********************************************************************** セッション S3-b 分科会1 テーマ:実践!QFD+FMEA コーディネータ: 高野裕之(東芝セミコンダクター社) 日時:9/5 11:00-12:30 参加人数:約10人 ********************************************************************** セッションS2-bの続きのセッション 11:10 ●例題の説明2−QFD  ・演習用のプリント配布「車載マイコン:機能安全化企画」  ・FMEAであげた対策群をQFD2のアクションアイテム部分にマップする  ・QFD1ではその対策群を評価する指標を車載アイコンに対する要求仕様から導き出す T「全部ちゃんとやると時間がかかるので、今回はQFD1のほうは私が作ったものにプラス アルファするぐらいで作ってください。技術的な要求もあるんですけど、今回は安全 ということで車に乗る人の安全を考えて、人がもともと安全以外も含めてどんな要求 を持っているかを書いてください。例えば値段や運転しやすいなどいろいろ指標はあ ると思いますので一つくらい拡張してください。 品質特性に、例えばコストばかり並べるとコストばかり評価されるので注意してくだ さい。 今回はQFD2はオーバヘッドなどネガティブなところを評価したいので影響が少ないも のの点数を高くします。 10分くらい個人で作業してください。 コストが安心に結びつくかというとそれはどうかな、などと考えながら点数付けをし てください。 本当にユーザが車に何を求めているかを考えてください。」 ●QFD実習  ・個人作業:まず各自で表を埋める  ・グループ作業:グループのリーダーを中心にグループで表作りをする ○個人作業  ・実習中にも説明を行う A「質問ですが、QFD2の二つの項目は影響が小さい場合に点数を高くつけるということで したが、QFD1でも同じですか?」 T「QFD1はそのままです。QFD2に関しては裏返して考えてください。普通はしないのです がQFD2ではトリッキーなことをしています。」 A「例えば、コストが低くなると安心して乗れなくなってしまうという場合は?」 T「そういうこと自体はQFDでは考えていない。ちょっと難しいのですが…。ネガティブに フィードバックする場合には0点になります。マイナスは付けられません。」 ○他の注意点  ・要求重要度は自分で決める  ・品質特性重要度は計算(積和)で求める  ・今回は規格化はしなくてよい  ・そのままQFD2の品質特性重要度に入れる  ・アクションアイテムの採用優先度も積和で求める  ・各表を見直してみる ○グループ作業  ・5人ずつに分かれた2つのグループでそれぞれ討議する  ・リーダがボードに結果を書いてそれについてグループで話し合う ○グループ討論の際に出た問題点、注意点など  ・車の要求は人によって変わる:ファミリー向け、個人の趣味で楽しむ  ・企画の方向性、コンセプトをグループで合わせるとよい  ・表のここだけは納得いかない部分などはないか考える  ・優先度を計算してみてそこから逆に付けた点数について考えてみるとよい 12:05 ●グループ間討議(クロスインタビュー方式)  ・グループの中で2人と3人に分かれる  ・分かれたうちの2人をグループ間で入れ替える  ・残った3人が別グループの2人に自分たちのグループの作った表について説明する  ・その後グループをごっそり入れ替えて逆に説明する ○表作成における考え方  ・コンセプトは安心、安全を重視、楽しい車を作りたい  ・燃費は安全性にそんなには影響しないだろう  ・性能は重要視しないといけない  ・安全性を考えるとどれも基本的に9点がつくが、   差異を出すために対策が十分に妥当、十分な対策になっているかを考えた  ・起動チェックが性能に与える影響について一番議論した点で、   車は再起動がよく起こるらしいことを考慮して点数を変更した  ・止まれの命令で止まれないのは重症なので、シリアルが重要  ・ファミリー向けの車をイメージ ○両グループの作成した表について  ・どちらのグループも安心、安全性を最重要と考えて作成  ・イメージの違いで数値に違いが出てきている  ・はじめのイメージしていた結果と違う結果がでた  ・パラメータをうまく調整する必要がある  ・ガイドラインが必要ではないか 12:55 ●まとめ T「模範解答は用意していません。意味がないと思うので。 QFDは拡張がありますので、よかったら本を一度読んで見てください。 先ほどファミリーカーや趣味での車などの話がありましたが、いろいろな企画を並べ てベンチマークにするとか、自社の企画と他社の企画の重要度を並べてみて比較する とか、あるいは、自分はこうしたいけれど今売っている車はこういう企画なってしま っているときに、表でいうとここは3点だけど9点にしたい、などのようにもQFDを使え ます。 今回はQFDでトリッキーな使い方もしましたが、QFDで製品やプロジェクトとかを企画 した上で、企画を実現していくためにFMEAを使うことの方が多いです。」 B「エフミア(FMEA)というよびかたはどのくらい一般的ですか?」 T「一般的です。海外でも言います。どちらかというと英米の人はエフミーと言うことが 多いです。」 T「いろいろと使ってみてください。」