分科会B1 組込みシステム 技術以外 言いたい放題 座長 山本潔(CQ出版) 本分科会では、企業人側が十人程度の出席であったのに対し、大学の先生方 や学生の皆さん方がより多く出席されていたこともあり、話題は自然と、 "大学と企業の関係"という方向に向かっていった。 話題は、下記の二点に集中した。 (a) 大学研究の内容やモチベーションと企業との関係 (b) 組込みシステム技術の魅力や環境について (a)については、大学側から、下記のような意見があった。 (a1) 組込み技術はノウハウの塊であるから、その現状を知らないと、意味 のある研究をするのは難しい (a2) 特定の企業と結び付くのも現状は難しい ("LSI関係だとある"という意見も) (a3) 学生には、自分でモチベーションを高める能力はない (a4) 企業からの求められるもの即大学で適当なものとはいえない場合もある 例えば、すぐに利益に結び付くものを求められても困る また、Doctor論文にならないようなものは重要とは思われない →どこらへんが重なるのか? また、企業側からも、下記のような意見があった。 (a5) ノウハウの塊である組込み技術の情報を企業側から積極的には流せない (a6) 一方、機会さえ多くあれば、或は個人的交流の範囲でなら、機密以外の 部分でも話せる情報はいっぱいあるはず (a7) 学生は実習に来るなどして、自ら情報を求めにくるべき (a8) 大学は、何年後にどこで役に立つかを考えて研究してほしい。 更に、参考意見として、下記のような意見があった。 (a9) 大学は5〜7年先を研究し、企業が途中から参加できる枠組がほしい アメリカでのEDAの研究における、大学と企業の関係が望ましい また(b)については、意見が出尽くす前に終わってしまったものの、下記の ような意見が出た。 (b1) そもそも大学では、組込みはマイナーな存在 (b2) 学生が面白いと思えるものを提供しないと、講義やゼミは成り立たない。 (b3) 勉強したくても、上記のように情報は足りないし、書籍も少ない。 (書籍は出してはいるが、売れなくてすぐに絶版になってしまうらしい) (b4) そもそも、どんなところに魅力がある? ハードとソフトを両方一緒に学べるところ? 結論を出すには至らなかったが、懇親会から持ち越された気楽な雰囲気と、 座長の山本氏の人柄や要所要所の適切な舵取りに支えられて、問題意識の共有 という点においては、なかなか有意義な分科会になったと思われる。