    −音楽も,小学校でリコーダくらいは演奏したことがある │ │  −谷をなくしたい! │   −谷がなくなると豊かな文化が生まれる │ │  −一般的な人の声 │   ・難しすぎて分からない │   ・プログラミングをするというのはなんぞか │ │  [発言 1]食べるのが嫌いとかと似た問題かと思う │ │  [発言 2]同感.プログラミングが難しいっていうのは思い込みなような気がする │ │  [発言 3]アラン・ケイの考え方と似ている │ │  [発言 4]それで,結局どうしたいの? │  [解答 4]見えてない所をなくして,なおかつ谷をなくしたい │  −プログラミングは何かに例えられるようなものではない │   ・直接体験しないと理解出来ない │    →大変な理由 │   ・普通に人生を生きていて,経験して獲得できるようなものではない │    →教える機会を設けないといけない │ │  [発言 5]確かに賛成.普通に人生を生きていてプログラミングをする機会なんてない. │ │  [発言 6]料理とか音楽とかはするけど,プログラミングはしないまま大人になる人が多いね. │ │  [発言 7]いずれはなるかもしれない. │ │  [発言 8]ゲームはするけど作ったことはない,音楽は聞くけど音楽を作ったことはないと │       おんなじだと思う. │ │  [発言 9]演奏はできるけど,作曲はできないみたいな感じですね. │ │  [発言10](発言9)の方がが近いと思う. │ │  −文系の人,女子にもウケるものでないといけない │   ・数学を前提としない │   ・誰も落ちこぼれない │  │  [発言11]プログラミングのどの部分が伝われば良いのか? │  [解答11]その人の理解に応じて伝われば良いのではないかと考えている. │ │ │ ○講師の自己紹介 │ │  −小学校時代 │   ・粘土で怪獣を作りまくっていた │  −中学校時代 │   ・ハンダ付けで電子工作 │  −高専時代 │   ・8bitマイコンを使った工作 │   ・その時の印象「コンピュータは粘土だ」 │ │  −中学校時代と高専時代の違い │   ・中学校の時のLEDのピカピカと,高専の時のLEDのピカピカの違いは,高専の方は数字を │    入れ換えると簡単に光かたが違うって所. │ │  −「16歳の時にコンピュータは粘土だ!」 │   ・そしてそのまま大人に │ │  −2002年 小学生の娘に使わせるためにViscuitの開発に着手 │   ・目的 │    −プログラミングは楽しいんだということを教えたかった │    −そもそもコンピュータを嫌いになって欲しくなかった │    −自分の子なので失敗できない │    −そのためによその子で実験もした(笑いが起きる) │ │  −ワークショップについて │   ・小学校,児童館,科学館,美術館などへ行って,ほぼ毎週,どこかでViscuitを使った │    ワークショップを実施 │   ・下は5歳から │    −5歳児でも結構できる │   ・小学校2年生,3年生くらいになるとかなりすごいものが作れる │   ・継続ですごい子供を続出 │   ・楽しんでもらっている │ │  [発言12]自由に作れるからたのしい程度なの?どの位の程度で楽しんでるの? │  [解答12]これから話す. │ │ ○本日やることの紹介 │ │  −ワークショップ体験 │   ・理系向けの絵をあまり書かなくても良いバージョン │   ・WEBサーバベースで行う │   ・途中で,受講者の作品の紹介もやる │  −子供の作品の紹介 │  −随時議論 │ │ [発言13]子供にいかにプログラミングを嫌いにさせないかですね. │ │ [発言14]推奨のブラウザとかは? │ [解答14]特にない │ │ [発言15]ワークショップの時にはブラウザは何を使うの? │ [解答15]Chrome.理由はChromeだと閉じるボタンを間違って押さないようにできるから. │ │ [発言16]Linuxでも動く? │ [解答16]動くと思うけど,Flashのインストールが必要. │ ◆─────────—───——─────────—───——─────────—───——─ ◇Viscuitを用いて各自実際にプログラミング ───────────────────────—── │ │ ○ツールの紹介と使い方の説明 │  −プログラミングの方法 │   1.自分で絵を各 │   2.書いた絵をキャンバスに配置 │   3.図形変化を描写 │   4.3を組み合わせることで様々な動きを表現 │   5.