******************************************************** セッションS1-c 分科会 テーマ:実践!なぜなぜ分析パート2 コーディネータ:間瀬 順一アイシン・コムクルーズ(株) 日時: 9/4 20:40-22:30 参加人数: 25人 ********************************************************* ------------------------------ 参加者が遅れたため10分遅れで開始 ------------------------------ M氏: タイトルですが実践なぜなぜ分析パート2ということではじめます。 まずはじめなんですが、パート2ということですがSWEST10ではパート1はありません。 SWEST9で佐藤さんが行いました。 M氏: 本日の進行は次のように行います。 まず自己紹介 そしてチームを作ります。 そのあと演習1をやって4M5E分析手法を説明し、 演習2を行います。 私ですがアイシンコムクルーズ間瀬と言います。学生のころ数学の研究を行って いましたが数学の未来に不安を感じネットワークアプリケーションを開発する仕事 をしていました。それから職を移りバストラック向けAT開発を行っていいます。 もしバスにのってATならば私のATだと思ってください。それぐらい寡占になってます。 私はIT系業務の時には成功失敗を問わずプロジェクトの反省はしていませんでした。 現職となり特に品質問題の発生時に反省を行うようになり、改善の威力を感じました。 今日やるワークはすぐに威力を感じることはないかもしれませんが、ぜひ会社に 持って帰って実践してください。 継続的に改善することによってソフトウェアの複雑化、大規模化を少しでも抑える ことができます。 --------------------------------------------------------- チームをイヌ, ウサギ、ペンギン、ネコにわける 1チーム7名程度 ---------------------------------------------------------- M氏: 自己紹介がわりに名前と失敗した経験をいってください。 ------------------------------------------------------ 自己紹介 S氏 デバイスドライバ開発でバグを出した。 I氏 ソフトウェア開発でバグを出した。 H氏 荷物をとり忘れて遅刻した。 I氏 喫煙部屋に配置されてしまった。 O氏 海外で飛行機の日付を間違えてしまった。 H氏 バスの乗り場がわからずに遅れかけた。 H氏 宅配便の再配達の指定を間違えてしまった。 N氏 納品一ヶ月前に顧客から求めていたものと違うと指摘され作り直すことになった。 N氏 去年パート1を受けたが話がまとまらなかった。 同じ人が発言を繰り返すようになり、そうならないように自分から発言をするようにしている。 会社でもなぜなぜ分析をおこなうがソフトウェアの分析が一番難しい。 ソフトウェアの人たちがどのように分析を行うか知りたかった。 ------------------------------------------------------ M氏: なぜなぜ分析とはトヨタのグループの中で使われている手法、言葉です。 なぜなぜ解析と言う場合もあるが今回はなぜなぜ分析で統一します。 なぜなぜ分析は ・問題を分析して探す ・なぜを繰り返すことで本質を探す。 ということを行います。 --------------------- 簡単な例を紹介 --------------------- 誰かが頭をうって怪我した -> なぜ? 天井が低くなっている箇所が固い-> なぜ? 低くなっている所に保護財がない-> なぜ? 保護材をはる。 実際には子因は枝分かれしていく。 なぜを繰り返して子因を探す。 なぜなぜ分析を実行する前に問題を整理し事実をしっかり把握する。 問題となっている部分の仕組みや役割を理解する。 ポイント1 現象やなぜのところに書く文章は短く簡素に ○○が○○したという形にする。 ポイント2 その前の事象に対して要因がすべて挙げられているかということを その逆を考えてチェックする。 ポイント3 最重要なもの 再発防止策につながるような要因がでてくるまでなぜを続ける。 ポイント4 なぜなぜ分析を終了した後必ずなぜの部分から現象までさかのぼる形で読んで 論理をチェック。 ポイント5 真因と対策が裏返しになっていることを確認する。 なぜなぜ分析はソフトウェア開発に限らない。トヨタグループではなんにでも使う。 私の例を紹介します。 --------------------------------------------------------- M氏: 競輪の電話投票の権利が失効した->なぜか? ↓ 1年以上電話投票をしなかった。なぜ1年以上電話投票しなかった。->なぜか? ↓ 1年は長いので次いつ投票すればよいかわからなかった。->なぜわからなかったのか? ↓ 競輪の投票を適当にやっていて投票予定日をスケジュール表に書いていなかった。 ->なぜ書いていないのか? ↓ いつ投票するか決めていなかったからだ。 参加者O氏: 飲み歩くのに忙しかったのが原因だ。 M氏: 正直な話興味がなくなってしまったのが原因です。しかしこれを子因にすると 再発防止策が取れなくなってしまいます。 今回は例として再発防止策がとれるような子因を選んでいます。 なぜ?をどんどん繰り返して子因を求める。 ------------------------- 私の再発防止策 ------------------------- 私は競馬の電話投票権利も持っています。今回はこれを失わないようにするには どうすればよいかを再発防止策とします。 問題: 競馬の電話投票権利が失効 真因: いつ投票するか決めていなかった。 再発防止策: 競馬の電話投票をいつ投票するか決める。 ->ダービー 有馬記念 スケジュール表に明記する。 ->会社のグループウェアに記載する。 毎日予定のチェックを行うので 取りこぼすことがない。 これにより私の生活は豊かになる。これにより私の電話投票の権利は失効しない。 ---------------------------------------------------------------- 演習1 自己紹介で話題となった失敗談をチームでひとつ選んでください。 