********************************************************************** ワーク:S1-f テーマ:ワークショップ形式による開発プロセスの振り返り3 コーディネータ:木元 峰之 日時:2009/08/27 20:45 〜 26:15 参加人数:13人(途中参加2名含む) ********************************************************************** 1. 概要 1チーム4〜5人に分けてワークを行う. 前半は,コーディネータ作成のボードを使い入力と出力のみから計算過程を推測する ことを行う. 後半は,ピタゴラスイッチのようなパズル(以下,ピタゴラスイッチとする)を作成し, その作成方法のドキュメントにする方法を競う. 2. 内容 2.1 前半(計算の推測) 参加メンバを3チームに分類する. 以下,議事録作成者も1チームに参加する. 以下のものを各チームに配布する. ・ボード ・ノート ・筆記用具 コーディネータが作成したボードの操作方法を説明する. 最初にenterを押し, 5179と押す. 2桁の数字を4つ入力すると(例えば01 02 03 04),出力として3桁の数字が4つ表示 される. 入力できるのは99回まで. これは4つの入力をもとに4つの出力をしており,その過程がブラックボックスに なっている. 目的は,その過程で計算がどのように行われているかを見つけること. あるチームは以下のように行った. 00 00 00 00を入力し,次に00 00 00 01,00 00 01 00と1つずつ変化させてログをとる. ログから答えの予想を出して,あっているかどうかコーディネータに聞く. 他チームはまだ議論していたので,時間があればテストする方法を検討するよう コメントをもらう. 開始から16分で全チームが答えを見つける. 本当に予測した答えが正しいのかを確かめる方法を検討する. 安易なのは,入力を全てのパターン行うことであるが現実的ではない. その他どんな方法があるのか参加者に質問する. ・12 34 56 78 とかを5回くらいやる. ・それをやりつつランダムに入力する. ・1 59 99 等を組み合わせてテストする. ・ユーザインタフェースをとって関数のみをテストする. ・0 5 9 10等 をやる. ・端っこ(境界値)をテストする. 今回は4入力だが,より入力が増えたときはどうすべきか? 議題を投げかけて,次の演習を開始する. 2回目はコード3903で行う. 最初のパターンと同じ入力をして答えの予想を出そうとするが,検討がつかず. チームごとに代表を決めて,どのような検討をしているかを発表し情報交換をする. ・00 00 00 00 を入力し,4つの入力を01に変えるパターンにして,関連性・規則性を 見つける ・同じ数字を4つ入力したときに結果もすべて同じになることを確認した. ・順番が入れ替わっているようだが,さらに条件があるようだ やり方のヒントをコーディネータからもらう. 「最悪なやり方を考えてみる」 最悪なやり方は,「ランダムな数字を入れてしまうこと」ではないかという意見が チーム内であがる. 22:10 2チームが回答を見つけたのでその解説をする この答えがなかなか出なかったのは何故かを参加者に質問する. ・順番が入れ替わるだけということに気付かなかった ・規則性を見つけるのが難しく,あまりを出すという考えにも難しかった ・ランダムに変えすぎて規則性が見つからなかった ・順番が入れ替わったということに気付くまでが大変だった ・複数の数字を一度に変えすぎていた ・4つの数字はそのままでると思い込んでいた ・数字が何かの条件が入れ替わるだけというのには気付いたが,予測となかなか 合わなかった ・アルコールが入ってテンションあがり,インスピレーションがわいた ・4で割ったあまりということになかなか気付かなかった ・複数の入力が出力に影響してるのが難しくなったのではないか この答えがあっているかどうかのテストはどうすべきだろうか. その前に,各チームはどうやってテストしたか ・今まで出てきたのをすべて確認した 今までのやり方(出てきたものを確認)の欠点とは ・入力したことのないものに対して出力が不明である さて,テストはどうすべきか・・・ (参加者からの回答がでてこない) 2.2 後半(ピタゴラスイッチ) 少し疲れてきたようなので,次の演習を開始する. コーディネータがジェンガ,クリップ,えんぴつ等を詰めた箱から 道具を組み合わせて,ピタゴラスイッチのデモを作成する. 