さらに4を組み合わせることにより,一つの作品を仕上げる │ │ ○プログラミング │  −様子 │   ・各自,自分のPCで思い思いの作品を作成 │   ・普段行っているプログラミングとは違うため戸惑う人も │   ・となりの人と話しをしながら楽しみながら作業を行う | │ ◆─────────—───——─────────—───——─────────—───——─ ◇作品紹介───────────────────────—───────—───────—── │ │ ○受講者の作品の紹介 │  −ものとものがぶつかったものをトリガーにした作品が多かった |   ・シューティングゲーム |   ・ブロック崩し |   ・つぼみに玉が当たると花が咲く │ | [講師]実は2進数とか,ゲノムとかも表現できる. |   →受講者からの好評を得る | | [発言17]キャラブイラム・スプライトのときは作りやすかった. | │ ○小学生の作品の紹介 │  −UFOキャッチャー |  −絵本 |  −複数人で作業した時の作品 |   ・非常に独創的で口頭ではとても説明できない |  −ゲームを作っている子もいた | | [講師]こういう活動を子供にむけてやっている. | [発言18]普通のプログラミングをすることの基盤部分になるね. │ [発言19]アルゴリズムを考える基本になる | │ [講師]推進していきたい.いろんな所で活動している. │ [発言20]SWESTの中でも下の世代を育てる取り組みをやっていく必要がある | | [発言21]Viscuitに夢中になる小学生には女の子が多いような気がする ◆─────────—───——─────────—───——─────────—───—— ◇質疑応答とViscuitに関する感想・コメント ───────────────────────—─ | |(感想1)プログラミングを始めるのはだいたい大学に入ってからだが,小中学生のうちから |  こういうがあったらいいなーって思った.大体,プログラミングの世界で活躍されて | いる人は中学生くらいから始めているので,中学生くらいのプログラムをする層を | 増やすことで,将来的に活躍するプログラマーを育成できるのではないかと思った. |                                (Aさん:学生) | | ・小さい頃こういうのあったらいいなと思う?(Bさん@CQ出版) |  →思います(Aさん:学生) | | | ・C言語なんかでのプログラムは楽しいと思わないよね?(Bさん@CQ出版) |  →思わないですね.めんどくさいし.(Aさん:学生) | | │ [発言22]動きの組み合わせで機能が実現できるとうことを教えることができるね. | | |(質問2)アラン・ケイがViscuitに似たもので「スクイーク」というアプリを作っていたが, |     違いは?(Cさん) | |(解答2)後継でスクラッチというものがある.スクラッチのサイトの登録者の割合は,男児が |女児の2倍だそうだ.ワークショップの参加者も男児が多い.それに小学校3年生には |楽しめないと感じた.(講師) | | ・スクイークのワークショップを小学生向けにやったことあるが,女の子も遊んでたよ?要は |  教え方次第だと思うけどどうなの?(Cさん) |  →自分は同じ教え方をしたときにViscuitの方が簡単に楽しめると思っている. |   自分以外の第三者に評価してもらいたい.(講師) | | ・スクイークをやる女の子は数学ができる子が多いが,これをやっている女の子は数学全然 |  できなくてもできる.5歳児でも実際に使うことができている.(Bさん@CQ出版) | | ・Viscuit の設計は,シンプルな言語なのに,組み合わせ方で複雑なことが |  できることができるんだということを感じ取ってもらうのが目的.スクイークや |  スクラッチのような手続き型言語は,言語の設計がViscuitよりも複雑なので, |  複雑なことができても驚きは少ないのではないか. | ◆─────────—───——─────────—───——─────────—───—── ◇まとめ───────────────────────—─────—───────────── │・講師により,豊かな情報化社会の実現を阻む問題についてのレクチャーを受けた後, │ その問題を解決するために講師が取り組んでいるViscuitを用いたワークショップを │ 実際に体験した. │・受講者・講師からの活発な発言により,若手育成についての意見の共有ができた行えたことが | 収穫であったと考えている. ◆─────────—───——─────────—───——─────────—───——─ 以上.