条件は失敗談を紹介した人が分析することに同意することです。 皆さんの分析の結果いい結果が出ればその人の生活は豊かになる。 なぜなぜ分析は発散するフィールドである。 どんどん書いていくことでなぜなぜ分析は深くなっていく。 ---------------------------------------------------------------- -------------------------------------------------- 18分間紙に書いてもらう -------------------------------------------------- M氏: なぜなには線の引きなおしもできるのでとりあえず意見をだして書いて いってください。 -------------------------------------------------- ウサギチーム ポジションペーパーを書き忘れた PPを書くのがめんどくさい PPを書いてもメリットがない 書けばお金をもらえる 書かなかった人には課金 M氏: コメント 他の人の意見を聞くことが重要。量からアイデアが生まれます。 どのグループの方もさまざまな意見が入っています。 一人でこれだけの意見を 出すことは難しい。 改善とは1人の天才がやるよりも1万人の凡人がやったほうがいい意見が出る。 -------------------------------------------------------- 演習の成果物を回収して講義にもどる。 ------------------------------------------------------- M氏: ヒント 実際になぜなぜ分析をやる上でのヒント 4M5E分析手法の紹介 原子力安全技術センターが策定 核燃料使用施設で発生したトラブル等を対象とした方法 要因のM Man(人) 作業者の心身的な要因、作業的な要員 Machie(設備、機器) 設備機器器具固有の問題 Media(環境) 作業さに影響を与えた物理的、人的環境の要因 Management(管理) 組織における管理の要因 ガイドラインはURLからダウンロード可能 対策の5E Education教育 訓練 知識教育意識教育実技 Enginnering技術 工学 設備の改善肯定の改善 Enforcement強化 徹底 規定化 評価 指導 危険予知活動 Example模範 事例 模範事例 水平展開 Environment環境 作業環境の改善 5Eよりも4Mが重要である。原因が分かれば対策は容易である。 子因にたいして複数の対策が取られることもある。 気をつけたいこと 本気で取り組むことが重要 なぜなぜ分析をやるタイミングは問題が発生したとき。 みんなが本気で取り組まないと成果が出ない。 根っこは何かあれば原因を考え対策を取ることだけ。 KAIZENは弱点を考えて取り組む点でimprovementと違う。 なぜなぜ分析は時間がかかります。 そのため本気で取り組む必要がある手法です。 M氏: ソフトウェア分析は個人攻撃になりがちです。 チーム対問題になるように取り組みましょう。 チーム対問題で問題を倒すことが重要です。 自由に意見が出せる雰囲気を壊さないようにしましょう。 悪いと言う言葉は避け具体的な例を出しましょう。 -------------------------------------------------------- 演習2 2005/12/08に発生した、株取引に関するご発注に伴う巨額の損害発生問題をネタにします。 組み込み知識のない人にも理解でき、議論に加われるようにIT系からの問題定義 としました。 みずほ証券によるジェイコム株誤発注による巨額損失発生 ↓ 61万円で1株売りたい ↓ 1円で61万株の売り注文を出す ↓ 異常注文警告を無視して発注 ↓ 買い注文殺到 ↓ バグにより取り消しできず ↓ 巨額の損失発生 -------------------------------------- 問題が大きいために分割する。 問題1 異常注文警告を無視して発注した。 問題2 バグにより取り消しできず。 問題1について分析を行う。 時間がないので10分で分析を行う自由な意見を言ってください。 連関図を配って議論開始する。 -------------------------------------- 議論を10分間行う。 M氏が発表を促すが立候補がいない。->イヌチームが発表を行う。 ----------------------------------------- イヌチーム なぜ無視して発注したかを4Mをつかってなぜなにを行った。 Man まずオペレータが警告を理解していない。 Machien 1円で発注できることが問題。 Media オペレータが発注を急がされていたことが考えられる。 M氏: いろいろな意見を出すことが重要である。結局は継続的な改善策を立てることが 重要である。詰まったときはガイドワード(4M5E)をだして考えることが重要である。 M氏: 本件は裁判で係争中のため情報システム学会は結果を濁している。 真剣に取り組んでいないため改善策は得られない。 東証 みずほも腰がひけていて本質的に問題が解決されていない恐れがある。 参加者は真摯に問題に取り組んでいるため情報システム学会の報告書よりも価値がある。 なぜなぜ分析はいかがでしょうか? 問題について全員の認識が深まる。本気で戦う認識ができることがトヨタの改善の 真髄だと思います。皆さんはトヨタの改善の真髄を学んだということができると思います。 もし有効に活用できたと言うことができたのならばパート3を行ってほしい。 今回、前回は車の話だったがそれ以外の職種でもどんどん全国で行ってほしい。 日本はソフトウェア工学が弱いがこういうことをやっていくことでアメリカに 勝つことができるかもしれない。 -------------------------------------- まとめ -------------------------------------- なぜなぜ分析は問題に対してなぜを繰り返して原因を探る。 なぜなぜ分析をすることによって問題に対して認識が深まる。 行きずまった時はガイドワードをもとに分析をすることも効果的である。 真剣に取り組まなければ改善策は得られない。 いろいろな意見を出すことが重要。