箱を各チームに配布する. 最終的に,さまざまな道具を組み合わせて鉛筆のキャップ(旗付き)がなにか アクションを起こすようにする. 文章でその作り方を記述する(ドキュメント化する). ただし,絵(図)を使ってはいけない.その質を競う. 各チーム,なかなかピタゴラスイッチが完成しないため,時間を区切って作成する ことにする. 納期ありのプロジェクトととらえて取り組む. あるチームの意見. ・起承結の3つのみでシンプルにすればできるのではないか. ・プロトタイプを作成し,余裕があればグレードアップさせるようにする ・完成させてから次のタイプを作成する.これを繰り返す. スケジュールは以下のように決められた. 23:00 〜 23:30 各チームでピタゴラスイッチを作成する. 23:30 〜24:00 ドキュメントの作成 あるチームのドキュメント構成 1.概要 2.構成 2.1 ボール起動部 2.2 ドミノ部 2.3 旗部 1人が書きながら,他のメンバと記述内容の確認をする 3つのチームで作成したピタゴラスイッチのドキュメントを交換し,他チームの ピタゴラスイッチを作成することでその質を評価する. 作成した結果から,質問事項を文章で紙に書いて作成チームが回答する. これを数回繰り返す 全チームの前で,他チームのピタゴラスイッチを作成する 1チーム目  2カ所だけ差異があった 2チーム目 3,4カ所程度の差異 3チーム目  3,4カ所程度の差異 その後.質問事項で生じた誤解について意見のやりとりをする. ・文章量としてどこまで記述すればよいかがわからない ・変だと思ったことは質問できるが,正しいと思い込んだことについては気付いた ・質問内容の意図がわからない ・こういった質問の答えはあるのか  ない.これはコミュニケーションの演習であり,助けるのが狙い. ・解釈の仕方として,悪い解釈をしてしまう可能性がある ・共通の用語集があるといいのでは. ・短い時間内で書いたドキュメントでも,差異はあるけれどある程度伝わっていた  ことに驚いた. ・最初のチームが作成したものを別のチームが修正するとより良いものになるのでは.  あるチームに共通のものは別のチームの共通ではないので. ・書き方について,セクション分けしたのは共通していたが,細かい書き方が  異なっていた.  使う材料やアクション,構成など. ・伝えたいことがちゃんと伝わったか.3つに動作部をわけたが,ちゃんと伝わったか.  それぞれが独立していたので,意図をくみとって全体が完成した. 3. まとめ コーディネータのコメント  ピタゴラスイッチは概ね期待通りだった.  次回はより改良もしくは新しい取り組みをしたいと思う. 参加者のコメント ・会社とは少し違う雰囲気で自由な雰囲気で楽しく学習できた. ・笑いがあって楽しくできた. ・答えのない事だけれども,意識しながら仕事するのが重要だと感じた. ・質問回答の何回もあったやりとりは実際の仕事ではかなりの手戻りなのでぞっと すると感じた. ・楽しくコミュニケーションについて学べたと思う. ・今回初参加で楽しくできた.前半の計算の推測は,チームの力で乗り切った. チームの力はすごいと思った. ・当初はタイトルと違う感じだったが,楽しくいい勉強になった. ・議論を通していろんな考えができるということを学べた. ・遊びを通して学べるということを感じた. ・ドキュメントの図は偉大だなと感じた. ・正しいと思っていても,伝わらないこともある.ドキュメントだけを信じるのも だめなのかなと思った. ・時間の使い方が大事だと感じた.テストパターンの入力で感じた.どこまでやれば いいのかとのバランスが難しい. ・ピタゴラスは面白かった.大学等でも講義があればよかったと思う. ・ドキュメントの書き方は難しいと感じていたが,改めて難しさを感じ良い経験になった. 終了時間 26:15 意見交換は大変有意義であったが,ピタゴラスイッチは作成,ドキュメント化,質問等 ほとんどの作業で時間がかかった. 以上